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認知症 8年間で115人鉄道事故死

2014年01月13日(月)

8年間で認知症の人が115人が鉄道事故死したことが報じられている。
720万円の賠償命令が出たニュースは、氷山の一角であるということ。
私が在宅で診ていて鉄道事故で亡くなられた認知症の方も115人の中の1人だ。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140112-00000001-mai-soci

認知症の方は悪気があって鉄道内に入るわけではない。
広々しているので入ってしまう。

警笛を聞いても、それが逃げろという合図と理解できず、ひかれてしまう。
小さな子供や動物は逃げるだとうがそれができず、亡くなってしまう。

だから、閉じ込めておけ、という意見はあまりにも乱暴だと思う。
そうしたリスクをも包含できる地域、社会にならないといけない。

以前から書いているように、「認知症保険」のような仕組みが必要ではないか。
万一、事故があれば、社会が負担するのだ。

詳しくは、来月出る認知症の書籍に書いた。


私の経験では、認知症の人の脱走が続いている。
施設の2階の窓から飛び降りて、逃げ出そうとする。

そんな元気ならば施設に入る必要など無いのだが。
閉じ込められたら逃げるのは、むしろ正常な行為だと思う。

どうして散歩に連れていかないのか。聞いてみた。
外に出ると凄いスピードで逃げうので、看守が2人必要だが、その人員が無いとのこと。

要するに、運動させてもらえない牢屋。

現行制度のままだと、牢屋は続く。
万一、脱走して何かトラブルが起きても社会全体で負担するのが正しい。

やがて半数が認知症になるのだから、人ごとではない。
こうした仕組みは早く作るべきだと思う。

テレビタックルでの議論も再度参考に。
http://www.youtube.com/watch?v=BKcxFYtopbo&feature=youtu.be

<認知症>115人鉄道事故死 遺族に賠償請求も

毎日新聞 1月12日(日)3時0分配信

<認知症>115人鉄道事故死 遺族に賠償請求も

認知症の人の事故と鉄道会社の対応例

 認知症またはその疑いのある人が列車にはねられるなどした鉄道事故が、2012年度までの8年間で少なくとも149件あり、115人が死亡していたことが分かった。事故後、複数の鉄道会社がダイヤの乱れなどで生じた損害を遺族に賠償請求していたことも判明した。当事者に責任能力がないとみられる事故で、どう安全対策を図り、誰が損害について負担すべきか、超高齢社会に新たな課題が浮上している。

【介護現場に衝撃の判決】認知症老人が列車にはねられ死亡→地裁が遺族に720万円支払い命令 「行動を一瞬も目を離さず監視することなど不可能」…遺族から怒りの声

 鉄道事故については各社が国土交通省に届け出て、同省は「運転事故等整理表」を作成している。毎日新聞は情報公開請求で得た整理表と各事故の警察発表などから、「認知症」という言葉が介護保険法改正で取り入れられた05年度以降の事例を調べた。当事者が認知症であることを記載していない届け出も多く、件数はさらに膨らむ可能性がある。

 事故の多くは認知症による徘徊(はいかい)や、危険性を認識しないまま、フェンスなどの囲いがない場所や踏切から線路に入って起きたとみられる。線路を数百メートルにわたって歩いた人や、通常は立ち入れない鉄橋やトンネルで事故に遭った人もいた。

 08年1月に大阪市で当時73歳の女性が死亡した事故では、駅ホームの端にある職員用の鉄柵扉から入り線路に下りた可能性がある。本人がGPS(全地球測位システム)発信器を身につけていたが、間に合わなかった死亡事故もあった。

 認知症の人による鉄道事故を巡っては、名古屋地裁判決が昨年8月、「家族が見守りを怠った」というJR東海の主張を認めて約720万円の賠償を遺族に命じた(遺族側が控訴)。家族会などからは「一瞬の隙(すき)なく見守るのは不可能。判決通り重い責任を負うなら在宅介護はできなくなる」と不安の声が上がっている。

 毎日新聞はJR東海の事故を含め、被害者の氏名や所在地が判明した9社10件の事故について、遺族や関係者に話を聞いた。

 遺族によると、係争中のJR東海のほか、東武鉄道が2件、近畿日本鉄道と名古屋鉄道が各1件で約16万~137万円を請求していた。約137万円のケースでは会社側が事故で生じた社員の時間外賃金や振り替え輸送費などを求めていた。この事故を含む2件は双方の協議で減額されたが、4件とも遺族側が賠償金を支払っている。

 他の5件は北海道、東日本、西日本、九州のJR4社と南海電鉄の事故で、いずれも請求なしだった。遺族によると、JR東日本は「認知症と確認できたので請求しない」、南海は「約130万円の損害が出たが請求しない」と伝えてきた。JR東日本は「そういった伝え方はしていない。事実関係に基づき検討し、請求を見合わせたのは事実」、南海は「回答は控えたい」とコメントした。JR各社で請求しないケースが目立つ一方、他社では「原則請求」の対応が少なくないとみられる。

 12年度の鉄道事故死者数は295人、統計上別区分の自殺は631件だった。【山田泰蔵、銭場裕司】

 ◇認知症

 脳血管や脳細胞の障害で記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障が生じる程度に至った状態。以前は「痴呆」と呼ばれたが、侮蔑的で誤解を招きやすいとの理由で2004年12月、厚生労働省が行政用語を変更した。12年の患者数は「予備軍」と呼ばれる軽度認知障害の人(約400万人)を含めて約862万人に上ると推計され、高齢者の4人に1人に上るとみられる。

 ◇「個人賠償責任保険」などで損害対応できる可能性

 日本損害保険協会によると、遺族は「個人賠償責任保険」などと呼ばれる保険で損害に対応できる可能性がある。自動車保険や火災保険の特約として契約され、保険料は年数千円程度。ただし補償例が「ボールで人家の窓を割った」「飼い犬が人にけがをさせた」などと記載され、鉄道事故を対象と考えない人もいるとみられる。

 協会は「種類により対象になる場合とならない場合があるので詳しくは保険会社に相談してほしい」と話している。

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この記事へのコメント

認知症の徘徊で、列車にはねられ、運行ダイヤの乱れの責任を遺族に負わせるのは酷です。
24時間見ておくことは無理、だからといって閉じ込めておけ、というのは暴論、閉じ込めれば元気な人は出て当然でしょう。現在の介護行政の問題はさておき、損害保険などで補償できるなら、仕組みを早く整備してほしいです。
当県のある市では、地域の人が、徘徊しているような感じの人、今いる場所がわからない人に、声をかけ、話をし、一緒に家まで戻ったりする運動を進め、声をかける訓練もやる、というのが放送されていました。私の住む市は、警察署と連携で、企業や一般市民がボランティア登録、行方不明高齢者の情報を顔写真も添付して携帯等へメール送信というシステムが開始されました。
一度メールがきて、顔写真も見ましたが、発見されたそうで良かったと思いました。
知らない人も多い、登録もまだ少ないし、利用側も情報をさらすのが恥ずかしいという方もあって、まだまだのようです。

Posted by 小畑ふみこ at 2014年01月13日 12:28 | 返信

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