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終末期ガイドラインだけでは不十分

2015年01月07日(水)

平穏死の本を多くの人に読んで頂き、各医学会が終末期のガイドラインを
発表されていることを知っているお医者さんはどんどん増えている。
しかしイザ、そのガイドラインをガ現場に適応するとなると・・・・・

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日本老年医学会雑誌の12月号にある論文。→こちら

以下、その要約。

認知症のため胃ろうを造設されている患者さんが多職種の話合いの末
終末期と判断され、ガイドラインに従い、胃ろうを中止しようとしたが、
その直前にインフルエンザ肺炎になり、そもまま亡くなられた、という経過。

その考察として
・医学会のガイドラインにそってプロセスをふみ、胃ろう栄養を中止したという
 報告は無い。
・ガイドラインだけでは解決しない、介護者のこころの問題が大きい
・国民的議論が必要
となっている。

要するに、
医学会のガイドラインはあっても、実際に使われた症例はまだ皆無である。
話しあっても結論は出なかったので、国民的議論が必要なのだ。

胃ろうを中止した症例、ではなく、よく読むと
胃ろうの中止を中止を検討した1例、なのだ。

考えたものの、イザ、中止しようとしたら中止できませんでした、と。

まだこんなレベルなのだ。

同様の相談を、全国あちこちの知らない人から毎日のように受ける。
[ガイドラインについて主治医とよく相談して下さい」としか言えない。


しかし、現場を知らないエラい御用学者さんたちは、御用イベントで
「ガイドラインがあるからすべて解決済み」の一点張りだ。
私のような現場のものも意見には一切耳を傾けようとしない。

そのほうが綺麗だし、耳ざわりがいい、居心地がいいと思っているのだろう。
いずれにせよ、こんなお伽話を語っている人たちはまったく現場を知らない。

現場を見ようともしない。すぐに見られるのに。
もし見れば自説が机上の空論であることがバレてしまうからだ。

この論文を論文を書いて頂いた先生には、感謝したい。
「王様は裸です」と指摘したに等しいからだ。


まさに、死に関する国民的議論を期待したい。

私も、国民的議論を喚起する書籍をこれから書くことに決めた!



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この記事へのコメント

老年学
の 学者学者 いちばん いわゆる 高齢者の事
分かって いなかったり して かなり 人間して
いる、おこらんど では 日々発見 です。
赤ちゃん学もはやって いますよ。

Posted by おこらんど at 2015年01月20日 05:25 | 返信

老年学
の 学者学者 いちばん いわゆる 高齢者の事
分かって いなかったり して かなり 人間して
いる、おこらんど では 日々発見 です。
赤ちゃん学もはやって いますよ。

Posted by おこらんど at 2016年08月19日 08:30 | 返信

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