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弁護士は医療事故を待ちかまえている

2014年11月26日(水)

弁護士は医療事故を待ちかまえている。
日本の弁護士は、医者のミスが飯のタネ。
マスコミと弁護士は、医療を潰している。
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弁護士も医療事故を待ちかまえている

 
昭和大学病院長の有賀徹氏は「全国医学部長病院長会議の考え方」
について発表されました。
医学部長病院長が医療事故についてどう考えているのか分りました。
 
有賀氏はまず、全国医学部長病院長会議が2013年にまとめた、
医療事故調査制度に関する報告書を紹介されました。
WHOドラフトガイドラインに準拠し、院内調査を基本とするのが骨子です。
 
同会議の今年5月の「死因究明に向けての動向に鑑みて」では、
「一般診療と同様に、医療安全の面でも中小病院を地域の基幹病院が
支援する構図になっている。このことにより、事故の当事者である患者と家族と
医療者の間における信頼関係が強化・補完できる」と提言していると説明された。
 
医療事故への対応は、日常診療の延長戦上で行うものであり、
「医療の外」で行う紛争処理とは次元が異なるとも主張されました。
 
さらに有賀氏は、今年10月25日の読売新聞に掲載された、
「交通事故訴訟、10年で5倍に…弁護士保険利用」というニュースを紹介。
「弁護士の報酬が目的か」と問いかけ、
同様の「喧嘩の構図」を医療事故調査に持ち込むことをけん制しました。
 
今後の医療事故調査制度の制度設計に当たっては、
(1)調査報告書の扱い、
(2)遺族が、院内事故の結果を「諒」としない場合に、
第三者機関に訴える場合の対応がポイントになるとしました。
 
(1)  の調査報告書は、日常診療の延長線上で事故調査を行う以上、
まずは結果をカルテに記載するのが第一歩であり、報告書はA4判1枚程度の
レポートを迅速に作成するのが、全国医学部長病院長会議の考え方だそうです。
 
「報告書」を訴訟などに使うことは、「目的外使用」であると問題視しました。
現在、日本医療機能評価機構と日本医療安全調査機構がありますが、
類似の組織は「二つも要らない」とも指摘しました。
 
 
私はまったくそのとうりであると思いました。
医者は弁護士さんの“餌食”にならないことを最優先します。
患者さんの利益より、まずは訴えられないことを考えます。
 
たとえば駅の看板やパンフレットには、こう書かれています。
パンフレットの左にある細かな字をよく見て下さい。
よく分からない案件でもとりあえずお金がとれるかもしれません。
 
 
その結果、医師はどんどん萎縮します。
ハイリスク科を選ぶ医師はわずかです。
それが医療崩壊の病理であります。

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この記事へのコメント

確実な証拠があるときは、各県の各市町村の保健所が、相談に乗ってくれます。
あんまり患者さんの我がままとか、思い違いであれば、保健所も困るでしょうけど、他からも苦情があったり、常識で考えておかしければ動いてくれます。
日経新聞の「禁断のスカルペス」ですか、東子先生が魅力的です。
でも、厚生省にも特捜班があるらしく、臓器移植や、大規模な医療事案は患者さんの訴えが無くても動くのだなあと驚きました。
私自身は、臓器移植は、よくわかりませんけど。
ヘルパーさんは、お爺さんにやられるので、ボイスレコーダを持っていると聞きましたけど、ちょっとしんどい話ですね。
普段からかかりつけのお医者さんに、在宅医になってもらうのが、お互いに一番いいのじゃ無いでしょうか。
取り留めもない話ですけど。

Posted by 匿名 at 2014年11月26日 10:53 | 返信

長尾先生は、その時々で、ひどくセンセーショナルな見出しをつけて
ひどく独断的な一方的な視点から剛速球のような文章を投げつけ、
反論を待っておられるのでしょうか。

司法試験合格者を増やしすぎた政策には問題あります。司法試験だけでなく公認会計士・税理士も同様。士業様ばかり増やして客が増えない。ネットとPCの普及で大半の税理士の仕事は素人でもできる。訴訟だって弁護士頼まなくても裁判を起こせるのです。問題を顕在化し社会化することが目的ならば、賠償請求額は少額でも良い。裁判を起こすこと自体に意味がある。

弁護士費用は裁判に勝っても負けても弁護士を雇った側が支払います。弁護士を雇って訴訟起こして負けたら全部自分持ちです。
特に「医療訴訟は勝てない」というのが社会通念。

にもかかわらず訴訟を起こすのは、死んでも死にきれない恨みがあるからですよ。
だれだって、ことを荒立てたくないのです。
だって、医療訴訟を決意するまでの過程で、患者側はもう、クタクタに疲れているのだから。

誰が「喧嘩の構図」に至る原因を作っているのですか?
患者でしょうか?

Topic「後出しジャンケンの主語」に、”おーい”さんがコメントされていますが、
『「治療」に関して「わかりやすい説明」「もしも失敗されても許せるかもしれない、納得できるお医者さん」に治療していただきたいという考えの持ち主です。』
この2行に関しては、私もまったく同感です。

近藤信者が増える理由も医療訴訟が増える理由も根は同じ。
医者のパターナリズムが原因です。
医者の特権意識が原因です。
医者がいまだにインフォームドコンセントをおろそかにしていることが原因です。

インターネットが普及し、情報開示のおかげでネットで薬剤の副作用情報も検索することができるようになりました。古い考えかたの医師は、患者が知恵をつけるとやりにくくて仕方がないようで、「ネットの知識を振り回して素人が何を言うか!!!」と怒鳴り散らす。

そういった「既得権益」にしがみついて「お医者様」としてふんぞり返っている石頭の医者に、長尾先生ご自身も手を焼いておられると推測します。しかし、それをあからさまには言えないわけで。同業者だから。

長尾先生が本当にご活躍されるのは引退後かもしれませんね。

Posted by komachi at 2014年11月27日 04:03 | 返信

komachiさんの意見はよくわかります。
長尾先生も、ご自分のご尊父が、自死なさったのは、へたくそな大学病院にかかってしまったからだと仰っていたように記憶しています。
長尾先生は,まだお小さかったから、よくわからないし、証拠をお持ちじゃなかっただけです。
私も裁判で訴えたことはありませんが、気持ちとしては、この「患者にとっての悪の連鎖」を断ち切りたいと思っています。

Posted by 大谷佳子 at 2014年11月27日 11:23 | 返信

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