イヤがおおでも、話が耳に入ってくる。
こちらも読書に集中できず、耳がダンボになる。

この医者、一見、普通の顔をしている。
しかし風体は遊び人風で、会話は、不動産とお金儲けの話ばかり。

どれだけ老人アパートを建てて、どれだけお金儲けをするのか。
それだけしか興味が無いような話しぶりだった。

一方、不動産屋は、バックマージンの話をしていた。
４月から法律で「在宅患者紹介料」は禁止された。

しかし最近も、ある施設業者が、「在宅患者を紹介するからマージンを寄こすか？」と
言いよってきて驚いた。

サ高住の在宅患者さんの診療報酬が、この４月から４分の１に減額された。
３月３１日で店を完全に閉じた「悪徳在宅医療法人」はさすが逃げ足が速い。

週刊朝日も、そうした医療法人こそ暴露すべきなのにしない。
今なら、「これが悪徳医療法人だ！」と銘打つことも可能なのに。

いずれにせよ、医者はいつから不動産屋になったのだろう？
土地の購入、銀行取引、患者集めなど、まさにビジネスそのもの。

横で聞いていて恥ずかしくなった。
他山の石として刻んでおこう。

やはり医学教育なんだろう。
医学教育の半分は、医療倫理とか人間学にすべきだと思う。

医師免許を取ったら、医者はもう自由でやり放題。
いい方向ならいいが、悪い方向なら世間の害虫となる。

私のところにも、沢山の不動産のお誘いが来る。
しかし私は介護施設や老人ホームはやらない。

それは医者の仕事ではない、と思っているから。
こんな自分は、経営者として失格なのだろうか？？