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健康で90歳を迎えるには
2014年08月19日(火)
8月16日の産経新聞の連載は、健康長寿シリーズの最終回だった。
私が選んだタイトルは、「健康で90歳を迎えるには」。
もし80歳まで生きた方は、ボケずに健康長寿を目ざして欲しいと願って書いた。
私が選んだタイトルは、「健康で90歳を迎えるには」。
もし80歳まで生きた方は、ボケずに健康長寿を目ざして欲しいと願って書いた。
産経新聞健康長寿シリーズ第8回(最終回) 健康で90歳を迎えるには
食事と歩行と禁煙で認知症予防
これまで骨粗しょう症や歯や口の健康について書いてきました。健康長寿シリーズ最終回は、元気で90歳まで長生きすために大切なことを考えてみましょう。それは認知症予防です。がんと認知症を比べると、がんの方が若い年齢層の病気です。もし60代、70代のがん年齢を無事通過できたならば、80歳以降は認知症という大きな壁が立ちはだかります。年相応のボケはしょうがないとして、できれば認知症での要介護状態にはなりたくないと願うのは私も同じです。そう、健康長寿のための最後のキーワードは、やはり認知症予防につきます。結論から申しますと、そのためには食事と歩行とそして禁煙です。
なーんだ、それじゃあメタボ健診と同じじゃないか、と思われるでしょう。そうメタボ健診と同じなのです。メタボ健診・保健指導は、現役世代の心筋梗塞や脳梗塞の予防が目的です。しかし同時に後期高齢者になった時の認知症予防でもあるのです。がんにもならず、心筋梗塞や脳梗塞にもならずにめでたく80歳を迎えられた人は、今度はボケずに90歳を目指して下さい!私は診察室でいつも80歳台の方にそう言っています。
そのためには、まずバランスのとれた食事です。充分な野菜、青魚があれば肉を食べても構いません。カロリーオーバーは糖尿病予防の観点から改めるべきです。糖尿病は、将来ボケ易いので困るのです。そして飲みすぎにならなければお酒もOK。特に赤ワインの認知症予防効果は既にあまりにも有名ですね。そして日本人なら緑茶の認知症予防効果も是非知っておいて下さい。茶カテキンには素晴らしい効能があります。あと福岡県の久山町研究で分かったのは、乳製品や大豆製品の摂取です。カルシウムやマグネシウムの摂取が認知症を予防するという研究成果が出ています。
一方、愛知県の長寿医療センターからは、毎日歩くと認知症予備群が正常範囲に戻る、というデータが世界に向けて発信されています。それもただ歩くのではなく、50から3を引くなど計算をしながら歩くと、脳に貯まりかけたβアミロイドという認知症物質が消えるというのです。これは費用ゼロで、誰でもどこでも実践できる簡便な予防法です。是非、毎日、脳を使いながら気持ちのいい場所を歩いて下さい。くれぐれも走らないでくださいね。背筋をできるだけ伸ばして大股で歩いてください。それを脊椎ストレッチウオーキングと言います。
本シリーズの最後に強調したいことは、やはり禁煙です。タバコを吸うと、寿命が数年間短くなります。人生80年の中の数年間は大きいです。がんや心筋梗塞や肺気腫になり易いからです。そして運良く80歳を迎えても、その時に認知症である可能性が高くなります。喫煙者の認知症リスクは3倍です。年々喫煙人口は下がっていますが、まだ2割の人が吸っています。「もうこの年だし」と言われる方が多いのですが、禁煙に遅すぎるということは全くありません。当院でも70歳代で禁煙された方が何人かおられます。一気に色ツヤが良くなり若返りました。ニコチン依存症の方は「お医者さんと禁煙」です。インターネットで「禁煙外来」と入力してください。何歳になっても禁煙にチャレンジして下さい。
キーワード 久山町研究
福岡県久山町は、年齢・職業分布が日本の平均値に近く日本の縮図と言われている。九州大学の研究班はこの町民の健康状態を1961年から長年にわたり調査し、脳卒中や心筋梗塞のみならず、認知症リスクに関する解析を続けている。
食事と歩行と禁煙で認知症予防
これまで骨粗しょう症や歯や口の健康について書いてきました。健康長寿シリーズ最終回は、元気で90歳まで長生きすために大切なことを考えてみましょう。それは認知症予防です。がんと認知症を比べると、がんの方が若い年齢層の病気です。もし60代、70代のがん年齢を無事通過できたならば、80歳以降は認知症という大きな壁が立ちはだかります。年相応のボケはしょうがないとして、できれば認知症での要介護状態にはなりたくないと願うのは私も同じです。そう、健康長寿のための最後のキーワードは、やはり認知症予防につきます。結論から申しますと、そのためには食事と歩行とそして禁煙です。
なーんだ、それじゃあメタボ健診と同じじゃないか、と思われるでしょう。そうメタボ健診と同じなのです。メタボ健診・保健指導は、現役世代の心筋梗塞や脳梗塞の予防が目的です。しかし同時に後期高齢者になった時の認知症予防でもあるのです。がんにもならず、心筋梗塞や脳梗塞にもならずにめでたく80歳を迎えられた人は、今度はボケずに90歳を目指して下さい!私は診察室でいつも80歳台の方にそう言っています。
そのためには、まずバランスのとれた食事です。充分な野菜、青魚があれば肉を食べても構いません。カロリーオーバーは糖尿病予防の観点から改めるべきです。糖尿病は、将来ボケ易いので困るのです。そして飲みすぎにならなければお酒もOK。特に赤ワインの認知症予防効果は既にあまりにも有名ですね。そして日本人なら緑茶の認知症予防効果も是非知っておいて下さい。茶カテキンには素晴らしい効能があります。あと福岡県の久山町研究で分かったのは、乳製品や大豆製品の摂取です。カルシウムやマグネシウムの摂取が認知症を予防するという研究成果が出ています。
一方、愛知県の長寿医療センターからは、毎日歩くと認知症予備群が正常範囲に戻る、というデータが世界に向けて発信されています。それもただ歩くのではなく、50から3を引くなど計算をしながら歩くと、脳に貯まりかけたβアミロイドという認知症物質が消えるというのです。これは費用ゼロで、誰でもどこでも実践できる簡便な予防法です。是非、毎日、脳を使いながら気持ちのいい場所を歩いて下さい。くれぐれも走らないでくださいね。背筋をできるだけ伸ばして大股で歩いてください。それを脊椎ストレッチウオーキングと言います。
本シリーズの最後に強調したいことは、やはり禁煙です。タバコを吸うと、寿命が数年間短くなります。人生80年の中の数年間は大きいです。がんや心筋梗塞や肺気腫になり易いからです。そして運良く80歳を迎えても、その時に認知症である可能性が高くなります。喫煙者の認知症リスクは3倍です。年々喫煙人口は下がっていますが、まだ2割の人が吸っています。「もうこの年だし」と言われる方が多いのですが、禁煙に遅すぎるということは全くありません。当院でも70歳代で禁煙された方が何人かおられます。一気に色ツヤが良くなり若返りました。ニコチン依存症の方は「お医者さんと禁煙」です。インターネットで「禁煙外来」と入力してください。何歳になっても禁煙にチャレンジして下さい。
キーワード 久山町研究
福岡県久山町は、年齢・職業分布が日本の平均値に近く日本の縮図と言われている。九州大学の研究班はこの町民の健康状態を1961年から長年にわたり調査し、脳卒中や心筋梗塞のみならず、認知症リスクに関する解析を続けている。
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この記事へのコメント
あと4か月で80歳。今のところ、がんの気配なし。問題は90歳に向けての認知症予防ですね。
教訓:
食事:食べすぎに注意。
歩く:これが難題。せめて、暑さ・寒さ以外の時期に歩こうかな。
喫煙:ヘビースモーカーだった父親の遺言で、厳守。 これでどうかな。
長尾先生:10年先に、100歳に向けてのお話を、このブログで、是非お願いします。以上
Posted by 小澤 和夫 at 2014年08月19日 01:51 | 返信
江戸時代生まれの祖祖母90歳 祖母96歳 父91歳 母91歳 一応健康長寿の家庭なので私も頑張らないと^^:
Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2014年08月21日 07:19 | 返信
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