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大病院での平穏死講演会の感想文

2014年03月07日(金)

毎日、沢山の講演を依頼される。
市民向け、介護スタッフ向け、看護師向け、開業医向け、そして病院医師や看護師向け。
一番少ないのが、大学病院などの大病院での講演だが、いい病院の順に呼んでもらう。
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「平穏死」を一番知らないのが、病院のお医者さん。

これは誰がなんと言おうと、真実、現実だ。

そして平穏死できない最大の理由もそこにある。

だから一生懸命、本を書いたり講演を受けている。


しかし現在、講演依頼はもう物理的に受けられなことが多くなった。
それでも病院での平穏死の講演は、とっても遣り甲斐がある。

わずかではあるが知識の伝達でその後、その病院が関わる
患者さんの運命が大きく変わる可能性があるからだ。

多くの講演会は講演後、感想文などを届けてくれる。
それを読むと、「行って良かった!」と心が洗われる。

以前に大きな病院内の講堂でやらせて頂いた講演の感想文を
みなさまにご披露したい。

医師、看護師、ケアマネ(外部?)、薬剤師さんたちの
こうした生の声は、患者さんや市民の役に立つのではないかと考えるからだ。

現在の第病院のスタッフたちに、長尾がどう映っているのかは私自身も興味深い。
これが今の病院医療の現実です。現場の生の声。

こうしたアンケートを取って頂いた見知らぬスタッフのみなさまに感謝申し上げます。
ここにあぶりだされた課題を、みんな(医療者も市民も)で共有し、今後の糧にしたい。

もちろん全て匿名化し、しかし全文をそのまま掲載させていただく。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

長尾先生講演会アンケート集計
参加者:103名 回収:6160%)

 

1)院内参加者職種(院内参加者 54)

医師 15名 看護師 19名 薬剤師 6(うち3名は実習生) 

リハビリ訓練士(PT,OT,ST) 6名 MSW 2名 管理栄養士 2名 
事務 
3名 看護助手 1

  

2)年代(特定されにくいと安心感を与えるため、以下のように大まかに3グループに分類)

39歳まで 23名  40歳~59歳 31名  60歳以上 7(アンケート回収分から)

 

3)講演会の内容について

とても良かった 49名  良かった 7名  普通 0名  あまり良くなかった 0

良くなかった 0名  無回答・無記入 5

  


4)講演会で一番良かったこと

※ 終末期というと終わり、こわい、自由がないというイメージがあったのですが、そうではないということが分かりました。

※ 食べられないと決めつけず、食べることで元気に暮らせている方がいるという現実を知ったこと

※ 食べられる人に点滴、経管栄養をする無意味さなど、(良かった点は)たくさんありました。

※ 「移動」「食べる」ことの尊厳が奪われているということ、本当にその通りだと思いました。

※ 面白かった。死を悲しいものと決めつけていなかったところが、心が軽くなった。

※ 先生がとてもハンサムだったこと

※ “まじくる”いい言葉ですね。

※ すべて勉強になりました。

※ 全体的に(良かった。)

※ 楽しくよく分かる話が聞けたこと。終末期のあり方について改めて考えることができたこと。

  「待つ」ことの大切さが分かりました。

※ 考えが変わりました。

※ 医療を提供する側とされる側についてや、尊厳死(ターミナル時に何もしないこと)のあり方を学べて良かった。

※ 死に方についての考えを話している時

※ 皆で“死”“死に方”“最期”を話し合える事の大切さ

※ 経過を見ていることが大切、在宅ではいいところを伸ばす医療だということ。

※ “枯れ木のように死ぬ”

※ 痴呆の女性が自宅でしっかりと食事が摂れていた映像。簡単にあきらめたくないなと思った。

※ 食べることの大切さを改めて学びました。

※ 話が面白くて、なるほど・・・と思うことが多かった。本もぜひ読みたいです。

※ 家族の理解の難しさ、一般市民への広がりの大切さを学べたこと。

※ 平穏死 納得死 満足死という言葉を知ることができたこと。

※ 看取りについて、本人にとって何をすべきか、いかに寄り添っていけるか、気付かされました。

※ 全部良かったです。特に“死の教育”、子供には父母の死を見せます。

※ 長尾先生のキャラ

※ 人の原点

※ “まじくる”・・信頼関係を築くことが重要である。

※ メシを食うこと

※ 長尾先生の全てのお話、介護=快互

※ 長尾先生の話し方が聞き安く、とても良かったです。

※ 平穏死、孤独死、まじくるについて(が良かった)

※ 平穏死の意味、これからの高齢化社会、家族の立場や当事者が死に対してどう向き合うかを、改めて考えさせられました。

※ 自己決定の権利を改めて大切だと感じたこと。

※ 映画の一部がすごく印象に残りました。

※ 胃ろうをしなかったおばあちゃんの様子がとても心に響きました。

※ 自分の死について考える機会になった。

※ 楽しい講演でした。心に残ることがたくさんありました。

※ 死は自分には関係ないものだと思っていたが、何となく身近なものに感じられました。

※ 平穏死について、患者さんが満足できる最期を迎えることができたかどうか、考えさせられた。

※ いくつか肝に銘じておきます。「認知症は不安が本質」「人生は脱水への旅」「終末期は感じるもので、医者が決めるからあかん。」など

 

5)意見・感想、長尾先生へのメッセージ

※ もっと話が聞きたいと思いました。(39歳まで 理学療法士)

※ 大変興味深く聞かせていただきました。仕事にプライベートに考えを活かしたいと思いました。本も読んでみます。(39歳まで 作業療法士)

※ 在宅医療は開業と同時に始めました。25年になります。また有床診療所、老健施設での看取りも行ってきました。1人で24時間、365日タイプの、どれい医者のなれの果ての典型で、根性だけでやってきました。今後若い人へのバトンタッチが最も大きな課題です。(60歳以上 医師)

※ とても勉強になりました。(39歳まで ソーシャルワーカー)

※ 生きている今から、自分で決めて生きるということを意識することが必要だと思っています。死を意識して普通の自然なこととして、誰もが生活の中で話ができればいいなあと思いました。(40歳~59歳 ケアマネージャー)

※ 私は祖父母を在宅で看取りました。最後の1週間は飲まず食わずでしたが、家族に見守られ最期を迎えることができました。生前からの祖父母の希望であったため、それをかなえられたことは良かったと思います。本日はお忙しい中ありがとうございました。(40歳~59歳 看護師)

※ ざっくばらんな話でとても楽しく聞くことができました。平穏死についてもっと詳しく知りたいと思いました。(39歳まで 看護師)

※ 先生が仰っておられましたが、とても多忙なご様子のため少し疲れている様子が分かりました。お大事にしてください。私の母は、脳梗塞で数年食べられない、しゃべれない、動けない、でまるでヘレンケラーみたいです。私のことを分かっているのか分からないのか、わからない・・・、でも胃ろうで生きている。とても切ないです。早く亡父が迎えに来てくれたらいいのにと思います。(60歳以上 看護師)

※ 訪看ナースです。本日の先生のご意見、考え方にはとても共感しました。ありがとうございました。今日の勉強会の内容を機に、また明日から頑張れます。(40歳~59歳 看護師)

※ 口から食べることは大切なことだと思いました。自宅で終末期を迎えることは素晴らしく、きれいな死に方ができるのではないかと思いました。また長生きできると思いました。(40歳~59歳 看護師)

※ 自分の両親と死について何度も話し、望むのであれば自宅での平穏死をかなえてあげたいと思いました。(もちろん自分自身も) (40歳~59歳 看護師)

※ 92歳の祖母がおりますが、今は何とか元気です。近々訪れるであろう死に対して、両親と話し合って在宅で看取りたいという気持ちになりました。ありがとうございました。(40歳~59歳 看護師)

※ 死について私の考え方は変わっていると思っていたが、先生の話を聞いて、私の考えは変わっていないと思いました。2時間納得することばかりでした。ありがとうございます。(40歳~59歳 看護師)

※ 在宅で働いています。(訪問看護)急に出てくる家族の話わかります!!(何とかならないかと、真剣思います。)“平穏死”教育が医療の場で必須になれば、本当にきれいに死を迎えられると痛感します。(40歳~59歳 看護師)

※ 認知症の一人住まい(子供がいるが、同居していない)の人は、施設での平穏死が望ましいと考えていますが、如何ですか?(60歳以上 医師)

※ ちょうど10年前に自宅で祖母が亡くなりました。前日元気がなくなっていましたが、何とか動いていました。だから、トイレなども頑張って動こう、と言ってゆっくりでも(連れて)行こうとしましたが行けず、介助してトイレに行ってもらいました。翌朝祖母は布団の上で冷たくなっていました。最後に無理をさせてしまったと後悔していました。本当は違うかもしれませんが、祖母にとっては平穏死ではなかったかな、と少しほっとした気持ちになれました。また、この後かかりつけの病院に連絡し、医師に来てもらって死亡診断書を書いてもらいました。今回先生のお話を聞いて、正しい流れだったのかなと思えました。有難うございました。(40歳~59歳 看護師)

※ 死について自分はどうしたいか、自分に置き換えて考えていきたいと思いました。尊厳を大事にしたいです。本日は感動するお話有難うございました。(40歳~59歳 介護関係)

※ 話がとても分かりやすかったです。感動しました。(40歳~59歳 ケアマネージャー)

※ 長尾先生が考えている「食」についての色々な考えを聞きたいです。(39歳まで 管理栄養士)

※ 終わりを選択できるように支えるチームの存在の必要性が大きいと感じました。本人と家族の考えの違いを考える機会、また考えることでの次のつながり、を考えるべきと思いました。(39歳まで ソーシャルワーカー)

※ 介護者と被介護者のバランスの変化のお話が大変参考になりました。本日は貴重なお話、誠に有難うございました。「自己決定」「待つ」「まじくる」!!(40歳~59歳 介護関係)

※ 人それぞれ価値観や考え方が違うので、押し付けるのではなく、患者さんのニーズに合わせた医療を提供できるようになりたいと感じました。在宅医療において、「薬剤師」の必要性や役割を、これから考えたいと思います。(39歳まで 薬学部実習生)

※ 終末期の患者が多いため、今回終末期についての講演が聞けて、本当にためになりました。患者さんからよく、「家に帰りたい。」「食事したい」という訴えを聞きます。患者さんの望む最後を少しでもかなえられるよう、看護師としてできることをしていきたいです。そのためにも、今日は紹介して下さった本や映画をみて、勉強したいです。(39歳まで 看護師)

※ 非常に興味深いお話を聞かせて下さりありがとうございました。まだ医療現場に出ているわけではないのですが、これから在宅医療が進んでいく中で、今日聞かせていただいたお話を心に留めて、薬剤師としてできることを考えていこうと思いました。今週末はTSUTAYAに「大病人」を借りに行こうと思います。(~39歳まで 薬剤部実習生)

※ 在宅医療を希望するが、独身である私は誰に看てもらえるのか将来の不安があります。「快互」と「老犬」の話は良かったです。貴重な講演ありがとうございました。(40歳~59歳 看護師)

※ 先日、何もしたくないと言われた意識のない患者さんの家族がいました。しかし現状では、その状態で(患者さんの)行先はありませんでした。納得のいかないこともたくさんあると思いました。平穏死が広く普及すれば良いと思います。(40歳~59歳 看護師)

※ 今まで“親のため”と思って治療を希望していたことが自分のためであって、“親を苦しめている”ことに気付かなかった。苦しいけど、個人の意見を尊重しようと思う。(39歳まで 薬剤師)

※ 素晴らしい講演会をありがとうございました。私は薬学部の実習生なのですが、薬局への就職を考えています。今後薬局業務の中で、薬剤師は在宅医療に力を入れると思うのですが、今回先生の講演を聞くことで、患者さんの立場になって医療、治療することがやはり大切だと思いました。当たり前のことを忘れず、今後薬剤師として力を発揮していきたいと思います。ありがとうございました。(39歳まで 薬学部実習生)

 

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