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メタボ健診を賢く使う
2014年03月15日(土)
しかしどうせなら上手に利用したい。
3月1日の産経新聞にはメタボ健診について書いてみた。
産経新聞健診シリーズ第二回 がんと認知症の予防
メタボ健診を上手に利用する
みんさまは、「メタボ健診」を受けられましたか?あるいは何回、受けられましたか?今日は「メタボ健診」について考えてみます。「メタボ」という病気は私の出身医局である大阪大学第二内科で誕生し、「メタボ健診制度」は尼崎で生まれて国策になりました。
「メタボ」とは、まず内臓肥満があり、それ以外に糖尿病、脂質異常症、高血圧症のうち2つ以上がある人のことです。つまり4つの危険因子のうち3つ以上あれば、「メタボ」と言います。ひとつひとつはたいしたことなくても、3~4つが重なれば、心筋梗塞や脳梗塞などの血管が詰まる病気の可能性が加速度的に高まるのです。そこで無症状の人を対象に健診を行い「メタボ」と判定されたら食生活を変えて早死にを防ぎましょう、というのが、「メタボ健診制度」の目的です。内臓脂肪に重点を置いたの国策としての健診です。
お役所から何度も何度も受診勧奨の手紙が届いたり電話がかかるので、受診券のことを「赤紙」かと恐れるひとがおられますが、それは違います。あるいはすでに医療機関にかかっている人にも受診勧奨があるので「役所からの呼び出しに応じなければ健康保険証を停止されるのではないか」と怖がる人もおられますが、これも間違いです。健診とは、そもそも先週お話したように無症状で普段医療機関にかかっていない人や職場検診などを受けられる機会がない人が対象です。しかし医療機関にかかっているかどうか区別せずに受診券が発送されているそうです。もし受診券が届いたら、これはこれでいいチャンスだと思い受診してください。多くの医療機関で受け付けていますが、必ず絶食(水分はいいです)で行ってください。私は人間ドックを受けていませんが、メタボ健診だけは受診券が届いたら必ず受けています。(その割にはメタボで恥ずかしいですが・・・)
血圧が少し基準を超えた血糖が少し基準を超えた、で一喜一憂してもあまり意味がありません。脂肪を減らすことこそが根本的な治療になります。脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪があります。住友病院院長の松澤佑次先生は、内臓脂肪は普通預金、皮下脂肪は定期預金にたとえておられます。絶食して最初に減るのは内臓脂肪からです。内臓脂肪を減らすとは体重を5%減らすことです。もし体重が60kgの人なら、5%にあたる3kgだけ減らしてみて下さい。中性脂肪も血糖も血圧も全部見事に下がります。最近流行りの炭水化物ダイエットでも私は短期間であればいいと思います。1~2週間程度の炭水化物ダイエットで3kgの減量に成功した人はいくらでもいます。理屈はともかく、体重を減らすことが大切。そしてもし可能ならよく歩いて筋肉は増やして欲しい。メタボ健診で異常を指摘されても、管理栄養士の食事指導と運動だけで異常値を全部克服された方もおられます。
メタボ健診は、自分自身で健康管理する一助として上手に利用して欲しい。公費で受けられるので経済的にもお得です。糖尿病の予防は、将来、人工透析や糖尿病性網膜症にならないためです。循環器のお医者さんなら、心筋梗塞や脳梗塞の予防のためだと言いますが、そのとおりです。そして私は、がんと認知症を予防するため、と毎日患者さんに説明しています。
キーワード メタボ健診
正式には「特定健康診査・特定保健指導」といい2008年4月より開始。40歳~74歳までの公的医療保険加入者全員を対象とした保健制度。腹囲:が男性85cm、女性90cm以上の人はさらに血糖、脂質(中性脂肪及びHDLコレステロール)、血圧、喫煙習慣の有無から危険度によりクラス分され、クラスに合った保健指導(積極的支援/動機付け支援)を受ける。
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