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施設ってなんだろう?

2014年12月16日(火)

御縁あって、いろんな老人施設に入って行くことがままある。
普段、在宅医療に埋もれている自分がいざそんな閉鎖的な
場所に入ると、いろんなことを感じるが、とても口に出して言えない。
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言えないから、ここで呟く。


介護施設が、「動物園のオリ」に見えることがある。
正確には、そう見えてしょうがない。


「帰宅願望」という言葉がある。

新しく施設に入った人は最初の2~8週間は、帰宅願望が
強くなり、暴れたり大声を出すので介護職員から電話がかかってくる。

介護職員は、「周辺症状やBPSD」と言う言葉も使わず、
「問題行動」と表現して、それを抑える薬の処方を要求される。

たしかに、集団生活をする施設にとっては問題だ。
もちろん本人にとっては、死ぬか生きるかの問題でもあるのだが。

ピックとアルツとレビーと正常者が、同じ箱の中に入るのは、
サルとネコとイヌとニワトリを一緒のオリの中に入れるようなもの。

何の御縁のない、そして仲の悪い10人が共同生活を始めたらどうなるか?
それも24時間一緒に過ごすのだ。

しかも、「死ぬまで一緒に過ごしましょう」、と国は無邪気に言っている。

もしかしたら、とんでもないことを押しつけているのではないか。

人によっては、「施設入所という虐待」を、頑張って育てた子供から受ける。
それにしても何の因果でそうなるのか。


救いがあるのは、以下の2種類だけ。
1)完全寝たきり=ほぼ引きこもり
2)施設内独居=引きこもり

両者は、部屋から出ない/出られない。

つまり、嫌な人/スタッフとの接触を拒否する権利を行使出来ている人。
そんな状態が悪いか、知恵のある人は、1割以下だ。

家で平和に生活していた半ボケの人も、家族の指令で捕獲されてオリに
入れられた途端に、目つきが変わり、暴れて、大きく変貌する。

無論、上手に施設に順応する人もいるのだが、心の底では
「上手に諦め」ているのかもしれないと思うことがある。

たとえば、「ここは楽しい?」なんてこっそり聞いてみる。
すると驚くような答えが返ってくる。

「私は、ここに捨てられたの」
「頑張っても、ここから出ることはできない」
「死ぬまで、ここに居るしかない」
「諦めました」
「帰るところが無いから」・・・

実は、全部分っているのだ!

そこにたたずむと、10人10色のスピリチュアルペインの叫びが
幻聴のように聞こえてくる。


いや、幻聴ではない。

たしかに、それぞれの心が叫んでいる。

誰が、「施設」というものを造ったのか?
ずいぶん罪なものを編み出したものだと思う。

病院も同じことだ。
いい療養病床と悪い療養病床とに完全に分れてきた。

日慢協の病院を中心にして、そうではない病院が増えてきたがまだまだ。
これはお世辞ではなく、想像以上の差があることを多くの人は知らない。


大切なことは、「徘徊の自由」。

それが保障されてこそ、施設であると思う。
その自由が無い施設は、長い目で見ると生き残れないと思う。











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この記事へのコメント

colony 囲い込み主義は「いけない事」と聞きましたけど、「為すも、為さぬも、人しだい」と申しますより「為すも、為さぬも、施設長しだい」なのかもしれません。
資金不足、人手不足、企画不足、理念無しで施設運営に,乗り出してしまったら、囲い込みのcolonyまたの名を「動物園」あるいは「刑務所」になってしまうのでしょう。

Posted by にゃんにゃん at 2014年12月17日 01:11 | 返信

どのような病気であっても、どのように心身が不自由でも、すべての人が自宅で、本人が生きたいように生きれれば良いのに、と思います。
とても個性的な生活の仕方をしている人でも、周囲に迷惑をかけなければ自由だと思います。

しかし、この「周囲に迷惑をかけない」範疇には、健全な金銭管理ができる、戸締りなど防犯に注意を払う、日時を守ってゴミ出しをする、など、信頼できる地域住民であることも含まれているのです。

ウチの自治会からの回覧板には、75歳以上の独居高齢者を「地域で助け合いましょう」・・・なんて書いてあります。75歳以上で独居の老人宅には、民生委員が定期巡回して「援助する」そうです。
「援助」???
「監視」でしょ。・・・「援助」という名の「監視」。

民生委員様に、ちょっとでも「おかしい」、と判断されてしまったら、認知症の疑いをかけられてアホな医者につながれ・・・
最近は「アウトリーチ」とやらで医者が患者を探しているんだと。
認知症を早期発見しましょうって、厚生省からのお達しで、認知症らしい人を探し出そうと。
頼んでもいないのに自宅まで医者が押しかけてくるんだって。
そんでもって必要ないアブナイ薬を処方する。

まあ、自宅に居ればアブナイ薬を飲まずに捨てるって手もあるけど、
独居の老人宅に医者と看護師が押しかけてきて、寄ってたかって薬を飲むように詰め寄ってきたら、それに抵抗できる老人がいるだろうか・・・・

かくして薬剤性認知症老人が増えるのであります。

施設も地獄、自宅も地獄。
地獄を作ってるのは製薬会社に誘導されてる役人と医者であります。


Posted by komachi at 2014年12月17日 02:50 | 返信

確かに、ある製薬会社のプロパーが、ケアマネジャーに、教えてくれるというので、講演会に行ったら「痴呆症〈昔はそう呼んでました)の人を見つけたら、通報してください」と言っていました。
あんまり驚いて、何処に通報するのか聞き逃しました。
今は自治会活動をしていますが、確かに独居老人は、問題視されています。
でも、阪神大震災や、東北大震災のことを考えると、ほうっておくわけにも行かないのです。
理想を言えば、あんまりプライバシーに、立ち入らず、それでいて危険な時は、助けなければいけないし、難しいところです。
市内の自治会防災ボランティア会議で、ある自治会の人は「子供を優先して助けるけど、老人は、二の次になる」と言っていました。
司会をしていた若い社協が「それはちょっと違うのではないですか?」と言いました。
また別の社協の人は「小学校から上の年代は学校で、避難訓練しているので、避難誘導し易いけど、普段から(私は、もういいから、ほうっておいて)と言うお年寄りには、手間取ります」と言う意見もあり、今後の課題としました。

Posted by にゃんにゃん at 2014年12月18日 12:47 | 返信

訪問看護師なんですが、聡明な先生の「口に出して言えない」にもう少し早く出会いたかった。サ高住で暮らす認知症の方の周辺症状に手を焼いたスタッフさん達が向精神薬をどんどん増やしてもらうのに我慢できなくて、「周辺症状は対応の問題でもあるのですよ。これ以上お薬を増やすのは、薬による拘束ですよ。」とお話させてもらったところ、対応しかねると精神科病院へ入院させる方針になりました。訪問看護は頻回に長時間接するわけではなく、ヘルパーさん達の苦悩に思いが至らなかったのかもしれません。結果的に利用者の居場所を奪う結果になってしまい忸怩たる思いです。黙って我慢すればよかったのでしょうね・・・。

Posted by ルナース at 2014年12月18日 10:08 | 返信

グループホーム勤務です。
こんな所で人生の最後を迎えるなんて嫌だろうなと思いながら日々支援しています。
特にひどい施設だとは思いませんが、素晴らしい施設でもありません。
耳が遠く話の噛み合わない人、勝手に部屋に入ってくる人、個人の物を使ってしまう人、始終大声を出している人とも狭い空間で暮らしていくのです。
トイレ使用中に異性が扉を開けてしまうなんてしょっちゅうです。
少しでも気持ち良く、できることはやって頂く、話を丁寧に聴くなどを最低限の自分の信念として勤務していますが、今日はできた!と思う日はなかなかありません。

少人数で家庭的な雰囲気でというのが売りのグループホームですが、家庭的なという言葉の理解に悩みます。好きな時間に食べて寝ることさえできません。スタッフの都合で時間は流れます。
確かに特養よりは人間らしい暮らしのように見えますが、その方にとってはここしかないのですから比べてみても仕方ない。

家族の選んだ施設に入るしかない。
今までどう生きてきたかなんて関係なくなってしまう。
好きでもない人達と仲良くしなければいけない。

6名は帰りたいと言われます。夕方特に。お一人が言い出すとお隣の方も同じ様に。
3名はここにいるしかない、家に帰っても1人では生きていけないと分かっておられる。

私は将来どうなるのか、どうしたいのか、毎日考えてしまいます

Posted by あんこきなこ at 2018年07月04日 07:38 | 返信

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