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朝日を浴びる

2014年09月28日(日)

朝日新聞の捏造が話題になっている時に産経新聞に「朝日を浴びよう!」と書いた。
これは本当の朝日の話で、浴びていない高齢者(若者も?)が増えている気がする。
9月27日の産経新聞兵庫版より。→こちら

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産経新聞・心の体のバランスシリーズ第6話   朝一番に太陽光を浴びる
                               睡眠薬の前に睡眠リズムの見直しを
 
 先週、時差が14時間もあるアメリカに講演のため出張しました。しかし現地に着くなり時差ボケに悩みました。午後9時になると猛烈な睡魔が襲って来てコロっと寝入るのですがたった2時間でパチッと目が覚めました。そこからしばらく眠れなくなり午前4時に再びコロッと寝入るのですが今度は4時間後に寝覚めました。一般にレム睡眠とノンレム睡眠を合わせた睡眠周期は80~100分と言われていますが、私の場合はどうも120分であることが分かりました。また自分の脳の中にある体内時計を知り、概日リズム(サーカデイアリズム)を感じました。ちなみに時差ボケは、東方に飛行するほうが西方に飛行するより辛いと言われていますが、そのとうりで、帰国後は楽でした。

 さて、昼食後の睡魔は世界中の人に認められる現象です。昼寝ができれば嬉しいですね。地中海地方や南米では、昼食後の昼寝のことを“シェスタ”と呼んでいます。1日の間にこうした眠気のピークが2つあるのですが、こうしたピークに居眠り交通事故が起こり易くなります。上手に眠りに入るためには、こうした自分の睡眠リズムを知り、眠くなった時に寝入るのが一番大切です。眠くないのに無理やり眠ろうとしても難しいもの。上手に眠気を誘発するには、まずは夕方以降にコーヒーやお茶などのカフェインを控えること。入眠前のタバコも同様です。またアルコールは入眠の前半を促進しますが、睡眠後半は睡眠内容を悪化させるので、睡眠薬代わりにはなりません。一方、都会では夜にウオーキングをしている人をみかけますが、就寝前3時間前後の汗ばむ程度の運動は睡眠に導きます。睡眠前の入浴や鎮静的なアロマや音楽も良質な睡眠を促進します。

 睡眠と光の関係が注目されています。睡眠リズムを作るには朝一番の太陽光をしっかり浴びることが最も大切です。遮光カーテンでも少し開けておいて、朝日をちゃんと浴びてください。在宅患者さんの多くが不眠を訴え、家族は睡眠薬を要求します。しかし本当は、たとえ寝たきり状態であっても、朝日をしっかり浴びさせることがなによりも大切です。

 先日、「電気をつけっぱなしで寝ると太る」と書いたら凄い反響を頂きました。夜中は室内照明程度の光でも、概日リズムを調整するメラトニンの分泌が抑制されます。また同じ照度であってもメラトニンの抑制効果は、光の種類によって異なります。特にパソコン画面などから出る青色光(ブルーライト)はメラトニンを強く抑制します。ですから就寝前には、間接照明に切り替えたり暖色系の蛍光灯や白熱灯を用いるという工夫をしてもいいでしょう。私の知人は少しでも良質な睡眠を保つため、夜間トイレに起きる時にも青色光を絶対につけません。しかし高齢者の場合は転倒し易くなるので、白熱灯程度はつけて転倒予防を優先したほうがお得かとは思います。

 町医者をしていると「眠れないので睡眠薬が欲しい」と訴える人が沢山こられます。気持ちはよく分るのですが、生活状況をよく聞くと多くは眠れなくて当たり前の生活をされています。睡眠薬に頼る前に、自分の睡眠リズムとそれに影響する諸因子をチェックしてみてください。やはり自然な睡眠を目指すのが王道だと思います。
 
 
キーワード  メラトニン
脳の松果体から分泌される眠りを誘う「睡眠ホルモン」。昼間はほとんど分泌されず、夕方から夜間にかけて多く出る。脈拍、体温、血圧などを低下させることで自然な眠りに導く。メラトニン受容体作動薬として、日本ではラメルテオン(商品名ロゼレム)が発売されている。


 

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この記事へのコメント

 コピーして患者さんに配ります
 ありがとうございます

Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2014年09月28日 12:28 | 返信

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