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インフル往診
2014年02月09日(日)
外来患者さんにはイナビルという吸い薬を、在宅患者さんにはラピアクタを点滴する。
外来では、待合室でインフルをもらわないようにすることが大切。
産経新聞第7話 往診もしてくれる“かかりつけ医”
待合室でインフルをもらわない工夫
この原稿を書いている2月6日現在の、当院でのインフルエンザ状況についてお伝えします。外来はちょとした野戦病院状態です。というのも、インフルの方とノロの方と風邪の方と通常診療の方が混在しているのです。当然、待ち時間が長くなります。免疫能が低下した高齢者や糖尿病の人は、長く待っている間にインフルやノロのウイルスをもらってしまいます。病院に来て病気をもらって帰っては、洒落になりません。
病院や施設での院内感染が大きく報道されています。たしかに、病院を訓読みすると“やまいのいん”。様々な病を持って抵抗力の低い人が集まっている場所なので、ウイルスや細菌にとっては最高に美味しい場所になります。実は、クリニックの待合室も同じような状況です。当院ではインフルと判明すれば別室に移しますが、それまでの時間はやはり一般の方と同じ待合室にいます。医療機関内では、マスクをすることはエチケットであり重要な予防策でもあります。
病気になれば病院へ、と誰でも考えがちですが、ことインフルやノロのウイルスが猛威をふるうこの季節はよく考えたほうがいい場合があります。立てなくなった患者さんを車椅子に乗せて自動車で外来まで運ぶ家族がおられます。しかし“往診”という制度を利用したほうが得な場合があります。外来より往診の方が医療費は多少高くついても、家族も含めた院内感染のことを考えるとそのほうが絶対にお得でしょう。ちなみに私は1日に数件の往診を依頼されます。そのためにも、普段から往診もしてくれる「かかりつけ医」を作っておくべきです。しかし初めての方でも時間が許す限り往診しています。この往診がご縁で在宅医療が始まった方が何人かおられます。インフルが取り持つ不思議なご縁です。
少し舞台裏の話をすれば、患者さんも大変でしょうが医療機関のスタッフ達も大変な季節なのです。もし自分自身がインフルに感染すれば4重苦になります。自分が辛いのは当然として、自分が元気な患者さんに媒介するかもしれません。また、自分の家族に媒介しても大変。そして職場の同僚にうつしたら、医療機関は機能停止してしまいます。ですから医療機関に勤めるスタッフはみなワクチン接種を受けています。もちろんちゃんと受けていても感染することがありますが。かく言う私は、ここだけの話ですがワクチン接種は受けたことがありません。毎年、ウイルスを浴びているので自然免疫ができていると勝手に思っています。正直な話、諦めています。そういえば毎年、ベテランの職員たちもかかりません。インフルで休むのは新人職員、と毎年相場は決まっています。とはいえ、「もらったかな?」という時があります。インフル患者さんの咳を吸いこんだら、ウイルスが体内に入ってきて倍々に増殖するのが分かります。なんとなくゾクゾクする。そんな時は、すぐに手持ちの葛根湯を少し多めに飲みます。すると体が熱くなり少し汗をかきます。できれば速足で歩くなど少し汗をかく程度の運動をします。すると翌朝にはスッキリしていますから不思議です。もちろん普段から免疫能を下げない生活を心がけています。糖尿病のある人は特に注意が必要です。インフル対策は、お薬よりも免疫力と予防です。
キーワード 葛根湯
風邪の初期症状だけでなく、頭痛、肩こりなど多方面で使われる代表的な漢方薬。インフルの初期には切れ味のいい麻黄湯も使われる。高齢者には麻黄附子細辛湯が適している。鼻水が出てきたら小青竜湯を用いる。
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この記事へのコメント
長尾先生は、ほんとにお丈夫なんですね。
私も、風邪に掛かったとおもったら、葛根湯を飲むのが良いと思うのですが、インフルエンザと思われるほど嫌な感じの時に、葛根湯を飲みますと、ほんとに40℃の熱が出て、2~3日苦しい日が続いたので、解熱剤を飲んで、熱を降ろして、何とか助かりました。
そういう体質なのかなあ。その頃も、あんまり睡眠時間を取らず、無節操な生活をしていたせいかもしれません。
母は母で、老人性の不整脈があって、葛根湯を飲みますと、その中の、麻黄のエフェドリンに反応して、余計に不整脈が出るので、葛根湯はダメなんです。
外来患者は、イナビルが良いのですか?それにすがるしかないです。
Posted by 大谷佳子 at 2014年02月09日 02:05 | 返信
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