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「フレイル」とは要介護の手前
2015年03月13日(金)
「メタボ」や「ロコモ」は知っているよ!という人は増えただろう。
では、「サルコペニア」や「フレイル」という言葉を知っているか?
今夜は東京大学の加齢医学(老年科)の秋下雅弘教授の講義を拝聴した。
では、「サルコペニア」や「フレイル」という言葉を知っているか?
今夜は東京大学の加齢医学(老年科)の秋下雅弘教授の講義を拝聴した。
秋下先生は、私が尊敬する臨床教授のひとり。
「薬は5種類まで」という名著もある。
決して厚労省の回し者ではなく、
患者さんのためのポリファーマシー撲滅の騎手。
ちなみに私も老年医学の徒の一人。
「その症状、もしかして薬のせい?」で援護射撃中。
「フレイル」という概念を広めることが私を含む老年医学者の責務。
要は、健康寿命を延ばすことが国家的課題。
拙書「寝たきりにならず、自宅で平穏死」(SB出版)も参照して欲しい。 →こちら
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
フレイルな高齢者の高血圧管理 by 秋下先生
・「高齢者」といっても一様ではない
後期高齢者の要介護者は3割がだ、
前期高齢者は数%
→問題は後期高齢者、
両者を一緒にして論じるのは無理がある。
フレイルという概念について
・マルチコンポーネントな概念
・身体的=サルコペニア、ADL低下
精神的=認知症、抑うつ
社会的=独居、貧困
3者の組み合わせ
・正確には「虚弱」ではなく、要介護の手前を指す。
要支援1~要介護1相当
・男女差
女性は7歳長生きる
男は、がん、心筋梗塞、
女は、死なない病気(サルコペニア、認知症)
・フレイルとサルコペニアは、重なる部分が大きい。
筋力低下、筋肉量現象など。
・血管障害は、AD(アルツハイマー型認知症)と
VD(脳血管性認知症)の両方に関連する
・血圧変動が大きいと認知症と関連する
ARBが適している。
ただし先進国のみ。
・後期高齢者の血圧は、150/90でいい。
・食後低血圧=起立性低血圧と同じ病態
レビー(DLB)、パーキンソンに多い
DPP4阻害薬で改善する可能性がある
・高血圧と死亡率の関連は歩行速度によって異なる
6m歩行試験の実行。
早く歩ける人は長生きするが、
遅い人は死亡率高い
・6種類は、ポリファーマシー
10種類以上はスーパーポリファーマシーと呼ぶ。
現実は、70歳以上の高齢者は平均6~7種類の投薬を受けている。
減薬については 患者の意見も良く聴いて行うこと。
・高齢者に中止を考慮すべき薬剤
第一にベンゾジアゼピン系。
・骨折を起こしにくい薬剤
サイアザイド、ARBなど
高齢者には、昼の薬を出さないことも大切
・認知症の早期発見
→早期から薬の管理ができなくなる
・既存の降圧薬(ARB?)やDPP4にて
認知症のリスクを管理することが大切
・血中DHA濃度が高いと認知症リスクが少ない
・ひとり飯(孤食)はうつになり易い
独居ではなく、同居人がいるのに孤食の人が
一番うつになり易い。
生活習慣病が認知症のリスクであることを啓発することが医師の急務である!
「薬は5種類まで」という名著もある。
決して厚労省の回し者ではなく、
患者さんのためのポリファーマシー撲滅の騎手。
ちなみに私も老年医学の徒の一人。
「その症状、もしかして薬のせい?」で援護射撃中。
「フレイル」という概念を広めることが私を含む老年医学者の責務。
要は、健康寿命を延ばすことが国家的課題。
拙書「寝たきりにならず、自宅で平穏死」(SB出版)も参照して欲しい。 →こちら
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フレイルな高齢者の高血圧管理 by 秋下先生
・「高齢者」といっても一様ではない
後期高齢者の要介護者は3割がだ、
前期高齢者は数%
→問題は後期高齢者、
両者を一緒にして論じるのは無理がある。
フレイルという概念について
・マルチコンポーネントな概念
・身体的=サルコペニア、ADL低下
精神的=認知症、抑うつ
社会的=独居、貧困
3者の組み合わせ
・正確には「虚弱」ではなく、要介護の手前を指す。
要支援1~要介護1相当
・男女差
女性は7歳長生きる
男は、がん、心筋梗塞、
女は、死なない病気(サルコペニア、認知症)
・フレイルとサルコペニアは、重なる部分が大きい。
筋力低下、筋肉量現象など。
・血管障害は、AD(アルツハイマー型認知症)と
VD(脳血管性認知症)の両方に関連する
・血圧変動が大きいと認知症と関連する
ARBが適している。
ただし先進国のみ。
・後期高齢者の血圧は、150/90でいい。
・食後低血圧=起立性低血圧と同じ病態
レビー(DLB)、パーキンソンに多い
DPP4阻害薬で改善する可能性がある
・高血圧と死亡率の関連は歩行速度によって異なる
6m歩行試験の実行。
早く歩ける人は長生きするが、
遅い人は死亡率高い
・6種類は、ポリファーマシー
10種類以上はスーパーポリファーマシーと呼ぶ。
現実は、70歳以上の高齢者は平均6~7種類の投薬を受けている。
減薬については 患者の意見も良く聴いて行うこと。
・高齢者に中止を考慮すべき薬剤
第一にベンゾジアゼピン系。
・骨折を起こしにくい薬剤
サイアザイド、ARBなど
高齢者には、昼の薬を出さないことも大切
・認知症の早期発見
→早期から薬の管理ができなくなる
・既存の降圧薬(ARB?)やDPP4にて
認知症のリスクを管理することが大切
・血中DHA濃度が高いと認知症リスクが少ない
・ひとり飯(孤食)はうつになり易い
独居ではなく、同居人がいるのに孤食の人が
一番うつになり易い。
生活習慣病が認知症のリスクであることを啓発することが医師の急務である!
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この記事へのコメント
にんちしょう
怖くない。
悟り
お経のように
唱える。
おこらんど
おぎようこ
Posted by おこらんど at 2015年03月13日 10:35 | 返信
秋下雅弘先生の言っていることは、まさに正論と言えますね。
後期高齢者にCa拮抗薬は、良くないと言う印象が強いです。血圧値が低くCa拮抗薬を中止すると、それだけで脳の機能改善が実感されるケースは稀では無いですね。
私は高齢者には、ARBかACEが良いと昔から考えていましたが、秋下先生のお話を聞くと非常に納得できます。
なお認知症の進行には脳の血流の不安定さが大きく関与していると、私は考えています。
レビーの迷走神経反射の影響か、脳幹部の大きな梗塞とし考えられない症状で長年悩まされてきました。これらのケースは、大きな温度差や低気圧の通過などで誘発され、迷走神経反射の関与が考えられます。
脳幹部や前代脳動脈領域や視床や大脳基底核領域の穿通枝などは、本管の血流が不安定になると流体力学上の問題から簡単に血流停止→再灌流が起こようです。そう考えると前記の脳幹部の梗塞があり得ることが理解できます。
Posted by 小関洋 at 2015年03月15日 08:31 | 返信
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