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病院内に薬局?

2015年03月15日(日)

現在の医薬分業システムは問題が多すぎて、早く改善すべきだと思う。
患者さんにとってみれば不便極まりなく医療費の観点からも無駄が多い。
政府はようやく、院内薬局(門内薬局)を認めるかどうかの検討に入った。
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「病院内に薬局」賛否 規制改革会議が公開討論
行政・政治 2015年3月13日(金)配信朝日新聞
 
 
 医師が処方箋(せん)を出して薬局の薬剤師が調剤する「医薬分業」のあり
方を巡り、政府の規制改革会議が12日、公開討論会を開いた。改革会議側は
病院内に調剤薬局を置けない規制は患者に不便として緩和を求めた。一方、厚
生労働省は薬局の独立性を保つため必要と反論した。会議側は6月の答申に規
制緩和を盛り込みたい考えだ。
 
 医薬分業は、医師の処方箋を薬剤師がチェックし、安全性や有効性を高める
のが狙いだ。厚労省は「薬局の独立性を高める」として、1996年に省令で
調剤薬局を病院内に置くことを禁じた。院内処方より調剤薬局の処方の方が報
酬も高い。その結果、調剤薬局が扱う割合は2013年度で7割近くに上る。
 
 討論会で、内閣府規制改革推進室はインターネット調査の結果を公表。10
36人の回答者の約6割が、規制をやめた場合の利点として「受診した医療機
関で薬がもらえて便利」と答えたという。
 
 これをふまえ、改革会議の委員である日本総研の翁百合副理事長は「患者の
視点に立てば(病院と薬局の)構造が物理的に離れている必要はないのでは」
と訴えた。
 
 健康保険組合連合会も、調剤薬局での処方は院内処方の約2倍の費用がかか
っていると白川修二副会長が指摘、費用対効果に疑問を呈した。
 
 これに対し厚労省は規制は必要と強調。日本薬剤師会の森昌平副会長も「一
体的な構造になると(薬局は)機能的に特定の医療機関のものになる」と懸念
を表明。病院外にある調剤薬局が、複数の医療機関の処方箋を扱うことが国民
のためになる、と反論した。(小泉浩樹、田内康介)

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シリーズ: 規制改革会議面分業の否定意見や「病院内薬局」容認論も規制改
革会議、医薬分業で公開ディスカッションレポート 2015年3月13日(金)配信高
橋直純(m3.com編集部)
 
 政府の規制改革会議(議長:岡素之・住友商事株式会社相談役)が主催する
公開ディスカッションが3月12日に開催され、地域から広く処方せんを受け入
れる薬局の整備を目指す「面分業」に対し、否定的な見方が出たり、「病院内
薬局」を認めるべきとの意見が出るなど、医薬分業の根本を揺るがす意見が相
次いだ。
 
 公開ディスカッションのテーマは、「医薬分業における規制の見直し」。(1)
「面分業」、つまり医療機関と薬局を距離的(構造的)に分離する規制の是非、
(2)院外処方の方によるコストアップが見合ったメリットを提供しているか
――が論点だ(資料は、内閣府のホームページに掲載)。
 
 岡議長はディスカッション終了後、報道陣に対して「このテーマについては、
規制改革会議として新たに取り上げて議論するために、ディスカッションの場
を設けた。引き続きフォローしていきたい」と説明。規制改革会議は毎年6月
に答申を発表しているが、「今年6月に間に合うかは議論次第」、2016年度の
診療報酬改定に間に合わせるかについても、「白紙」と答えた。今後は同会議
のワーキンググループで本格的な議論が行われる。多くの報道陣や傍聴者が見
守る中、ディスカッションは行われた。人口当たりの薬剤師数、OECDの2倍
 
 ディスカッションに先立ち、有識者が現状について報告した。日本医師会副
会長の今村聡氏は、面分業について「いったん公道に出て、薬局に入り直す必
要があるのか。国民目線では全くおかしな仕組みではないか」と述べた上で、
調剤に関する費用の在り方が国民から見て分かりづらいことや、調剤医療費が
急激に増加していることを指摘した。
 
 さらに、「大前提として知っておいてほしいこと」として、
(1)OECE加盟国で1000人当たりの薬剤師数は平均0.77人だが、日本は1.56人で1番多い、
(2)薬局の適正数も日本薬剤師会の試算で2万7000軒だが、現状で5万5000軒に達し
ている――ことを挙げ、「この状況が健全かどうかについてはいろいろな意見
があっていいはず」とコメント。最後に「処方せんには病名が書かれておらず、
薬剤師だけでできる指導は限られている。医療機関と薬局が連携していくこと
が重要」と指摘した。患者負担に見合う効果見えない
 
 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、医薬分業を推進すべきと述べた
上で、処方せん料と調剤基本料の支払いにより患者負担が増えていると指摘。
負担に見合う効果が生じているかについて疑問を呈し、疑義照会の件数、在宅
医療を実施している薬局数や後発医薬品の使用促進も不十分と主張。「コスト
は上がっているが、それに見合うだけの調剤薬局の機能が十分でないと思って
いる。調剤薬局側にも努力を期待する」と述べた。
 
 面分業については、「特定薬局への誘導が一部あるように聞く。医療機関と
保険薬局の癒着がない仕組みが担保されないと、構造上の独立性は安易に変え
てはいけない」と指摘した。


 
医薬分業で薬剤費削減される
 
 日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、薬局における調剤業務が変化していると
説明。現在は第5世代とされ、他職種連携や在宅調剤などこれまでになかった
業務も増えており、薬剤師の重要性を強調した。また、疑義照会1件につき約5
00円の薬剤費節減効果があり、医薬分業がゼロの状況と、分業率100%を比較
すると薬剤料が27%削減されるという試算を紹介した。
 
 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療経済学分野教授の川渕孝一氏
は、分業のメリットがほとんど実感できないにも関わらず医療費が増える今の
日本のシステムは再考の必要があると主張した。医薬分業をめぐる「9不思議」
を挙げ、株式会社の参入を認め規模の経済が追求できるのにもかかわらず、真
の競争環境が生まれていないなどと指摘。厚生労働省に対し、薬剤師の供給数
や各種施策について「整合性を取ってほしい」と要望した。薬剤師指摘で投薬
量減少
 
 医師で、一般社団法人日本在宅薬学会理事長の狭間研至氏は、自身が行って
いる在宅診療の取り組みを紹介。訪問診療に同行する薬剤師に「漫然投薬、過
剰投薬、副作用」を指摘するよう依頼することで、患者1人当たりの投薬数、
薬剤費が減ったことを紹介した。また医師の訪問回数を減らす一方、薬剤師の
訪問を増やしたことで、医師が2倍の患者を見られるようになったという。薬
剤師の仕事は「機械的作業ではない服用後の専門家。新しい治療戦略を担う」
と期待した。医師会と薬剤師会で意見対立
 
 ディスカッションでは、健康・医療ワーキンググループ座長の翁百合氏(日
本総合研究所副理事長)が、「薬局と病院が物理的に離れている必要はない」
と意見を述べた後、薬剤師会と日医 にそれぞれ意見を求めた。
 
 薬剤師会の森氏は「一体的な構造になることは、(薬局が)機能面で特定の
医療機関のものになってしまう可能性がある。面分業を進めることが国民のた
めになる」と主張。これに対し、日医の今村氏は「高齢者が複数受診しており、
かかりつけ薬局で一元的に薬歴管理をしてもらうことが理想だが、現実的には
医療機関に一番近いところに行っている。基幹病院が一つしかない地域では、
あえて隔壁を設ける必要は全くない。国民が制度を理解してもらうことが大前
提」と述べた。厚労省は「面分業、かかりつけ薬局が必要と考えている。院内
にあるということは門前薬局を助長することになりかねない」と説明した。面
分業への否定的見解相次ぐ
 
 規制改革会議委員で、大阪大学大学院医学系研究科教授の森下竜一氏は、「阪
大病院の中にコンビニがあっても、経営は分離している。病院内に薬局があっ
ても分離はできる。建前論だけでなく、実態に即して患者のメリットを考える
べきだ」と主張すると、厚労省は「処方調剤のある薬局と病院の関係はコンビ
ニとは違う」と反論した。
 
 医師で、ワーキンググループ専門委員の土屋了介氏は、「診療所と(内部に
薬剤師が多数いる)病院は分けて考えるべき。 東京の地下鉄は相互乗り入れ
していていも、経営は分離している。薬局と病院も知恵を使う必要があるので
は」と指摘。会議委員の林いづみ氏(桜坂法律事務所弁護士)は「医薬分業が
実施され、質の向上や薬価差益の抑制にどれだけ成果があったのか」と疑問を
呈した。面分業についても「経営の独立性が確立されていれば、構造上の独立
は関係ないはず」と主張した。会議委員の佐久間総一郎氏(新日鐵住金株式会
社代表取締役副社長)も、国民の要望は利便性の向上だとして、「場所が同じ
でも問題が生じないよう知恵を絞るべき」と主張した。担当大臣「正々堂々議
論したい」
 
 議論を傍聴していた規制改革担当の有村治子内閣府特命担当大臣は「関係方
面から方向性を決めるような発言をするなと言われているが、(面分業の是非
が)議論のテーブルに乗ったことが画期的なことだと思う。日本社会の持続性
を考えると、正々堂々と議論を戦わせていくべき」とコメントした。

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この記事へのコメント

薬剤師さんは医師会にやられたい放題、くやしいだろうなあ

Posted by 傍観者 at 2015年03月25日 11:55 | 返信

処方箋を院内or院外にするかの決定権が医師側にある以上は経営の分離は事実上不可能かと

Posted by 匿名 at 2015年06月18日 10:37 | 返信

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