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幸せ物質、セロトニンを増やすには

2014年11月01日(土)

幸せ物質であるセロトニンを増やすにはどうしたらいいのか。
いい食べ物を食べて、いい腸内環境にすることでしょう。
言うは易し行うjは難しですが、今日の産経新聞に書きました。
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産経新聞・腸と心第3回  うつ病と腸内細菌
                 幸せ物質“セロトニン”を増やす食べ物
 
 平成24年の日本の自殺者は約2万8千人でした。自殺の原因としてやはり健康問題が多いようですが、なかでも「うつ病」が注目されています。国をあげて、過重労働対策やうつ病対策にずいぶん力を入れてきました。そもそも日本には「うつ病」の患者さんはどれくらいいるのでしょうか?厚生労働省の発表によると昭和59年が11万人で、平成5年に20万人、平成14年には55万人、平成23年には70万人と凄い勢いで増加しています。そううつ病などの気分障害も含むと100万人を越えているそうです。実は世界でも3億5千万人がうつ病だそうです(2012年)。なぜこんなにうつ病が増えているのでしょうか?文明の発達と関係しているのは明らかでしょう。文明は、うつ病だけでなく、がんやアレルギー病なども増やしました。

 うつ病とは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが不足している状態です。うつ病を治すためには、脳内のセロトニン量を回復させる必要があります。一方、人体にあるセロトニンの総量はたったの10mg程度と言われています。その9割が小腸の粘膜にありますが、残り1割のうち約8%は血小板の中にあり脳内にあるセロトニンはわずか2%に過ぎません。要するにセロトニンは主に腸で造られているのです。脳の中のセロトニンが不足すると精神状態が不安的になったり滅入ります。疲れやすく、集中力が落ちたり、感情のコントロールが困難になります。セロトニンの役割とは、心身をまさに“平穏”に保つことなのです。

 ではセロトニンを増やすためにはどうすればいいのでしょうか?まずは、セロトニンのもとになるトリプトファン、あるいは元気物質ドーパミンのもとになるフェニルアラニンを増やすために良質なたんぱく質を食べることです。トリプトファンは肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品、豆類、バナナなどに多く含まれています。肉については牛もも肉、豚ヒレ肉、鶏のささみ、魚についてはサケ、マグロ、カツオなどの赤身やサンマがお勧めです。しかしこれらの食品を沢山食べてセロトニンが増やすには腸内細菌の助けが不可欠です。トリプトファンからセロトニンになるためにはビタミンB6やC、葉酸などが必要です。これらのビタミン類は、腸内細菌が合成しています。ビタミンB6は、玄米、小麦、大豆、ニンニク、アボガドなどに、フェニルアラニンは肉類、貝類、チーズ、落花生、ソバなどに多く含まれています。こうした食品を多く摂ると、腸内細菌の7割を占める日和見菌が善玉菌に近い性格の菌に変化します。そして悪玉菌が減り腸内環境がぐんと良くなりセロトニンが増えます。さらに自慢したくなるほどのウンコが出ます。

 私たちは、職場や家庭などに多くのストレスを抱えて生きています。ストレスを感じれば感じるほど、腸内環境を意識した食事にすべきです。また現在、うつ病やストレス病で悩んでいる人は思い切って食べ物を変えてみてください。太いウンコが出るようになった時、うつ病は改善しているはずです。私はSSRIなどの抗うつ剤の前に、食事を見直すべきだと思います。詳しいことは、お近くの栄養士さんに聞かれるといいでしょう。
 
 
キーワード セロトニン
セロトニンノルアドレナリンドーパミンと並んで、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つ。人間の精神面に大きな影響与え、心身の安定や心の安らぎなどにも関与することから、オキシトシンとともに“幸せホルモン”と呼ばれている。


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この記事へのコメント

手前みそではございますが、鍼灸でもセロトニンが増えると言うことを、明治鍼灸大学の矢野忠と言う教授が書いていました。矢野氏は確か、東京教育大学の付属視力障害センターの教員養成科を出て、何処かの大学で、医学博士号を取った人なので、間違いはないと思います。
私も鬱傾向がありますので、時々自分で、後頭部や、後頚部(風池穴)に鍼をしますと、よく眠れます。
血流が良くなると、鬱にもいいのじゃないかと考えています。
よく眠るために、寝る前に、牛乳を飲むと眠れるのは経験しています。トリプトファンなどのタンパク質を取ると、セロトニンが増えると聞いていましたが、小腸、大腸でセロトニンが作られるとは、知りませんでした。
いろいろ分かってくると面白いですね。

Posted by 大谷佳子 at 2014年11月02日 02:21 | 返信

ブリタニー・メイナードさんの、薬物自殺は、とても悲しい。
長尾先生の声が、きっと届くのではないかと、想っていたのですが。
日本の大新聞のほとんどが、この医師による自殺ほう助(安楽死)を、「尊厳死」と捏造報道した。また、日本でもその法制化の動きがあると、NHKも今夜、ねじまげてミスリードした(笹井さんをいじめ自殺に追い込んだあの深層報道と同様の手口。この点は、先生の見解と正反対ですが)。
次回の、わが老人会の気功ヨーガでも、話題になるでしょう。

セロトニンは、メラトニンとならんで、よく話題にのぼります。
とりわけ、セロトニンのもとになるトリプトファンはバナナ、ビタミンB6はアボガドなどと、覚えるようにしています。
有田秀穂説によれば、太陽の光とリズム運動が、セロトニンの分泌をうながすと言われています。、
能楽師・安田登さんも、のべています。
「ストレスや不安を、行動エネルギーに変えることができる人もいますし、それに押しつぶされてしまう人もいます。あるいは、自分より弱い人や動物をそのストレスのはけ口してぶつける人もいます。」
「ストレスを行動エネルギーに変えるのは、『呼』の呼吸と、反復律動性の呼吸です。」

太陽の光と、呼のリズム運動。
これこそ、ヨーガの中のヨーガ、カパーラ・バーティ(頭蓋骨が光り輝く)です。
鼻から大きく息を入れ、腹をふくらませたまま胸の空気だけを吐き出し、次に、ふいごのように、勢いよく、フッフッフッと、腹の空気を一気に吐き出していく。1分に90回ぐらい。吐き出すたびに、鼻から空気が自然に入ってくる。
このとき、セロトニンが、小腸と脳幹から、全身の神経末端に、千倍、千倍、千倍になって分泌されていくという。
まさに、頭蓋骨が光り輝く。菩薩(ボーディサットヴァ)の光背のごとく、イメージして。
やがて夕闇とともに、セロトニンがメラトニンにへんげ(変化)していくというわけです。

近くの公園の池に、アオサギがやって来ました。今年は、池に張り出した、あずまやの屋根の天辺に、ひとまわり大きな姿を見せて、ぼくが通るのを待ってて?くれていました。ぼくが、ストレッチ棒を高くかかげると、しばらくして、美事なつばさを広げて、池の奥の方へ、優雅に飛翔していきました。いずれ、シロサギ、去年初めて来たクロサギも、姿を見せてくれるでしょう。
長尾先生のメッセージは、一日、ブリタニーさんを逡巡させた形跡があります。第二、第三のブリタニーさんには、かならず届くでしょう。

Posted by 鍵山いさお at 2014年11月03日 08:36 | 返信

11月3日午後7時頃、セロトニンについてコメントさせてもらおうと、パソコンを開いたところ、
NHKのニュース7が、ブリタニーさんの死亡を報じ始めました。
その全容が、本日(9日)の長尾先生のブログで、再視聴できました。
ミスリードその1.
唯一紹介された大学特任教授の見解。「これは安楽死ではなく、医師の助けによる自殺と捉えられる」。
ミスリードその2。
その見解披露直後のアナウンサー。「日本では、回復の見込みのない患者の終末期医療で、本人の意思に基づいて延命治療をやめる手続きについて、超党派の議員連盟が法案の概要をまとめていますが、提出に至っていません」。

国民的関心を呼ぶような事件の報道において、ひごろ培った蓄積と本領が全面発揮されるべき肝腎の腕の見せ時に、致命的なミスをおかす。報道のプロが、あえてミスリードをし、直後の訂正もないのです。
いつも記者会見で、ロクな質問もできず、ダラダラなんとか打ちに精出している姿が、浮かびます。新聞も、校閲が校閲たり得ていないのです。

「安楽死」と「平穏死(尊厳死)」の言語、概念についての、KOMACHIさんのご指摘は、検討に値します。ただ、訳語の問題としてではなく、まずは、マテやツナミのように、日本語として定着した言葉が、そのまま世界語になれば、なお、ふさわしいことでしょう。
すでに、長尾先生が『あぴたる』で、尊厳死協会の名称変更が実現した夢を書かれておられたように思います。
(ただし、文中、リニアについては、実現せず、計画が破たんすることを願っています。)
尊厳死協会も、リビング・ウイルを全面にした名称変更を前から検討されておられるようです。
梵語のドゥフカが、「苦」と誤訳されて日本に直輸入されたことから、日本人の生死観に悪影響をあたえてきました。
先のニュース7は最後に、「難病患者や障害者の団体からは『生きることへの否定につながりかねない』などという反対意見も出されています」と結んだ。
安楽死=尊厳死なら、反対は当然です。ヒトラーの優生思想そのものです。
石原元都知事が、ある施設の視察直後。、「あの人たちはなんで生きているのか」と吐きすてた。
このとき、NHKもふくめ、メディアは、この暴言を批判しなかった。
メディアは、しばしば両論併記で逃げるが、ミスリードは許されないのです。
尊厳生・平穏死(自然死)を願います。

Posted by 鍵山いさお at 2014年11月09日 03:18 | 返信

鍵山様、セロトニンについても、お教え下さい。

Posted by 大谷佳子 at 2014年11月11日 03:04 | 返信

大谷様
科学者でも専門家でもありませんので、セロトニンについては、長尾先生が説明されている以上のことは、すべて有田秀穂先生の著作からのコピぺということになります。
有田さんは、永年の研究中も、職場ヘルスやら、武術やらに応用されていましたが、最近は、東京で道場までひらき、セロトニン理論を、健康トレーニングに活かされているようです。
金メダリストや、ケガで引退したアスリートの方が、スポーツマンだけでなく、一般の方々向けに、独特のトレーニング法を開発されていますが、学者さんにも、こういう実践家がおられるのですね。
いくつかのフィトネスクラブで、急場しのぎの代行インストラクターというのをやったことがありますが、型やアーサナにとらわれない、身の動きを追求するうえで、有田理論は、とても参考になりました。
お答えになっていませんが、ご容赦ください。

鍵山いさおから大谷佳子への返信 at 2014年11月11日 06:09 | 返信

長尾先生が「セロトニンが小腸でたくさん生産される」と書いていらっしゃるので、もう10年以上前に、明治鍼灸大学の矢野忠(やのちゅうさんと、鍼灸師達は呼んでいますが)教授が「鍼灸治療で、セロトニンが増える」と書いてあったのは、間違いだったのかなあと思ったのです。
biglobeで検索したコピペでは「大部分が腸内に存在し、一部は脳内に存在する」と言う文章もあるので、鍼灸も何らかの作用があるのかも知れんと思ったのですが、詳細は不明です。
最近、鍼灸の研究会もサボっているもんで、なにもかも曖昧で、恐縮です。
朝、一番に太陽の光を目に入れるのは睡眠確保に重要らしいですね。メラトニンが出来て、セロトニンになるのか、作用機序は忘れましたけど。

Posted by 大谷佳子 at 2014年11月12日 02:44 | 返信

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