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有難いお便り
2015年03月31日(火)
見ず知らずの方が、本当に自分の本を読んでくれる。
そして手紙まで書いてくれる・・・
本を書いて良かった!と思うのはこうした手紙を読んだ時だ。
無償の愛、ではないが、なんらかのパワー感じる。
この方はお気の毒に辛い目にあわれたようだ。
少しでも役に立てれば著者としては最高です。
そうそう、医療タイムスに書いた原稿も以下に紹介しておこう。→こちら
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
医療タイムス3月号 今、なぜ「死の授業」なのか 長尾和宏
新聞を開くと、東大救急救命部の矢作直樹先生が書かれた「人は死なない」という本の広告が目に飛び込んできた。これは面白そうだ。きっと社会的な死や死後の世界のことが書いてあるに違いない。当然、私もそう考えた。しかし現実には、人はとりあえず死ぬ。高齢者になるまで一度も死を見たことがないという人が結構存在する。病院死が在宅死を上回って約40年が経過するが、現在60歳代の人は、「病院の時代」を生きてきたので、「死」が遠いものになっている。週刊誌の報道によると在宅医療を積極的に行う医師でさえ数百人の患者さんを診ていながら看取りが年間ゼロというケースがある。特別養護老人ホームでさえ、一度も看取りを経験したことがない所もある。年々「死」が地域から隔離されますます非日常になってきた。在宅での看取りが増えない要因のひとつは、死がタブー視されていることだろう。2月の土曜日のゴールデンタイムに某民報の2時間特番「中居正広の僕はこうして死にたい!」という番組に解説者として出演する機会があった。その中で某アイドルタレントは「私は死にません!」と言ってのけた。これが若者、いや多くの日本人の本音かもしれない。
一方、アメリカのブリタニー・メイナードさん(29歳)の安楽死が報じられたことは記憶に新しい。脳腫瘍で余命半年と宣告されて半年が経過したがまだ元気だった。しかし恋人の名前が言えなくなる前に死にたい、と医師から処方された薬を予告通りに飲んで亡くなった。オレゴン州は安楽死が認められている。しかし多くのメデイアは、この安楽死/自殺を尊厳死と誤報した。私のコメント部分にはちゃんと「安楽死」と書きながらも大見出しでは「尊厳死」と誤って記した。いまだに訂正や検証記事が出ないのは、書いた記者自身が誤報の理由を理解できないからである。「今まで、死を考えたことがないのでどう書いていいのか分らない」と告白した記者がおられた。「死」のタブー視は、世間やマスコミだけでなく国会においても同様である。たとえばリビングウイルの法的担保に関する議論は10年間、ほとんど停滞している。
ブリタニーさんの報道で一番驚いたのは多くの若者が反応したことだった。某週刊誌の調査によるとなんと9割が尊厳死に賛成で、7割が安楽死に賛成と答えていた。「俺も安楽死したい」、「なぜ日本では安楽死できないのか」という意見がネットに書きこまれた。日本では安楽死は殺人罪で、尊厳死でさえたとえ本人のリビングウイルがあっても法的にはグレーであることを彼らは知らない。これまで「死」の話題と言えば、終活に代表される高齢者の話だったが、意外にも若者が反応したのだ。そこで急遽、昨年末に若者たちを対象に都内で「死の授業」を行った。これが大変面白かったので「長尾和宏の死の授業」(ブックマン社)という本となり世に出た。尊厳死、安楽死、平穏死の違いを分かり易く解説した。これまで「いのちの授業」と銘打った本はあったがズバリ「死の授業」の本は初めてではないか。3月5日、東京大学の医学生に「死の授業」を行った。その模様は、現在、朝日新聞・アピタルに連載中である。今後、高齢者だけでなく、若者とも「死」を1人称の視点で語りあいたい。多くの医学生にも読んで欲しい。医学の発展に伴い、さまざまな医療の“やめどき”が益々分らなくなっているからだ。
そして手紙まで書いてくれる・・・
本を書いて良かった!と思うのはこうした手紙を読んだ時だ。
無償の愛、ではないが、なんらかのパワー感じる。
この方はお気の毒に辛い目にあわれたようだ。
少しでも役に立てれば著者としては最高です。
そうそう、医療タイムスに書いた原稿も以下に紹介しておこう。→こちら
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医療タイムス3月号 今、なぜ「死の授業」なのか 長尾和宏
新聞を開くと、東大救急救命部の矢作直樹先生が書かれた「人は死なない」という本の広告が目に飛び込んできた。これは面白そうだ。きっと社会的な死や死後の世界のことが書いてあるに違いない。当然、私もそう考えた。しかし現実には、人はとりあえず死ぬ。高齢者になるまで一度も死を見たことがないという人が結構存在する。病院死が在宅死を上回って約40年が経過するが、現在60歳代の人は、「病院の時代」を生きてきたので、「死」が遠いものになっている。週刊誌の報道によると在宅医療を積極的に行う医師でさえ数百人の患者さんを診ていながら看取りが年間ゼロというケースがある。特別養護老人ホームでさえ、一度も看取りを経験したことがない所もある。年々「死」が地域から隔離されますます非日常になってきた。在宅での看取りが増えない要因のひとつは、死がタブー視されていることだろう。2月の土曜日のゴールデンタイムに某民報の2時間特番「中居正広の僕はこうして死にたい!」という番組に解説者として出演する機会があった。その中で某アイドルタレントは「私は死にません!」と言ってのけた。これが若者、いや多くの日本人の本音かもしれない。
一方、アメリカのブリタニー・メイナードさん(29歳)の安楽死が報じられたことは記憶に新しい。脳腫瘍で余命半年と宣告されて半年が経過したがまだ元気だった。しかし恋人の名前が言えなくなる前に死にたい、と医師から処方された薬を予告通りに飲んで亡くなった。オレゴン州は安楽死が認められている。しかし多くのメデイアは、この安楽死/自殺を尊厳死と誤報した。私のコメント部分にはちゃんと「安楽死」と書きながらも大見出しでは「尊厳死」と誤って記した。いまだに訂正や検証記事が出ないのは、書いた記者自身が誤報の理由を理解できないからである。「今まで、死を考えたことがないのでどう書いていいのか分らない」と告白した記者がおられた。「死」のタブー視は、世間やマスコミだけでなく国会においても同様である。たとえばリビングウイルの法的担保に関する議論は10年間、ほとんど停滞している。
ブリタニーさんの報道で一番驚いたのは多くの若者が反応したことだった。某週刊誌の調査によるとなんと9割が尊厳死に賛成で、7割が安楽死に賛成と答えていた。「俺も安楽死したい」、「なぜ日本では安楽死できないのか」という意見がネットに書きこまれた。日本では安楽死は殺人罪で、尊厳死でさえたとえ本人のリビングウイルがあっても法的にはグレーであることを彼らは知らない。これまで「死」の話題と言えば、終活に代表される高齢者の話だったが、意外にも若者が反応したのだ。そこで急遽、昨年末に若者たちを対象に都内で「死の授業」を行った。これが大変面白かったので「長尾和宏の死の授業」(ブックマン社)という本となり世に出た。尊厳死、安楽死、平穏死の違いを分かり易く解説した。これまで「いのちの授業」と銘打った本はあったがズバリ「死の授業」の本は初めてではないか。3月5日、東京大学の医学生に「死の授業」を行った。その模様は、現在、朝日新聞・アピタルに連載中である。今後、高齢者だけでなく、若者とも「死」を1人称の視点で語りあいたい。多くの医学生にも読んで欲しい。医学の発展に伴い、さまざまな医療の“やめどき”が益々分らなくなっているからだ。
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この記事へのコメント
お手紙を読ませていただいて 胸がジーンとしてきました
とても 素敵な字です
どんなに お金持ちでも どんなに美人でも
必ず 亡くなるんですよね…
わかってるんだけど
まだまだ 先のことって 思ってしまう
残された方が どう生きていくか…だと思います
うちの義父が 11年前に 在宅療養の末 亡くなって…
一人暮らししてた義父を愛知に連れてきて 介護しました→5男の嫁です
いまだに 相続で揉めてます→うちは 財産放棄しました
ここも きちんとしてくれれば 残された兄弟 親戚が仲良くやっていけるのに…
ほんとに よくあるお話です
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年03月31日 08:16 | 返信
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