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リハビリ提供体制の抜本改革
2014年10月27日(月)
リハビリ病院に転院したら寝たきりになったり認知症が進んだという話があった。
先日、新しい時代のリハビリの方向性を日慢協の武久会長が発表された。→こちら
リハビリへの期待を今週の医療タイムスの連載に書かせて頂いた。→こちら
先日、新しい時代のリハビリの方向性を日慢協の武久会長が発表された。→こちら
リハビリへの期待を今週の医療タイムスの連載に書かせて頂いた。→こちら
医療タイムス10月号 リハビリ体制の抜本改革を! -24時間リハの衝撃ー 長尾和宏
去る10月9日、日本慢性期医療協会の定例記者会見を聴く機会に恵まれました。その席で武久洋三会長が、リハビリ体制の抜本的改革を提言。強い感銘を受けましたのでたのでここでご紹介します。1)出来高から包括への全面転換、2)疾患別リハビリの廃止、3)算定日数の撤廃、4)9時―5時リハビリから24時間リハビリへ、5)嚥下障害リハビリと直腸膀胱リハビリの優先、という5項目を掲げられました。
実は5つとも私も以前から思っていたことです。というのも在宅患者さんが転倒して大腿骨頸部骨折をしたら半数は二度と在宅に帰って来られません。病院での手術後、多くはリハビリ病院に転院しますが、そこからまた別の病院や施設に転院となり、「手術は成功したが、認知症が進行して寝たきりになりました」という例を多く見てきました。そして忘れたころに風の便りに「亡くなりました」となることが多い。まさに“転倒・骨折”が縁の切れ目。正直、入院した後は、もう在宅に戻ってこないものだと半分諦めてきました。
一方、骨折しても入院せず、そのまま在宅で様子を見るケースが最近増えてきました。肩や腕や骨盤の骨折は勝手に癒合します。なかには大腿骨頸部骨折でも、自然に癒合して再び歩き始めた人もいました。がんは放置して自然治癒することは極めて稀ですが、骨折の場合は自然治癒がままあります。実はある在宅医から「骨折しても家で放置したほうが予後がいいのだよ。犬や猫だっていくらでも骨折するけど入院しないで放置していたら勝手に治るだろう」と教えられたのがきかっけでした。なるほど、痛み止めさえきちんとすれば、多くの骨折は大きな機能障害も残さずに治ることが現実にあります。この事実に一番驚いたのはバイトで来ている整形外科医でした。「信じられない!」と目を丸くしました。
さて“転倒・骨折”を縁の切れ目にさせないためには、リハビリの在り方を根本的に変えるべきです。現状のリハビリ体制では、“寝たきり製造入院”になることがある。武久会長は、「リハビリは単位を取るために汲々とするのではなく、一人一人の患者のために自由にできる裁量が必要、そして20分絶対主義からより短いリハビリや集団リハビリ等、療法士の自由裁量の拡大を実現するために包括性への転換」を提起された。さらに「疾患別に差をつけることにどんなEBMがあるのか?と算定日数制限の撤廃」をも提起。「人間は動物であり動かなければ終わりとして、”24時間リハビリ“までも提唱、早朝・準夜、夜間リハビリの必要性」を訴えました。まさに“生涯リハビリ構想”です。また、「歩行訓練リハビリより、嚥下リハ、直腸膀胱障害リハ優先の法則」も提唱。普段、「生きることは食べること」とか「排泄の尊厳」を言い続けている自分にとって、まさに我が意を得たり!の提案の連続に久々に心が躍りました。まさに「良質な慢性期リハビリテーションがなければ日本のリハビリテーションは成り立たない」。もしこうした理念の慢性期リハビリ病院があれば、遠くても在宅医は必ずそこに紹介します。包括性であるならば、充分実現可能な施策まはず。
おりしも、「第二回慢性期リハビリテーション学会」が平成27年3月14、15日にパシフィコ横浜で開催されます。今回の武久提言とこの学会が我が国のリハビリ体制のルネッサンスとなることを強く期待しています。
去る10月9日、日本慢性期医療協会の定例記者会見を聴く機会に恵まれました。その席で武久洋三会長が、リハビリ体制の抜本的改革を提言。強い感銘を受けましたのでたのでここでご紹介します。1)出来高から包括への全面転換、2)疾患別リハビリの廃止、3)算定日数の撤廃、4)9時―5時リハビリから24時間リハビリへ、5)嚥下障害リハビリと直腸膀胱リハビリの優先、という5項目を掲げられました。
実は5つとも私も以前から思っていたことです。というのも在宅患者さんが転倒して大腿骨頸部骨折をしたら半数は二度と在宅に帰って来られません。病院での手術後、多くはリハビリ病院に転院しますが、そこからまた別の病院や施設に転院となり、「手術は成功したが、認知症が進行して寝たきりになりました」という例を多く見てきました。そして忘れたころに風の便りに「亡くなりました」となることが多い。まさに“転倒・骨折”が縁の切れ目。正直、入院した後は、もう在宅に戻ってこないものだと半分諦めてきました。
一方、骨折しても入院せず、そのまま在宅で様子を見るケースが最近増えてきました。肩や腕や骨盤の骨折は勝手に癒合します。なかには大腿骨頸部骨折でも、自然に癒合して再び歩き始めた人もいました。がんは放置して自然治癒することは極めて稀ですが、骨折の場合は自然治癒がままあります。実はある在宅医から「骨折しても家で放置したほうが予後がいいのだよ。犬や猫だっていくらでも骨折するけど入院しないで放置していたら勝手に治るだろう」と教えられたのがきかっけでした。なるほど、痛み止めさえきちんとすれば、多くの骨折は大きな機能障害も残さずに治ることが現実にあります。この事実に一番驚いたのはバイトで来ている整形外科医でした。「信じられない!」と目を丸くしました。
さて“転倒・骨折”を縁の切れ目にさせないためには、リハビリの在り方を根本的に変えるべきです。現状のリハビリ体制では、“寝たきり製造入院”になることがある。武久会長は、「リハビリは単位を取るために汲々とするのではなく、一人一人の患者のために自由にできる裁量が必要、そして20分絶対主義からより短いリハビリや集団リハビリ等、療法士の自由裁量の拡大を実現するために包括性への転換」を提起された。さらに「疾患別に差をつけることにどんなEBMがあるのか?と算定日数制限の撤廃」をも提起。「人間は動物であり動かなければ終わりとして、”24時間リハビリ“までも提唱、早朝・準夜、夜間リハビリの必要性」を訴えました。まさに“生涯リハビリ構想”です。また、「歩行訓練リハビリより、嚥下リハ、直腸膀胱障害リハ優先の法則」も提唱。普段、「生きることは食べること」とか「排泄の尊厳」を言い続けている自分にとって、まさに我が意を得たり!の提案の連続に久々に心が躍りました。まさに「良質な慢性期リハビリテーションがなければ日本のリハビリテーションは成り立たない」。もしこうした理念の慢性期リハビリ病院があれば、遠くても在宅医は必ずそこに紹介します。包括性であるならば、充分実現可能な施策まはず。
おりしも、「第二回慢性期リハビリテーション学会」が平成27年3月14、15日にパシフィコ横浜で開催されます。今回の武久提言とこの学会が我が国のリハビリ体制のルネッサンスとなることを強く期待しています。
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