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病気の原因は、家庭か職場にある
2014年09月06日(土)
産経新聞・体と心のバランスシリーズ第2話 病気の原因は職場か家庭にある
自分のストレス度に自分で気づけるか?
「ストレス」という言葉を聞いたことが無いという人はいないでしょう。しかし自分のストレスに無頓着な人が多いように思います。赤ちゃんから100歳の高齢者まで生きている限りストレスはつきものです。そして人間だけではなく動物もストレスを感じます。よくストレス社会と言われますが、年々日本人のストレスが高まっている気がします。今日は、このストレスについて考えてみましょう。
「胃が痛い」と訴えて受診される方がいます。「胃潰瘍かもしれませんね。とりあえずお薬を出しておきましょう。胃カメラをしてピロリ菌も調べておきましょう」は普通のお医者さん。臓器だけでなく人間を診るお医者さんなら「眠れますか?イライラしませんか?」と聞いてくれます。さらに生活まで診るお医者さんなら「仕事はどうですか?家庭はどうですか?」と聞いてくれるでしょう。つまり「ストレス」の程度を知りたいのです。どんなストレスがどれほどかかっているのか。胃が痛いのは胃袋が悪いのではなく、脳にストレスがかかった結果であることを知っているからです。「なに?胃が痛いのに脳が悪いだと?」と思われるかも。胃は脳から出る自律神経の働きに支配されています。脳がストレスを受けて自律神経を介して胃酸をたくさん出したり、激しく蠕動させた結果、胃の痛みを感じるのです。頭が痛い、腸が痛い、腰が痛いなどでも同様のことが言えます。
私はどんなストレスがあるのか詳しく問診します。聞きすぎて怒り出す方もおられます。「先生、ここは警察ですか?」と。でも私にしたら詳しく聞かないと何も分らないのです。病気の原因の多くが職場か家庭にあることを経験的に知っています。仕事のストレスといえば、人間関係や長時間労働です。イヤな上司はいないか?同僚のイジメにあっていないか?残業は月何時間なのか?月に100時間を超える残業は強いストレスとなり、様々な症状を引き起こします。人によっては「うつ」状態になります。自殺はうつと関連が深いため、国は過重労働対策に力を入れています。残業が100時間以上の労働者は、産業医の面接が法律で定められています。
家庭のストレスといえば、家族との死別、嫁姑関係、夫婦喧嘩、親子喧嘩などです。なかでも愛する家族との死別というストレスは強烈です。在宅患者さんを沢山看取っているので死別の悲しみを毎日接しています。人によっては半年~1年間以上、うつ状態に陥りますが、これは病気というより人間として当然の反応と言えるでしょう。
ストレスはいろんな臓器に思いもかけない病気を引き起こします。胃にくれば胃潰瘍、お酒を飲み過ぎれば肝炎や膵炎、肉を食べすぎての胆のう炎といった具合です。腰痛なら長時間、座ってパソコンを打ったり、中腰での作業で起こります。嫌いな人が職場に居るというストレスだけでも腰が痛くなることがあります。本人がそうしたストレスに気がついていないことが案外多く、問診をしていくうちに気がつくことがよくあります。ですから体調が悪くなった時には、まず自分にどの程度のストレスがかかっているのかをよく考えてください。病気の多くはストレスが土台になって起こります。それに気づき上手に軽減することが大切です。
キーワード ストレス
ハンス・セリエ氏が1935年に用い、生命に生じたひずみの状態を表現する言葉として使われている。体外から加えられた各種の有害な原因に応じて体内に生じた障害とこれに対する防衛反応の総和。体に悪い結果となる現象うぃストレスと、それを引き起こす原因をストレッサーと呼ぶ。
自分のストレス度に自分で気づけるか?
「ストレス」という言葉を聞いたことが無いという人はいないでしょう。しかし自分のストレスに無頓着な人が多いように思います。赤ちゃんから100歳の高齢者まで生きている限りストレスはつきものです。そして人間だけではなく動物もストレスを感じます。よくストレス社会と言われますが、年々日本人のストレスが高まっている気がします。今日は、このストレスについて考えてみましょう。
「胃が痛い」と訴えて受診される方がいます。「胃潰瘍かもしれませんね。とりあえずお薬を出しておきましょう。胃カメラをしてピロリ菌も調べておきましょう」は普通のお医者さん。臓器だけでなく人間を診るお医者さんなら「眠れますか?イライラしませんか?」と聞いてくれます。さらに生活まで診るお医者さんなら「仕事はどうですか?家庭はどうですか?」と聞いてくれるでしょう。つまり「ストレス」の程度を知りたいのです。どんなストレスがどれほどかかっているのか。胃が痛いのは胃袋が悪いのではなく、脳にストレスがかかった結果であることを知っているからです。「なに?胃が痛いのに脳が悪いだと?」と思われるかも。胃は脳から出る自律神経の働きに支配されています。脳がストレスを受けて自律神経を介して胃酸をたくさん出したり、激しく蠕動させた結果、胃の痛みを感じるのです。頭が痛い、腸が痛い、腰が痛いなどでも同様のことが言えます。
私はどんなストレスがあるのか詳しく問診します。聞きすぎて怒り出す方もおられます。「先生、ここは警察ですか?」と。でも私にしたら詳しく聞かないと何も分らないのです。病気の原因の多くが職場か家庭にあることを経験的に知っています。仕事のストレスといえば、人間関係や長時間労働です。イヤな上司はいないか?同僚のイジメにあっていないか?残業は月何時間なのか?月に100時間を超える残業は強いストレスとなり、様々な症状を引き起こします。人によっては「うつ」状態になります。自殺はうつと関連が深いため、国は過重労働対策に力を入れています。残業が100時間以上の労働者は、産業医の面接が法律で定められています。
家庭のストレスといえば、家族との死別、嫁姑関係、夫婦喧嘩、親子喧嘩などです。なかでも愛する家族との死別というストレスは強烈です。在宅患者さんを沢山看取っているので死別の悲しみを毎日接しています。人によっては半年~1年間以上、うつ状態に陥りますが、これは病気というより人間として当然の反応と言えるでしょう。
ストレスはいろんな臓器に思いもかけない病気を引き起こします。胃にくれば胃潰瘍、お酒を飲み過ぎれば肝炎や膵炎、肉を食べすぎての胆のう炎といった具合です。腰痛なら長時間、座ってパソコンを打ったり、中腰での作業で起こります。嫌いな人が職場に居るというストレスだけでも腰が痛くなることがあります。本人がそうしたストレスに気がついていないことが案外多く、問診をしていくうちに気がつくことがよくあります。ですから体調が悪くなった時には、まず自分にどの程度のストレスがかかっているのかをよく考えてください。病気の多くはストレスが土台になって起こります。それに気づき上手に軽減することが大切です。
キーワード ストレス
ハンス・セリエ氏が1935年に用い、生命に生じたひずみの状態を表現する言葉として使われている。体外から加えられた各種の有害な原因に応じて体内に生じた障害とこれに対する防衛反応の総和。体に悪い結果となる現象うぃストレスと、それを引き起こす原因をストレッサーと呼ぶ。
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