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Japan Times掲載の日本の終末期医療事情

2014年02月20日(木)

Japan Times2月16号に、一般社団法人日本尊厳死協会理事長の岩尾總一郎氏の
インタビュー記事が掲載されているので、和訳を含めてご紹介したい。
終末期医療における法整備の必要性を解説しているが、まさに現在進行形の話である。
 

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http://www.drnagao.com/pdf/media/related_article/Japantimes20140216.pdf



2014.2.16 Japan Times 要旨

 

今春、国会では、終末期における患者の意思を尊重するための法律案が上程されようとしています。

10年近く超党派による議員連盟において討議されている問題ですが、2013年参議院予算委員会で安倍首相が尊厳死法は必要であろうと述べています。

 

尊厳死法制化に対して、筋ジストロフィー患者の一人は、死を法律化というプロセスにのせてはいけないと説きます。死は死のままで置いてべきものだと。

 

一方、125千人の会員を持つ日本尊厳死協会では、2012年に亡くなった会員1200人のご遺族へのアンケートで、回答のあった845人のうち639人(92%)が尊厳死協会の発行している「LW・尊厳死の宣言書」を医療者側に理解されたと発表しています。しかし、18人(3%)は理解を得られなかったということです。日本尊厳死協会の岩尾總一郎理事長は、医師から理解を得られなかった人たちを救うためにも、法制化が必要であると訴えます。「人が健やかに生きるのを選ぶ権利があるように、安らかな死を選ぶ権利もあるはずです。」

 

2006年の富山県射水市民病院、2007年の川崎協同病院での医療事件が相次ぎ、厚労省は2007年に「終末期医療ガイドライン」を作成しましたが、具体性に欠けるもので、実用されていないのが現状です。

 

海外に目を向けると、欧米では安楽死が認められる国は少なくないのですが、インド、メキシコでも近年安楽死法が成立し、ベルギーにおいては18歳未満の患者にも適応する法律が認められそうだということです。

自身、「死の権利協会世界連合」の理事である岩尾氏は、「大事な事は、世界他国の法律に合わせるのではなく、各個人の意思と権利を尊重した、日本独自のものを作成するべきだ」と強調します。厚労省に勤めていた時は、尊厳死法は必ずしも必要ではないと考えていたそうですが、高齢化社会の現実を見るにつけ、やはり何らかの法整備があるべきだと考えが変わりました。生命を長らえる治療を希望する人に対しては、その権利の全てが認められると同様に、そうでない方向を選んだ人にも同じ権利が認められるべきではないかと。

 

 

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

私を含め、多くの国民が終末期医療の法整備に賛成しているにもかかわらず、通常国会での議論が進まないのは何が1番大きな原因なのでしょうか?反対することで弁護士に何のメリットがあるのかも不明です。
①障害者団体の反対
②難病患者団体の反対
③弁護士会の反対
④天下りした役人が在籍している老人病院や人工透析の病院など、天下り先第一の省益を考える行政の壁
⑤薬品業界の圧力
⑥医師会の圧力
このコメントは私の独り言です。先生が忙しくされているのは存じておりますので、回答を要求するものではありません。ご安心ください。

Posted by 匿名 at 2014年02月20日 09:16 | 返信

最近、TVで、「アメージング.グレイス」という映画を見ました。
ウイリアム.ウイルバーフォースという政治家が、大学時代の友達で、後に首相になるウイリアム.ピットと共に、「奴隷制廃止法案」を議会に提出したのが、1787年で、実際にイギリス国王が認めたのが1807年、議会で、可決成立したのが、1833年7月ですから、46年間掛かかっているわけです。その間、親友のピット首相も亡くなり、議会で可決した1833年の三ヶ月後には、ウイルバーフォースもインフルエンザで亡くなっています。
アメリカでは、南北戦争で、内乱状態で、北軍が勝ちましたが、イギリスの議会主義も、もの凄いものだなあと思いました。
アメージンググレイスという歌が、奴隷解放と深い繋がりがあるとは知りませんでした。
尊厳死法案も、それくらい時間を掛ける必要があるかもしれませんね。

Posted by 大谷佳子 at 2014年02月23日 03:28 | 返信

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