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漢方の保険継続を求める

2015年02月07日(土)

いまや、水や空気のように当たり前の保険適応になっている漢方薬。
しかし保険適応になるまでの苦難の道や、最近の苦境はあまり知られていない。
臨床漢方医会のメルマガには、意外な(?)政治家からのメッセージが載っている。

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 長尾和宏 様
 
 こんにちは、日本臨床漢方医会です。
 寒い日が続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。
 
 以前のメールで「漢方薬が保険で使えなくなるかもしれない!」
 という動きをご紹介いたしました。
 
 健康保険が使えるかどうかは、本当に大きな問題で、
 治療費が10倍以上変わる可能性も出てきます。
 
 そうならないよう、当会では継続して
 漢方擁護活動を進めていきたいと思います。
 
 漢方が保険から外されない為には、国民の
  “ひとりひとりの声”が何にも増して力を持っています!!
 
 また、政策を審議する国会議員の方々の協力も不可欠です。
 
 「日本の誇れる漢方を推進する議員連盟」の国会議員の
 方々より、メールマガジンへのご寄稿をいただいておりますので、
 ご紹介したいと思います。
 
 「漢方をどのように考えているか、国政にどう反映して
 いこうと思っているのか」については、大変興味深いと存じます。
 
 今回は、5名のご寄稿を掲載させていただきます。
 よろしければ最後までご覧下さい。
 
 なお、当会は特定の政党を支持していません。
 このため政党名や肩書などは紹介いたしませんので、ご了承ください。
 
 
 ▽ ▼ ▽ ▼ ▽ ▼ ▽ INDEX  ▼ ▽ ▼ ▽ ▼ ▽ ▼
 
 【1】日本の伝統医学-漢方を守り推進
                            衆議院議員 左藤 章
 
 【2】漢方への思い    衆議院議員 小池 百合子
 
 【3】世界の医療現場にみる<漢方の力>
              衆議院議員 上川 陽子
 
 【4】益々の漢方の普及に関して 
                            衆議院議員 田村 憲久
 
 【5】世界で重要性を増す漢方の存在
                            衆議院議員 櫻田 義孝
 
 
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 【1】 日本の伝統医学-漢方を守り推進
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 漢方は、奈良時代より日本で独自の発達を遂げた世界に誇れる
 臨床医学であり、特に日本の漢方は品質的にトップレベルにあります。
 
 その背景には、漢方薬も日本の薬事法の規制の対象であり、
 その中にGMP(品質管理基準)という、原料・品質などの面に
 非常に厳しい規格があるからです。
 
 一方、漢方生薬(原材料)は、殆どが中国からの輸入(83%)であり
 自給率は12%です。
 
 現在、円安や中国の物価の上昇などにより、
 原材料費が1.5倍以上になっており、基準を満たすものを
 安定生産することは、難しい状況になってきております。
 
 今後の安定した、漢方の品質や原材料の供給を維持するためには、
 自給率を向上させる為の政策も進めていかなければなりません。
 
 私、左藤章が所属する『日本の誇れる漢方を推進する議員連盟』は、
 超高齢化社会を迎える日本で、国民が伝統医学と西洋医学双方による
 
 世界に類の無い、最高の医療提供を受ける事が出来るよう、
 より一層、漢方医学を推進・定着させることが必要と考えます。
 
 そうすることが、医療の充実と共に患者さんの経済的負担の軽減等の
 可能性を秘めており、医療経済的効果を考える上でも、
 
 また、日本発の人にやさしい医学として、国家戦略の一つとして、
 是非とも進めていく必要があると考えております。
 
                      衆議院議員 左藤 章
 
 
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 【2】 漢方への思い
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 昨年は私にとってあわただしい一年だった。
 五月に父が九十歳で、九月には母が八八歳で相次いで旅立ったからだ。
 
 特に、母は練馬の自宅で娘の私と暮らしていたが、
 夏の酷暑も手伝い、体調を崩し入院。
 
 病院では肺がんの悪化が確認され、余命一ヶ月と診断されるに至った。
 
 母は数年前にがんを宣告された際、手術はもとより、
 放射線や抗がん剤による治療を望まず、病気との共生の道を選んだ。
 
 さらに残された時間が少ないと知り、
 自宅で余生を穏やかに過ごすこととした。
 
 スパゲティーボールのように、様々な管を巻きつけたり、
 身体を切り刻みたくはない。胃瘻などもごめんだ。
 
 これが一貫した母の思いであった。
 
 肺がんでありながらも、最期の数日まで、住み慣れた自宅で
 愛犬をはべらせつつ、大好きなタバコをくゆらせるなど、
 見事な平穏死となった。
 
 自宅での母との最期の泣き笑いについては、
 拙著『自宅で親を看取る―肺がんの母は一服くゆらせ旅立った―』
 (幻冬舎)をお目通しいただければ幸いである。
 
 母は生前、最後の五年くらい、神戸の墓の移転に
 全精力を傾けていた。いわゆる「終活」である。
 
 茅ヶ崎に終の棲家を移したひと月後に父が、
 三か月後に自らが入ることになった。
 
 新しい墓の購入には、自らの生命保険を解約してあてたことを
 母の死後知ったときには、大正女のやりくり上手と始末の良さに
 ほとほと感心した。「あっぱれ」というしかない。
 
 遺品整理には苦労した。
 
 物持ちのよい母は何から何まできっちりと保管しており、私がさっさと
 断捨離で捨てたはずのものも、いつのまにか戻されていたからだ。
 
 また、病院通いでため込んだ薬類は、段ボール二箱分に及んだ。
 
 高齢化に伴い、毎年1兆円ずつかさむという医療費などの在り方には、
 あらためて思いをいたさざるをえない。
 
 母は最期までアガリクスなども愛飲していた。
 
 兵庫県の赤穂出身で、塩田を営む小川家の親せき縁者には
 平田式心理療法の提唱者・平田内蔵吉などがいたこともあり、
 漢方の信奉者であったからだ。
 
 私自身は今、自民党の「日本の誇れる漢方の推進する議員連盟」の
 一員として、安定的な漢方提供の環境整備に努めている。
 
 特に、原料生薬の確保は、生物多様性条約との兼ね合わせや、
 レアメタルなどの天然資源と同様の施策が必要だと痛感している。
 
 休耕田を活用し、漢方の原料栽培に転作させるなど、
 厚労省のみならず農水省、環境省など省庁を超えた政策が求められる。
 
 現場の皆様の声を参考に、長寿世界一を支える
 漢方の維持発展に尽くしたい。
 
                     衆議院議員 小池 百合子
 
 
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 【3】 世界の医療現場にみる<漢方の力>
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 私が漢方に出会ったのは、2007年3月中国を訪問した時のことでした。
 
 当時自民党総務会長であった丹羽雄哉先生を団長とする数名の
 中国訪問団に参加し、温家宝首相や高強衛生相と会談する一方、
 医療現場である北京病院を視察する機会を得ました。
 
 その時はじめて、世界の医療現場における<漢方の力>に驚嘆し、
 この分野の発展のため日本としても明確な国のビジョンと
 具体的な施策の必要性を認識しました。
 
 北京病院は、病床数1,200、医師数650人、
 スタッフ数2,580人の規模を誇る巨大病院です。
 
 そこでは、最先端の西洋医学と中国医療(中医)がうまく融合され、
 患者さんに治療が施されていました。
 
 米国留学を終えた医師が最新の医療機器を使って手術をする一方、
 中医の医師が回復期の治療にあたる、
 まさにシームレスのチーム医療です。
 
 中医師の中には、ヨーロッパの医科大学等に中医教育の教授として
 派遣されるケースもあるとのことでした。
 
 調剤室に入ると、植物はもとより動物や鉱物まで800種類以上の
 漢方生薬が四方天井まで埋め尽くした薬剤箱に整然と分別され、
 
 その中で次々と届く患者さんたちの処方箋を見ながら、
 忙しく薬を調合する医師の姿がありました。
 
 しかし振り返ってみれば、日本でも伝統を誇る独自の漢方医学が
 脈々と受け継がれています。
 
 急性期から回復期まで、病気の局面や症状に応じて
 緩急自在に効果を発揮する<漢方の力>を再評価し、
 その普及発展を図ることは国民的課題のはず。
 
 そうした問題意識をきっかけに
 
 1. 性差医療の切り口からの統合医療の推進
 
 2. 漢方生薬の国内での栽培促進
 
 を中心に、私は議員連盟の活動等を通して
 統合医療問題に本格的に取り組んでいます。
 
 
                                           衆議院議員 上川 陽子
 
 
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 【4】 益々の漢方の普及に関して
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 日本臨床漢方医会メールマガジンの読者の皆様、はじめまして。
 
 「日本の誇れる漢方を推進する議員連盟」の幹事長であり、
 前厚生労働大臣、田村憲久です。
 
 私が漢方医学と深く関わることになった一つの出来事は、
 平成15年に文部科学大臣政務官に就任した当時、
 大学医学部での教育に漢方を積極的に取り入れたことでした。
 
 それ以降、学生時代に漢方を学んだ医師が増加し、
 積極的に医療現場で導入され、医療漢方薬への注目が
 さらに高まった事を嬉しく思っております。
 
 厚生労働大臣在任中には、
 自民党の「日本の誇れる漢方を推進する議員連盟」による
 漢方製剤の薬価を維持するため、新たな制度・取組を検討する場を
 設定する要望を受け取りました。
 
 また、本年7月には、「医福食農連携」取り組み事例として、
 地元住民と知的障害者を雇用して、生薬を栽培し加工する
 北海道の工場を視察して参りました。
 
 厚生労働省にとりましても、高齢化に伴って増加し続ける医療費の削減
 適正化、病気の発症予防や重症化予防の推進、統合医療の確立などの
 観点から、更なる漢方医学の発展が今後とも期待されることでしょう。
 
 厚生労働大臣という立場からは離れましたが、
 今後とも議連の一員として、漢方の推進に少しでも寄与できるよう
 邁進することをお誓いします。
 
 最後になりましたが、皆様の漢方への支えのもと、
 漢方への正しい理解と発展の輪が広がるようご祈念申し上げます。
 
                                           衆議院議員 田村 憲久
 
 
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 【5】 世界で重要性を増す漢方の存在
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 明治維新以降、日本の医療政策はもっぱら西洋医学に偏りすぎてきた
 傾向があるのではないか、との問題意識を私は常々抱いておりました。
 
 日本を始め、東洋には東洋の知恵の詰まった、
 東洋医学・漢方医学の存在があります。
 
 今でこそ多くの医師や議員も注目度が高まっておりますが、
 実は東洋医学や漢方医学の有用性について一番注目をしているのは、
 むしろ欧米諸国ではないか、と感じております。
 
 その理由のひとつとして、現在の日本で喫急の課題となっている、
 「少子高齢化」の問題が、今後の世界の先進諸国で直面する
 課題になってきていることが考えられます。
 
 こうした世界的な傾向のなかで、「未病」であったり、
 「健康長寿」というテーマは日本だけでなく、
 世界人類に共通のテーマとなりつつあるのだと思います。
 
 そうした観点で、漢方の果たす役割は、
 今後益々重要性を増していくことでしょう。
 
 我々、国会議員も多くの仲間と共に漢方の有用性についての議論を
 活発に展開している所であり、日本が誇る漢方の知識を
 日本国内は勿論、世界に役立てることができればと考えております。
 
                      衆議院議員 櫻田 義孝
 
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
 ◆編集後記
 
 1/26より第189回国会(常会)が開かれています。
 
 漢方薬の保険適用問題について取り上げられるかもしれません。
 引き続き関心を持って、見守ってまいりましょう!
 
 本会ではメルマガ配信をはじめ、ホームページや
 フェイスブックページでも漢方情報をお届けしております。
 
 ぜひそちらもご参照ください。
 
 時節柄ご自愛いただき、健やかに冬をお過ごしくださいませ。
 最後まで読んでいただき、有難うございました。
 
                       日本臨床漢方医会
 
 
●//●//●//●//●//●//●//●//●//●//●//●//●//●//●//●//●
 
 発行元:日本臨床漢方医会事務局 
 ホームページ   :  http://kampo-ikai.jp
 Facebook       : http://www.facebook.com/kampoikai
 お問い合わせは、 jim@kampo-ikai.jp まで

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この記事へのコメント

漢方薬とか、鍼灸とかマッサージとかは、本来太古の昔からあるので、政治とは関係無かったのです。
でも、国民健康保険で利用できるとなると、政治が絡んでくるのでしょうね。
健康保険は戦前から、地域によってはあったようですが、国民皆保険制度になったのは、戦後です。
アメリカの命令かと勘違いしていましたけど、アメリカには民間の健康保険会社があって、国営の健康保険に、抵抗しているようです。
では日本の国民健康保険は、どういう過程で、成立したのでしょう。
私も良く知らないのです。おそらく吉田茂氏が、イギリスの健康保険制度を、まねて取り入れたのでしょう。それで政治的なのではないかと思います。
医療生協とかもありますけど、大多数の医師会は、政治的にならざる負えないのでしょう。
私は鍼灸師会にいる時に、近所の市会議員に「挨拶に行け」と言われて困りました。いろいろあって、鍼灸師会を脱会しました。その後あん摩マッサージ会に入って、市役所から鍼灸の老人助成切符を5枚出してもらいました。でも老人助成切符を一番利用しているのは骨接ぎさんなのです。
他人の為に花嫁衣裳を縫ったようなものだなと思います。
あん摩さん鍼をしているし、獣医師も鍼をしているし、医師も鍼をしているし、色々な人が鍼をしています。
漢方薬も、保険でなく販売している薬剤師さんは大変でしょうね。私は梅田の老舗の漢方薬局で「加味逍遥散」を、電話で、注文販売してもらっていましたが、最近通信販売は、禁止になったと言って、直接梅田の薬局まで漢方薬を買いに行かなければいけないので、忙しくて服用していません。
最近は梅田も、神戸も行っていませんから。取り留めもないことをしゃべって済みません。

Posted by にゃんにゃん at 2015年02月07日 10:27 | 返信

 漢方薬が保険適用外になるかも知れない、という動きがある事を知りませんでした。
 現代の医療=薬、であるということの弊害が認識され始めた次の段階では、漢方薬への切り替えが行われていくものと思っていたので、逆行する動きであると一般人の私でも思います。製薬会社と国の関係が災いしているのでしょうか?
 妄想ですが以前に、病院の中に『未病科』が存在すれば、医療費削減への効果と”人に優しい病院”の実現に近くなるのでは、と思った事があります。未病科の中で、鍼治療と気孔整体と漢方薬の三本柱で施して下されば、病気に至らずに済む事例が多くあるように思います。病後に鍼や気孔整体で身体を癒す身内を見て、逆に病前にたっぷりと東洋医学に浸って身体を休めていれば、結果的に入院せずに済んだかも、と思ったのです。(生死に関わる大病ではないですが)
 

Posted by もも at 2015年02月07日 10:31 | 返信

  漢方薬を保険適応にするなら それなりの勉強をしていただきたいものです 古典を使うのですから古典をあたり 江戸時代くらいからの症例や漢方の方剤の勉強 八綱弁証 くらいは患者さんに納得できるように説明してあげないと・・・保険適応が良いとか悪い以前の問題です。私のような街の薬局では保険も効かないので 漢方が保険適応になってから数千万円あった漢方処方の売り上げが10年くらいで 数万円の売り上げに減りました。なんともいえません。

  エビデンス がどうこう以前に患者さんの四診もして欲しいです。えらそうなことを書きましたが 薬剤師が何を考えている分からんと以前書かれていたので恥を覚悟で書きました。

 さらに日本の保険制度が2年に一度値下げしないといけないのは漢方薬に関してはもう生薬の原料の関係でもう無理ではないでしょうか 漢方薬メーカーはどうやってこれからしのいで行くのでしょうか

 

Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2015年02月10日 08:44 | 返信

井澤康夫様
私は、鍼灸師でしかないので、薬や、漢方薬については全く知らないのですが、最近TVで、何処かの大手の会社が、確か北海道か、何処か広い土地で、漢方薬の国内生産を、大規模に計画しているとか聞きました。でも、人参でも、日本で最近生産された人参と、昔の朝鮮半島でとれた人参では成分が一緒とはいえないのでしょうね。
ましてや、中国の「竜骨」なんて、古代時代の動物の骨が長い年月で、発酵したというか老化した様な、あんな物質は日本で生産できるかどうか分からないでしょうね。
ただのカルシュウムかと思うと竜骨牡蛎湯と言うからには牡蛎とも違うのでしょう。
随分前に中国も、竜骨等の、貴重な薬剤の輸出を制限したと聞きました。
ダメだダメだと言っても、現実問題、民間薬草か現代的な化学製品を使って補うしか手が無いですね。
戦後の中国で、漢方薬や針灸などが脚光を浴びたのは、今の日本と反対に、西洋医学的な薬品や、医療器具がまったく無かったことから、逆に漢方薬に期待した為と聞いています。
漢方薬の、例えば麻黄からエフェドリンを抽出したように、化学的分析が待たれます。でも分析しても、増々全体が分からなくなりそうです。麻黄の薬効は、エフェドリンだけでは無いでしょう。
私も、もの知らずのくせに、いろいろ喋り過ぎました。どうか間違っていたらご指摘ください。

Posted by 大谷佳子 at 2015年02月10日 11:48 | 返信

日頃、いくつかの漢方薬のお世話になっています。
帯津良一医師の本を読んでいたら、面白い指摘がありました。

体内では、エネルギーの変換のたびに、エントロピーが発生する。
次々と発生してくるエントロピーを、次々と体外に捨てることによって、体内でのエントロピーの増大を防いでいる。
中薬(漢方薬)は、体内のあちこちで発生したエントロピーをかきあつめて、それぞれの出口まで運ぶための好循環を維持する。
呼気に重点を置いた呼吸法は、じつはエントロピーの増大を防ぐ方法論であった。
生命現象のうちのエントロピー問題を扱うのが中医学なら、エネルギー問題を扱うのが西洋医学であるということになり、ここに中西医学結合の意義がある。(太極拳養生法「自己組織化・エントロピー・自然治癒力」)

廃熱、廃物、発汗など、エントロピー排泄という観点から、ヒトの自然治癒力を維持し高めていくという考え方も、あるのですね。

Posted by 鍵山いさお at 2015年02月11日 01:58 | 返信

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