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右往左往の施設系在宅医療
2014年03月06日(木)
老人マンションの在宅報酬が、4月から4分の1に減額されるという発表は、
在宅専門クリニックには衝撃だったようだ。
撤退を表明する在宅医が相次いだそうで、施設系在宅難民が生まれるという指摘もあった。
在宅専門クリニックには衝撃だったようだ。
撤退を表明する在宅医が相次いだそうで、施設系在宅難民が生まれるという指摘もあった。
私は、すでに医療系専門誌に書いた(本ブログでも紹介)したとうり、
地域包括ケアへの道標にすぎないと認識している。
たとえ4分の1に減額されようが、タダになるわけではない。
ありがたく頂戴して、粛々とやればいいだけなのに、と思っていた。
しかし在宅医の団体は集団交渉しようという意見が多い。
これではまるで日本医師会と同じで、国民から笑われるだけないのに・・・
本日、4分の1より少し高くなるような公式発表があった(らしい)。
2分の1なら、また「やっぱり、やります」と撤退を撤回する在宅医もいるのだろう。
情けないことだ。
正直、同じ医師として恥ずかしい。
高いからやります、安いから止めます、では公共工事の入札と同じじゃないか。
しかし医療は社会資源で社会奉仕で、どこかボランテイアのようなところがある。
「綺麗ごと言いあがって」、という声もあるだろう。
しかし医療とは、そもそも綺麗ごとを全うしようとする業界ではないのか。
ただ楽しいから在宅医療をやっている。
それだけじゃなかったの?
それで結構な報酬を頂けるのなら、本当に幸せな業種だと思うのだが。
世間もみなさんは血のにじむような努力をして働いておられる。
私自身は、感謝することはあれど、施設の在宅報酬に特に感慨は無い。
ただ、仕方が無いと思っただけ。
厚労省は、悪徳在宅医は駆逐したいが、施設在宅を駆逐したいわけではない。
そんなことは誰が知っている。
私自身も4つのグループホームと、いくつかのサ高住の患者さんを診ているが、
先日の発表を聞いたときは、「仕方が無い。そんなこんだろう」と思っただけだ。
正直、それより、先月から導入した電子カルテのほうが気になる。
あるいは、講演活動で身動きできなくなった体のほうが気になる。
私は以下の提案したい。
1 一度撤退電話をして、今日、それを撤回した医療機関を知りたい。
それこそが、厚労省のいう「悪徳在宅医」ではないのか。
善良な在宅医に迷惑をかけた医療機関はいったいどこなのか?
2 今後、診療報酬改定をするなら、私なら「近距離加算をつける」
1km以内なら、1.5倍。
○○km以上なら、0.5倍、という具合に
施設から近いほど、診療報酬が高いように設定する。
裏を返せば、遠くから来ている在宅医は撤退し、近隣の医療機関が主治医になる。
3 施設の在宅より、特養の嘱託医のほうが問題ではないのか。
施設の在宅医の報酬ほうが特養の嘱託医よりずっと高いほうが問題だと思う。
特養での医療の在り方を先に論じるべきだろう。
4 クリニックのすぐ近くにある施設の患者さんを診ることは、基本的に
学校医と同じように、義務であり、ボランテイアでもあると思う。
地域の住民を護ることが、地域包括ケアだと思う。
5 長い目でみると、外来と在宅の差は縮小するであろう。
極端な話、隣のばあちゃんを行って診ても、来てもらって診ても
診療報酬はそう変わらない、という方向に行くのではないか。
以前から不思議に思っていたことがある。
「中学校区の街が病院」で「道路が病院の廊下」だとよく言われる。
もし本当にそうなら、廊下を歩くだけでなぜそんなに高くなるのか?
大きな病院なら院内を歩くだけで疲れるところがあるが、報酬は院内。
すなわち、今後、「距離」という概念を大幅に変えないといけないと思う。
都市部では、自転車で行ける範囲が病棟内という解釈。
田舎では、遠くても行かなければいけないケースがあるので
逆に、それを評価する。
すなわち、
都市部の在宅は、効率がいいので、削減できる余地がある、
一方、田舎の在宅は効率が悪いので、手厚く評価する。
こうした「距離別手当」という新しい尺度で勘案しないと
真の意味での地域包括ケアシステムは前進しないと思う。
いろいろ書いたが、在宅医ならもっと大きな視野で国民の生活を見て欲しい。
在宅医自身が陥っている穴に早く気がつくことを願う。
総合医のはずなのに、「経済性優先医になってやいないか。
介護との連携や学校医や市民への啓発をちゃんとやっているのか。
実は今後、一番大変なのは、急性期病院と慢性期病院だと思う。
在宅復帰率とい難しい宿題を押しつけられて、四苦八苦している。
そんな御苦労に比べたら、在宅医の不満なんてたかが知れているのでは。
私は今回の改定は、正直、病院の先生方のほうが可哀そうだと思う。(言わないが)
地域包括ケアへの道標にすぎないと認識している。
たとえ4分の1に減額されようが、タダになるわけではない。
ありがたく頂戴して、粛々とやればいいだけなのに、と思っていた。
しかし在宅医の団体は集団交渉しようという意見が多い。
これではまるで日本医師会と同じで、国民から笑われるだけないのに・・・
本日、4分の1より少し高くなるような公式発表があった(らしい)。
2分の1なら、また「やっぱり、やります」と撤退を撤回する在宅医もいるのだろう。
情けないことだ。
正直、同じ医師として恥ずかしい。
高いからやります、安いから止めます、では公共工事の入札と同じじゃないか。
しかし医療は社会資源で社会奉仕で、どこかボランテイアのようなところがある。
「綺麗ごと言いあがって」、という声もあるだろう。
しかし医療とは、そもそも綺麗ごとを全うしようとする業界ではないのか。
ただ楽しいから在宅医療をやっている。
それだけじゃなかったの?
それで結構な報酬を頂けるのなら、本当に幸せな業種だと思うのだが。
世間もみなさんは血のにじむような努力をして働いておられる。
私自身は、感謝することはあれど、施設の在宅報酬に特に感慨は無い。
ただ、仕方が無いと思っただけ。
厚労省は、悪徳在宅医は駆逐したいが、施設在宅を駆逐したいわけではない。
そんなことは誰が知っている。
私自身も4つのグループホームと、いくつかのサ高住の患者さんを診ているが、
先日の発表を聞いたときは、「仕方が無い。そんなこんだろう」と思っただけだ。
正直、それより、先月から導入した電子カルテのほうが気になる。
あるいは、講演活動で身動きできなくなった体のほうが気になる。
私は以下の提案したい。
1 一度撤退電話をして、今日、それを撤回した医療機関を知りたい。
それこそが、厚労省のいう「悪徳在宅医」ではないのか。
善良な在宅医に迷惑をかけた医療機関はいったいどこなのか?
2 今後、診療報酬改定をするなら、私なら「近距離加算をつける」
1km以内なら、1.5倍。
○○km以上なら、0.5倍、という具合に
施設から近いほど、診療報酬が高いように設定する。
裏を返せば、遠くから来ている在宅医は撤退し、近隣の医療機関が主治医になる。
3 施設の在宅より、特養の嘱託医のほうが問題ではないのか。
施設の在宅医の報酬ほうが特養の嘱託医よりずっと高いほうが問題だと思う。
特養での医療の在り方を先に論じるべきだろう。
4 クリニックのすぐ近くにある施設の患者さんを診ることは、基本的に
学校医と同じように、義務であり、ボランテイアでもあると思う。
地域の住民を護ることが、地域包括ケアだと思う。
5 長い目でみると、外来と在宅の差は縮小するであろう。
極端な話、隣のばあちゃんを行って診ても、来てもらって診ても
診療報酬はそう変わらない、という方向に行くのではないか。
以前から不思議に思っていたことがある。
「中学校区の街が病院」で「道路が病院の廊下」だとよく言われる。
もし本当にそうなら、廊下を歩くだけでなぜそんなに高くなるのか?
大きな病院なら院内を歩くだけで疲れるところがあるが、報酬は院内。
すなわち、今後、「距離」という概念を大幅に変えないといけないと思う。
都市部では、自転車で行ける範囲が病棟内という解釈。
田舎では、遠くても行かなければいけないケースがあるので
逆に、それを評価する。
すなわち、
都市部の在宅は、効率がいいので、削減できる余地がある、
一方、田舎の在宅は効率が悪いので、手厚く評価する。
こうした「距離別手当」という新しい尺度で勘案しないと
真の意味での地域包括ケアシステムは前進しないと思う。
いろいろ書いたが、在宅医ならもっと大きな視野で国民の生活を見て欲しい。
在宅医自身が陥っている穴に早く気がつくことを願う。
総合医のはずなのに、「経済性優先医になってやいないか。
介護との連携や学校医や市民への啓発をちゃんとやっているのか。
実は今後、一番大変なのは、急性期病院と慢性期病院だと思う。
在宅復帰率とい難しい宿題を押しつけられて、四苦八苦している。
そんな御苦労に比べたら、在宅医の不満なんてたかが知れているのでは。
私は今回の改定は、正直、病院の先生方のほうが可哀そうだと思う。(言わないが)
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この記事へのコメント
長尾先生の仰っていらっしゃる事も分かりますが、老人マンションの在宅報酬が1/4に減額されると言うのは、もの凄い変更ですね。
そんなら初めから、1/4にしておけば良かったのにと、思います。
あんまり、あざとくガラガラ制度を変えるのも、人心が乱れる様に思います。
在宅医も大変ですけど、財産を処分して老人マンションに入居したお年寄りが、追い出されるか、投資ファンドの餌食にならなきゃ良いですけど。
投資ファンドが施設経営に、乗り出しているという記事がありました。
Posted by 匿名 at 2014年03月07日 03:07 | 返信
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