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母と息子の3000日

認知症の在宅介護には、小規模多機能の活用が鍵

2013年11月23日(土)

今夜のNKHスペシャルは、実に素晴らしかった。
認知症の母を在宅介護した息子さんの3000日に、我が在宅医のリーダーの新田國男先生
と市ヶ谷のマザーテレサこと秋山正子看護師が的確にコメントされていた。

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99歳の脳血管性認知症の母を、76歳の息子が介護して看取った。
8年に及ぶ介護生活のドキュメンタリー。

最期は誤嚥性肺炎にて家族は救急車を呼んで入院した。
そこで鼻からの栄養へ。

家に帰るという希望は、病院の医療者に却下されて
3つの病院を転々としたあと、結局病院での看取りになった。

自宅で死にたいという母親の希望は叶わなかった。
在宅看取りを希望してきた家族の希望は結局、叶わなかった。

一番よくわるパターンが、息子さんと
新田先生、秋山さんが淡々と解説していく。

人間の死ぬ過程を教えてくれたという息子のメッセージ。
死ぬ直前に息子に語りかけた母親の言葉が印象的だった。

終末期に何もしないことのことの重要性を説いた秋山さん。
すべてが、後手後手になっていたとの新田先生のコメント。

実にいい番組だった。
オンデイマンド放送でたくさんの人に見て欲しい番組。

認知症の在宅ケアのほぼすべてが語られているように感じた。
その中で出てきた、小規模多機能の活用が鍵を握る。

在宅で診ている認知症患者さんのたった3%しか小規模多機能を
利用していないという現実は、そろそろ見直されることだろう。

幸い当院の近くにも小規模多機能がありお世話になっている。
診療報酬を改定して認知症対応型小規模多機能が増えるといい。

そして独居の認知症には、24時間定期巡回随時対応型訪問介護の導入だ。
現在、尼崎市では5人が稼働中だが、そのうち2人は当院の方で私が主治医。

認知症になってもいろんな制度を上手に利用して住み慣れた地域で
自由に食べて移動して過したいものだ。

そのためには、自分の住んでいる地域を見直すことから始まるのだろう。
まさに地域包括ケアに、国民全員が理解をして協力することではないか。

今日の、認知症とリビングウイルのシンポジウムにも深く関係する映像だった。
毎月のようにお会いしている新田先生と秋山看護師が、実に輝いて見えた。

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この記事へのコメント

私も見ました。
私は、訪問のヘルパーしてます。
ご家族の方が、いっぱいいっぱいで、ストレスを感じていらっしゃる事が多く、今日放送された内容は、実にリアルでした。こういったご家庭が、ほとんどです。後手後手になってしまっている。
だからこそ、もうちょっと、私たちかかわる人間すべて(介護制度含め)、先手を打つことを考え、お力にならなければ、と思いました。

Posted by sayo-p at 2013年11月24日 12:00 | 返信

たまたま見ることができました
昨年病院で見送った義母を思い出し、笑ったり、うなずいたり、泣いたり
人間の死ぬ過程は私の10代20代の子供達にも伝えられました


気になったことがふたつ
相田さんが排泄コントロールについて知らなかったし、誰も教えてくれなかった事
ターミナル期の病院医師の言葉
・11回目の電話でやっと見つけた病院を断って自宅へ戻るなんて
・自宅看取りには最後まで何もしない覚悟が必要


後手後手になった原因は何でしょう
いきなり介護の波にのまれてあっぷあっぷしている家族が不勉強だからですか
介護サービス提供者の不勉強からですか(ケアマネなど)


知らないということは聞くこともできないのです
あの番組に出演された方達が相田さんの介護にかかわっていたら
相田さん母子の願いが成就されたと思い、切ないです
番組で紹介された、介護関係者が連携した取り組みがスタンダードになることを願います

Posted by どさんこ at 2013年11月24日 09:12 | 返信

昨日は、見なかったので、今日、25日の夜中に見ました。
一回見ただけでは、良く分からない事がありました。
もう一度みたいです。
新田先生の、仰っていることが意味が深いなあと思いました。
相田さんが、お母さんを「お前」なんて呼んでるので、どうかと思いましたけど、99歳まで、自宅に同居して介護していたので、偉いなあと思いました。
何回も見て、何回も討論したら、色々な意見が出るだろうなあと思いました。
小規模多機能と言う事は聞いていましたが、在宅介護に組み入れると良い効果があるとは知りませんでした。
夜間のお仕事が増えるのも、気の毒ですね。
夜間の医療従事者の仕事で、乳がんの発症率が多いとも聞きました。
24日(日)のNHKスペシャルは独居の認知症患者さんをどうするのかと言うテーマでしたが、女性の認知症の方を無理やり病院に受診させて、施設送りにするのはどうなんだろうと思いました。
私も独居になるので、強制入院させられるでしょう。自治会も怖い存在です。私の母の友達(同じ89歳の女性)も、主人が、胃がんで死んだら、もう用済みとばかりに、施設に入れられた奥さんがいます。正常圧水頭症を思われる症状がありましたから、止められませんでした。
教会の婦人会に医師の妻が居て、その医師夫人が「あの人は痴ほう症にきまっているから、一人住まいにしておくのは危険だ危険だ!」と強硬に主張したのです。
一旦、認知症とレッテルを、張られると、財産権も、居住権も無くなるみたいです。
マンションの人達の思惑もありますし。
親戚はと言えば「世話はしたくないけど、マンションも権利だけは欲しい」という人ばかりですから。
私も母が死んで、不動産屋が、私の家を売りに出すのを待っている様な気がします。
ただ、私は独身なので、母の介護を、誰にも気兼ねなくできるのは良かったと思います。
私の周りでは、美容師さんも、長崎の実家のお母さんの介護のかたわら関西に帰って来た時、うちの母の髪のカットを年に二回、お願いしています。
歯科衛生士さんは、夫婦二人三脚で、実家のお母さんを介護しているそうです。
取りとめも無いことを書いてしまいました。

Posted by 大谷佳子 at 2013年11月25日 02:14 | 返信

地域未着型サービスが、認知症の方にとっては適したサービスであることを介護、医療関係者だけではなく、一般市民の皆様にもっともっと知っていただきたいと思います。また、小規模多機能は、あくまでも在宅のサービスであり、施設のように集団的ケアではなく、個別ケアであることも知っていただきたいです。だから認知症の方には適しているのです。

Posted by 社会福祉士 河本健二 at 2013年11月25日 11:41 | 返信

最近 ようやくマスメディアでも「小規模多機能型~」を取り上げて下さるようになり プチ喜ばしい・・・ですが、
この「地域密着型サービス」とゆう 介護保険制度の下のジャンル・カテゴリーが 「曲者」なんです・・・。

「市町村」単体 が 管轄って事で 所謂「ローカルルール」が個々に、存在してるんです。これがみごとに バラバラの解釈・ガイドラインで
 

「連続泊まりサービス は 施設ではないので NG!」 とか 「訪問診療・訪問看護 は、 連続泊まり(事実上 泊まりっぱなし)の利用者には OK! だが 通い(所謂 デイサービス)利用者にはNG!」 
「グループホームは住民票が置けて 住居扱い OK! 小規模~は NG・・・」 
「施設 並びに デイサービス ではないので・・・」 等々  玉虫色 ですね。 
 「看取り加算 は 施設・グルホ には あるが、小規模~には ない・・」  


ホント、 「月見草」の如く 「介護保険サービス制度」下の「底辺」でうごめいています・・・。

早く 人間・・・いや 「日向」の存在 になりたいです。

以上!!

Posted by 駆け込み寺 at 2013年11月25日 05:54 | 返信

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