昨日の鬼北町といい、今日の久万高原町といい、本当に素晴らしい地域包括ケアが
実践されている。

鬼北町は、社会福祉法人が中心になって、
そして久万高原町は、社会福祉協議会が中心になって推進されていた。

どちらも行政が大応援団になっている。
それもそのはず、久万高原町の高齢化率はすでに４４％に達しているのだ。

２０２５年問題が言われているが、その先には２０４０年に高齢化率は４０％になるぞ、
その時は大変だから地域包括ケアシステムを作ろう、といつも言われている。

しかし久万高原町は４４％であり、２５年後の日本の縮図とも言える町だった。
しかし、社協さんが中心になって様々な事業が行われている。

久万高原町は、人口は９６００人と１万人を少し切る。
面積は、鬼北町の２倍で、愛媛県下で最大。

コンビニは一軒（サークルＫ）で、パチンコ屋も一軒、スナックは３軒。
カラオケはなし。

土地は坪３万円で、四国の軽井沢と言われている。
リンゴがや桃太郎トマトが有名。

特養は１軒＝１００人、老健も１軒＝６０人、グループホームは４軒。
透析患者３０人は、松山まで通っているとのこと。

婦人科、小児科、眼科、耳鼻科、皮膚科、脳外科などは無い。
内科と外科以外は無い。

在宅医療に熱心な医師がおられて、朝早くから往診をして看取りもしていると。
久万高原町はとっても広いので往診範囲は、かなり広範にわたるとのこと。

社協のメンバーさんたちが、デイサービスはじめ介護保険事業をしている。
またお出かけ支援などの介護保険外の事業もいろいろされていた。

愛媛県には２０の社協があるが、久万高原社協は、トップクラスだという。
特に権利擁護と地域づくりにおいてはぬきんでている。

１００歳以上の長寿者が１９名いる。
最高は１１１歳。

みんな畑をいじるのが楽しみだという。
最期まで移動しているようだ。


久万は松山から高知へ抜ける道だが、お遍路さんの４４番、４５番がある町でもある。
久万という名前の由来が気になっていた。

空海がここに来た時に、お久万さんという名前のおばあさんが御接待をしたそうだ。
そして空海さんは、「この場所を必ず栄えるようにする」と言って立ち去ったらしい。

久万高原町は、四方を山に囲まれた盆地のような場所。
そう、高野山とどことなく似ていると感じた。

八丁坂という急な坂道をあがったところに民宿とレストランがある。
そこでお昼ご飯を食べていたら、日本尊厳死協会の会報がバックナンバー置いてあった。

お上さんはかなり昔から尊厳死協会の会員だという。
座敷のついたては、曼荼羅が印刷してあった。

空海さんといい、尊厳死協会といい、不思議なご縁を感じた。
夕暮れの久万はさらに神々しかった。

鬼北、松山、久万と愛媛県を満喫した。
瀬戸内海のカニと魚が美味しかった。