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ノロとインフル、徹底比較
2014年01月25日(土)
ノロ=死に至る怖いウイルス、であるかのような刷りこみが行われている。
実際、街中のいたるところにいるウイルスであると思うのだが・・・
病院とは、やまいのいん、であり、抵抗力が落ちた人を
集めているのだから、集団感染が起きて当然だと思う。
介護施設も同様だ。
つまり、やまいのいん、の縮命であると思うのだが。
やまいのいん、ほど危険な場所は無い。
やまいのいん、とそれ以外の場所では死亡率が何百倍も違う。
そう覚悟してやまいのいんに入るべきだが、
病院こそが安全地帯であると勘違いしている人がいる。
今朝の産経新聞兵庫版には、ノロとインフルの徹底比較で書いてみた。
というのも両者を間違えているひとが多いからだ。
産経新聞ウイルスシリーズ第5回 両方流行っています
ノロとインフルを徹底比較
今週に入り、インフルエンザとノロウイルスと思われる感染性胃腸炎の患者さんが急に増えました。往診も毎日のように依頼されます。この季節になるとクリニックはまるで野戦病院のようになります。さて、今日はインフルとノロを比較してみたいと思います。
まずワクチンについてから。インフルにはワクチンがありますが、ノロにはワクチンがありません。ノロウイルスは、どんどん変異するのでワクチンが作れないのです。一方、インフルはワクチンがあり、接種後2~3週間で予防効果が出ます。ただ今から打つとちょうど感染者数のピークと重なりワクチンを打つメリットは多くはありません。それでもいいと言われる方は、打たれてもいいでしょう。ワクチンを打っても残念ながらインフルにかかる人はいます。しかし軽くすむ、とは言われています。
次に症状に関して。インフルは38度台の熱が出ます。なかには40度近い人もいます。一方、ノロは37度台が多いようです。どちらもグタッとしていますので一見しただけでは、どちらかよく分からない場合もあります。インフルは発熱と全身倦怠感や脱力が特徴。一方、ノロは吐き下しです。但し、吐く場合と下痢の場合と両方の場合があります。少し問診すればどちらか分かりますが、一見しただけとどちらか区別がつきにくい人もいます。
次に検査について。インフルかどうかは簡易キットで調べます。但し発熱後12時間以上経たないと陽性になりません。保険診療では検査は原則1回のみなので、タイミングをよく考えて検査します。検査タイミングが早すぎて陰性になることがあります。そんな時は、医者は諸症状からインフルと診断することもあります。これは臨床診断といいます。昔は臨床診断だけでした。現在は簡易キットがあるとはいえ、あくまで参考所見であり絶対的なものではありません。一方、ノロのキットはありますが、実際にはあまり使いません。それはノロと確定してもインフルと違って特効薬が無いので、診断を確定させる意味をあまり感じません。ノロの簡易キットは特殊な場合にだけ行う検査だとお考えください。
次に治療について。インフル治療薬として飲み薬、吸い薬、点滴という3種類の抗ウイルス薬が使えます。一部の地域では、飲み薬と点滴に耐性があるウイルスが増えているそうで、今シーズンは吸うタイプの抗インフル薬の人気が高いようです。ただし在宅患者さんの多くは吸い薬が使えませんので、点滴で対応する場合が多いです。もちろんこうした抗ウイルス薬を使わない人もおられます。感染初期であれば葛根湯や麻黄附子細辛湯を、後期であれば補中益気湯などの漢方薬を使うこともあります。一方、ノロは絶食することが最良のお薬です。整腸剤などの対症療法のみしかなく、しかし待てば自然に治ります。学校ではインフルは5日間学校を休まないといけませんが、ノロには明確な規定が無く、症状が治まれば登校や出社が可能です。
最後に感染予防について。両者とも手洗い、マスクが重要です。くれぐれも他人にうつさないことが大切です。公共の場でウイルスを撒き散らさない。特に見知らぬ高齢者や虚弱者にうつさぬようマナーを守りましょう。以上、ノロとインフルの傾向と対策でした。
キーワード 吸入用抗インフルエンザ薬
リレンザとイナビルがある。リレンザは1日2回を5日間吸入する。イナビルは1回吸入するだけで大変簡便だが、吸い損なうと困る。また高齢者や肺が悪い方はうまく吸えない場合がある。
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