認知症を治せるか？？

この質問にちゃんと応えるのは実に難しい。

すなわち、「治る」とは何か、という命題になる。

水が流れるように、万物流転なので、元に戻るという意味での
「治る」はあり得ない。

河野先生の言われる「治る」とは、数ケ月ないし２年前よりも
いい状態を、医学の力で戻すことができるという話。


以下、河野先生の講義を聞きながら思ったこと。

・コウノメソッドの７割は、東洋医学的発想
・著功例の大半は、前医の誤診断・誤投薬の是正例でもある
・認知症をベースにした中枢神経系医学の再編と統合が本質

そもそも認知症という言葉がおかしい。
診断名は一生変わらないという思い込みから逃れられない守旧派医師。

認知症は、極めて動的。
不確実性そのもの。

だから面白い。
不確実性こそ、中枢神経系医学、脳科学の醍醐味だろう。


認知症医療に、医師は武器は１０ケくらいの武器を持っている。
それらの武器を、いかに繊細に使えるかが、医師のプロフェッショナリテイ。

短期的には、治せても、
長期的には止められるか、が問題だ。
そもそも、治ることは無い、のだが。

つまり、「悪さをしない医療＝認知症放置療法」と、「止める医療」の
どちらに軍配が上がるのか、という話。
しかし現実社会では、「悪さをしている」場合が一番多い。

治す、止める、悪さをしない、を意識できる医者と、できない医者。

その違いが分るのが、コウノメソッド実践医なのだと思った。