私の叔父は、５年前に、鎌倉にある病院で、死にました。
それまで、神奈川県の巨大老健に入れられていたのですが、ノロウイルスに感染、誤嚥性肺炎になって、老健を、追い出されて、鎌倉の療養病棟のある病院に移転させられたのです。
叔父は阪神大震災を、深江のマンションで被災して、四男のアパートや、京都の宇治の仮設住宅に半年近く転々としていましたとき、脳梗塞の発作があって、失語症になって、「あれが」とか「それが」とか言って言葉がなかなか出てきませんでした。それが、若い後妻が肺がんと乳癌になったので、和田岬にある小さな割と小きれいな老健に「一時的だから」と騙されて入居してしまったのです。何とか叔父を、出してやりたいと思っているうちに、先妻の長男が、自分の家の近所の巨大老健に入居させてしまったので、二度と会うことはできませんでした。
しかしこの「老健７月号」を拝読致しますと、老健でも、「看取り」をしてもらえるところがあるんですね。AEDを装着して、心臓マッサージをして肋骨が折れてボロボロだなんて一所懸命で、真面目だけど、高齢の女性患者さんもかわいそうで、笑っちゃいけないし、怖いし。
老健の看取りも、これからなんですね。
●延命と宿命の分水嶺とか、●「緩和ケアーで、待つ」ことの重要性など、これは長尾先生と、在宅の患者さんだからできる職人技のように思えます。
こんな技術が、科学化できて、誰にでもできますか？