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放置したほうがいいがん、しないほうがいいがん

2015年02月10日(火)

毎日毎日、がん治療に関する相談が舞い込む。
1件1時間としても1日に3件やっていたらおそらく死ぬだろう。(私が)
何度講演しても、何冊本を書いても、理解できるひとはほとんどいないのか。
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「がんは放置に限るのに、長尾はバカだ」と豪語していた人が、
自分ががんになっておじけずいて手紙や電話で相談をしてくる。

自分ががんの手術や抗がん剤を受ける身になってはじめて
「長尾先生が書いている意味がはじめて分りました」なんて御礼を言われる。

じゃあ、なにかい。
今まで私の言っていること、全然信用していなかったの???

それほど巧妙な書籍が本屋の店頭に溢れている。
飛ぶように売れるからだ。

すべて金儲けのため。
セカンドオピニオン外来も。

私は、本当に罪深い”医者もどき”がまだいるなー、と呆れるばかりだ。
しかし御本尊だと疑わない信者さんがまだ沢山いるし、カルト化は激しくなる。

実は、放置したほうがいいがん、と、しないほうがいいがん、がある。
ただそれだけなのだが、一部のがん拠点病院は尊厳無視の無茶苦茶をしている。

だから市民は極論本を盲信するのだ。

たったこれだけのこと。
単純なことを難しく言うのが詐欺師の手法。

まだよく分からないという人は、見知らぬ人から届いた手紙を読んでほしい。
この手紙の中に「真実」がすべてあらわれていると思う。

手紙はこちら

この1通の手紙のなかに、セカンドオピニオン外来のすべてがある。
特に最後のページは圧巻だ。

この手紙は、近藤氏の書籍20冊を読むよりずっと価値がある。


一方、今夜は要介護5の寝たきりの認知症の方に見つかった
ステージⅣの末期がんのがん治療の説明に2時間を要した。

余命1ケ月以内と思われる寝たきり高齢者に抗がん剤をやると
いってきかないがん拠点病院の医師にも呆れるを通り越して怒りが湧く。

緩和医療の、「か」の字も知らない、がん拠点病院の医者。
理解不能(無茶苦茶)なオピオイド処方。

もしかしたら余命1週間かもしれない、だから痛みを取って楽しく暮らした方が得。
たったこれだけの説明だけでも2時間かかった。

がん拠点病院の呪縛を解くのもがん放置療法と同様に大変だ。
どうしてこんなに2極化した医療しかなののだろう。

不思議でしかたがない。

放置すべきは放置する
助かるものは放置せず治療する。


こんな単純なことが分らない医者が私はよく分らない。
私は、放置療法の味方でも、とことん抗がん剤医者の味方でもない。

患者さんの味方である。


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この記事へのコメント

「どうしてこんなに2極化した医療しかなののだろう。」

アピタルから
《1751》 製薬会社の講演会が多すぎる
「最近強く思うのは、多くの医者はMRさんに、いや製薬会社に強く洗脳されているのではないか、ということ。」

《1752》 100年前より退化している
「医者は製薬会社の販売員になってはいけないと常に思います。
理想は、お薬の無い医療のはずです。
世の多くの医者が、お薬漬けになっています。
医学部教授たるものが、お薬の宣伝マンとなり全国を走り回っている姿を見るにつけ、医療もそろそろ終末期に来たなと感じます。」

《1753》 「医療化」に騙されるな!
「患者さんが病気を造る理由を「不安」と書きました。
では、医者が病気を造ることを何というか知っていますか?
「医療化」と言います。
なんでも病名をつけてそれに適応があると定めた薬を投与するのです。
新しい病気ができれば、新しい薬の「新しい市場」が生まれるのです。

そうしたテレビを用いた医療化に権威ある医師が登場する時代なのです。
私は、もう世も末だな、と感じます。
しかしそれを真に受けて医療機関を受診する人が増えるのが現実です。
「医療否定という極論」を書きたいわけではありません。
「必要な医療化」と「医療化による必要でない、過剰な医療」を
嗅ぎわける力をつけて欲しいと願うだけです。
患者のために医療があるのであって
医療のために患者があるわけではない。
もちろん、製薬会社のために患者があるわけではない。
しかし多くの医師も「医療化」されています。」

ここまで、大賛成。まったくそのとおり。よくぞはっきり書いてくださった。さすがは長尾先生です。

でも、
「しかしそうでない医師も大勢いますので安心してください。」
・・・そうでしょうか? ほとんどの医師が医療化による収入増を期待していると思いますけど。

「両者を嗅ぎわけるのは患者さんの勘、そして「実力」です。」
・・・まともな医者を探して歩くほど、暇とカネと何よりも時間が残されている患者は、きわめて少ないと思います。だいたい近場の特に開業医はお互い知っているし医師会でも顔を合わせるし、批判的なことはお互いに絶対言わない、一種のカルテル・トラスト・コンツェルン。

要介護5の認知症患者に抗癌剤治療を主張する医師って、その医師の意思なのでしょうか?
働いている病院から、抗癌剤治療件数のノルマが出されているのではないですか?
病院ごとに、医師に対して抗癌剤件数のノルマが出されているという記事を読んだことは、今のところ、ないですけど、外科医に対して手術件数のノルマがある、という記事は複数読んだことがあります。

製薬会社だけでなく、検査機器会社、手術設備を作っている会社など、医療産業の売り込みはすさまじいわけで、病院・医院経営者側としては、一度導入してしまった装置・設備機器を遊ばせておくわけにはいかないからノルマを課すことになる。

「医療産業」を国是とする政策そのものに問題があると思います。

Posted by komachi at 2015年02月10日 03:57 | 返信

両極論ともビジネスが支配していることは確かです。
卵が先か鶏が先かというと、
現在の過剰医療、換言すると「医療化による虚構の医療産業の発展」がなければ、がん放置療法のような極論は生まれなかったのではないかと。

また他のブログの話で恐縮ですが、とても関連性があるので書かせてください。

フリーライター嶋田和子さんのブログ「精神医療の真実 聞かせてください、あなたの体験」のコメントには、「歯科でバキシル」、「眼科でデバス」という処方例があると。
眼科の方は、眼鏡相談に行ったのに医師がデバスを処方するというので断ったそうです。それも当事者が薬の知識があるから断ったわけで、何も知らない「ウブな」患者なら喜んで服用してしまうかもしれない。
猛暑の体調不良でふと受診した内科でメイラックス2週間分を処方され、何も知らずに真面目に服用した後の、断薬後の眠気やしんどさを「離脱症状」と気付かずに不調なので心療内科を受診してさらなる薬漬け、そこから抜け出すのに自殺まで考えた人もいます。
http://ameblo.jp/momo-kako/entry-11983113963.html

嶋田和子さん(かこさん)のブログは、何も知らないまま心療内科や精神科を受診して医師を信じて処方薬を飲み続け、改善するどころか心身ともにボロボロになって「処方薬と縁を切った・縁を切る過程にある」医療被害者の経験談であふれています。

心療内科・精神科は、「医療化」が最も簡単な、医師にとってはとても「おいしい」部門です。
そこでしか処方されない「はず」の薬が、内科歯科眼科etc.あらゆる専門科で処方される傾向が強くなっています。

これって、何なのでしょうか。
みなさん、嶋田和子さんのブログの記事を、ウソだ、と思いますか?

向精神薬はすでに認知症「治療」へ矛先を向けています。
私がこれらの薬の怖さを知ったのも、いくつかのブログを読むようになったのも、母に処方された薬をネットで調べ始めたのがきっかけでした。調べてはいたけれど、当時「薬は不要」とまでは思い至ることができなかった。
母が亡くなって1年半、いつも断片的に頭の片隅で思い出すたびに、母に薬は必要なかったのだと、今は確信しています。

経済産業省に医療産業発展を目的に医療産業研究会が作られています。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004627/summary.html
「医療機関の収入拡大、雇用の増大、医療の質の向上等、日本の医療体制の強化に繋がる好循環」を期待する、と。

逆の結果を招くと思います。日本人を薬漬けにして薬害を輸出して医療産業だけが栄える日本。
日本は、「医療」によって滅びると思います。

Posted by komachi at 2015年02月11日 01:48 | 返信

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