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ビスフォスフォネートが主役

2014年07月14日(月)

腰椎圧迫骨折から、ADL低下→寝たきりになるひとが実に多い。
やがて認知症→肺炎→胃ろうというコースを辿る。
一連の経過の根っこにあるものを考えると、はやり骨粗しょう症となる。
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一昨日の産経新聞の連載から

産経新聞健康長寿シリーズ第3回  骨粗しょう症の薬物療法
                        ビスフォスフォネートが主役
 
 健康長寿には、骨粗しょう症にならないことが第一です。それには、まずは紫外線。毎日少しでも日光を浴びることが大切です。歩ける人はとにかく歩くことです。自分にあったスピードで、無理のない距離を毎日歩いてください。家の中でも片足立ちなど骨に多少の負荷をかけてください。そしてカルシウムをたくさん含んだバランスのいい食事です。牛乳、乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品などです。推奨されているカルシウムの摂取量は1日700~800㎎です。以上、日光、運動、食事が骨粗しょう症の予防や治療の基礎になります。
 
 それらの先にあるのが、骨粗しょう症の薬剤です。骨粗しょう症のお薬は数系統ありますが、骨吸収と骨形成という2つの作用に分けられます。「吸収」とは骨が溶けることでそれを防ぎ、「形成」とは骨を造ることでそれを促すという意味です。それぞれの役割を担う優れたお薬が続々と登場しています。  まずお薬のなかで基礎となるのは、活性型ビタミンDでしょう。ビタミンDは、食事からのカルシウムの吸収を促して、骨にくっつける接着剤のような働きをします。最近、海外から「ビタミンDには、がんや心臓疾患による死亡を防ぐ効果がある」という趣旨の論文が発表されました。ビタミンDが少ない人は多い人に比べて死亡リスクが1・6倍高いという結果が示されるなどビタミンDの意義が見直されています。

 さて閉経後の骨粗しょう症には、SERMという薬があります。この薬は女性ホルモンに似た作用があり、閉経後の女性だけに使われる薬剤です。一方、脊椎の圧迫骨折をおこして痛みを訴える人には、鎮痛作用も併せ持つカルシトニン製剤という注射薬が使われています。

 骨粗しょう症薬の主役は?と聞かれたら「それはビスフォスフォネート(BP)製剤」と私なら答えます。BPは腸から吸収され、骨に運ばれて破骨細胞に作用して過剰な骨吸収を抑えます。骨吸収がゆるやかになると、骨形成が追いついて新しい骨、骨密度の高い骨が出来上がります。BP製剤は、これまで主流だった週1回製剤に加え、4週に1回の製剤(錠剤・点滴投与)も開発されました。さらに錠剤が飲みにくいという高齢者には経口ゼリー製剤も登場しています。さらに昨年、半年に1回の皮下注射で高い効果がある“デノスマブ”という究極の骨粗しょう薬も登場し、治療の選択肢が広がりました。ただしこれらの骨吸収抑制剤は、顎骨壊死という重大な副作用が知られているので歯の治療を受ける際は注意が必要です。かかりつけの歯科医とよく相談してください。
 
キーワード ビスフォスフォネート
骨密度を増やして骨折を防ぐ効果のほか、痛みに対しても効果が認められている薬剤。飲み薬は胃が空っぽの朝に、十分な量の水(180ml程度)で飲む。ただし円背の人は逆流しやすいので注意が必要。
 

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この記事へのコメント

私の父が、いつの間にか、円背亀背になって腰の骨が曲がってしまって、おまけに、関西労災病院から耳下腺腫瘍の手術をして帰ったその日に、尻もち転倒をして、胸椎と腰椎の圧迫骨折で、寝たきりになったので、我が家の家庭医が、私が圧迫骨折にならないように、そのビスフォスネートとかいう薬を出して下さいました。
私も、65歳ですから、高齢者ですからね。
私の父は、タバコを死ぬまで止めなかったのでCa量が減っていたのでしょう。父は、始め務めていた大企業に勤めていて、上役と意見が合わず、辞めて自分の父親が作って、長兄が社長をしていた、小さな貿易会社の勤めていた時、胃潰瘍になって、神戸の金沢病院で緊急手術をして、助けて貰いました。だから、お腹に、大きな縦の線の手術痕がありました。それで徐々に、円背亀背になったのでしょう。
歳を取ってから、タバコのせいで、上行結腸癌になって、またしても縦に切ったので、余計腹筋が弱くなったのです。
パソコンでみたら、整形のお医者さんが、円背亀背は、それだけで、圧迫骨折の前段階だと仰っていました。子宮筋腫とかお腹を切った人はビスフォスネートを、早めに貰ったほうが良いでしょうね。
私は、中学校3年生で、盲腸の手術をしましたけど、これはどうなんでしょうね?
この頃は、忙しくて、自分で鍼灸もできなくて、腰が痛いです。曲がるかも。

Posted by 大谷佳子 at 2014年07月18日 03:55 | 返信

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