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多剤投与の根は恐ろしく深い
2015年04月29日(水)
毎日、高齢者の多剤投与との闘いだ。
いい方を変えれば、前医との闘いか。
90歳台の老人が、20種類もの薬を死ぬまで処方される不思議な国。
いい方を変えれば、前医との闘いか。
90歳台の老人が、20種類もの薬を死ぬまで処方される不思議な国。
最近、施設入所者の主治医を依頼されることが増えた。
前医から出ているお薬を持ってこられるが、多剤投与のオンパレードだ。
寝た切りでもう会話もできない要介護5の人にも20種類の投薬が普通。
降圧剤4種類、利尿剤3種類だけでも、めまいがしそうなのだが、
ビタミンDと骨粗しょう症薬、鎮痛剤と血液サラサラの薬と胃薬。
そこにアリセプト10mg、向精神薬、睡眠薬などが加わり、合計20種類へ。
正直、狂っているとしか思えない。
20種類以上が普通の医者の頭の中は、一体どうなっているのだろう?
「医者に殺される」というタイトルの本が頭に浮かんできた。
医者の指示どうりに飲めば、本当に死ぬかもしれない。
「先生のいうとうり飲んだら死ぬので、適当に間引きしている」と患者は言う。
どちらが医者なのか?と言いたくなる。
なんとかして高齢者や精神障害者の薬を減らしたい。
しかし相談相手の家族と連絡が取れないので勝手に減らせない。
さらに既に一包化されているので、特定の薬だけ減らすことはできない。
20種類は、オールオアナッシングの選択なのだ。
おまけに、人工透析にも連れていかれるというので、ビックリ。
ドアを破ってでも透析に強制連行される話しは有名だが、どこまでやんねん、という世界。
透析患者さんは金のなる木なので、絶対に離してくれない。
抗がん剤と同じで、死ぬその日まで止めさせてくれない。
胃ろうと同じで、意思表示ができない親が生きていれば年金が入る。
子供さん世代にしてみたら、そうした理由もあるのだろうか。
その方の配偶者も認知症だがご多分にもれず、20種類近い多剤投与だった。
「全部飲んだら、お腹がいっぱいになる」と言われるが、そのとうりだろう。
3つの医療機関にかかっておられるという。
3つの専門医に家族が時々受診しているのだという。
こうした場合、どこから手をつけたらいいのか分らない。
エゲツナイ多剤投薬を前にすると、ゴミ屋敷に入りこんだ時と同じような気になる。
別の家に往診したら、死にかけの90台の方がが寝ていた。
胸がゼコゼコいって、明らかに肺炎と脱水だ。
薬をみると、一流病院から超大量の利尿剤と降圧剤が入っていた。
著明な低カリウム血症と腎不全を認めた。
薬の副作用だらけなので、家族に一生懸命に減薬について説明した。
しかし家族も病院信仰とお薬信仰が根強いので、なかなか信用してもらえない。
高血圧 → 降圧剤3系統、4種類とコレステロールの薬
心房細動 → サラサラの薬と胃薬2種類
糖尿病 → 血糖降下剤3種類
骨粗しょう症 → ビタミンDとビスフォスフォネート
不眠 → 眠剤2種類
便秘 → 下剤2種類
認知症 → 抗認知症薬と向精神薬
胃腸薬 → 胃薬2種類とビオフェルミン
こんな調子で、あっとい間に20種類を越える。
症状の数だけ、いや症状の数異状に薬が増えるのが現代医療。
「全部やめたら調子が良くなった」は、笑い話ではなく、日常そのもの。
なんで、そうなるのか?
1 臓器別縦割りの医療体制と専門医幻想を持つ患者の増加
2 すべての薬にはやめどきがあることを、医者も患者も知らない
3 製薬メーカーに、医者が完全に洗脳されている
4 総合医や総合医マインドを持つ医者が、専門医志向におされて増えてこない
5 多剤投薬をはじめ、専門医偏重は国民や日本社会(国会)が容認している
多剤投与の根は恐ろしく深く、簡単には治らない。
私自身も
・ジェネリック問題より、多剤投与を優先すべき
・多剤投与への対策は、[出来高」から「マルメ」にすること
そう書籍やメデイアで、何度も何度も訴えてきた。
「その症状、もしかして薬のせい?」(セブン&アイ出版)もそのひとつ。
先日のTBSでのNスタでも訴えたばかり。→こちら
そらく多剤投与で、数えきれないほどの人が死んでいる。
多剤投与は、間違いなく、デメリットのほうがメリットを上回る。
多剤投与の問題は、決してお金の問題ではなく、人間の尊厳の問題。
そしてこんな単純な命題さえ利害が絡んで解決できない現実は、
実は、原発問題や基地問題、そして二重問題をまったく解決できない
など、日本という国の現状の象徴であり、将来を暗示しているとさえ思える。
誰も止められない多剤投与という、世界に例を見ない問題。
薬の全否定をしているのではない。
必要な薬だけ、1~3種類だけ飲むのが本来の医療ではないのか。
叩かれてもいい。
とても大切なテーマなので、今後も継続して取り組みたい。
ちなみに私は、この命題に、取り組んでもう35年がすぎた。
父親が38年前、某大学病院の薬害と監禁医療で殺されたからだ。
その大病院医療に「復讐」のために医者になった。
だから薬害問題も在宅も、ライフワークなのだ。
医学界を根底からひっくり返さないと治らない、と本気で分析している。
前医から出ているお薬を持ってこられるが、多剤投与のオンパレードだ。
寝た切りでもう会話もできない要介護5の人にも20種類の投薬が普通。
降圧剤4種類、利尿剤3種類だけでも、めまいがしそうなのだが、
ビタミンDと骨粗しょう症薬、鎮痛剤と血液サラサラの薬と胃薬。
そこにアリセプト10mg、向精神薬、睡眠薬などが加わり、合計20種類へ。
正直、狂っているとしか思えない。
20種類以上が普通の医者の頭の中は、一体どうなっているのだろう?
「医者に殺される」というタイトルの本が頭に浮かんできた。
医者の指示どうりに飲めば、本当に死ぬかもしれない。
「先生のいうとうり飲んだら死ぬので、適当に間引きしている」と患者は言う。
どちらが医者なのか?と言いたくなる。
なんとかして高齢者や精神障害者の薬を減らしたい。
しかし相談相手の家族と連絡が取れないので勝手に減らせない。
さらに既に一包化されているので、特定の薬だけ減らすことはできない。
20種類は、オールオアナッシングの選択なのだ。
おまけに、人工透析にも連れていかれるというので、ビックリ。
ドアを破ってでも透析に強制連行される話しは有名だが、どこまでやんねん、という世界。
透析患者さんは金のなる木なので、絶対に離してくれない。
抗がん剤と同じで、死ぬその日まで止めさせてくれない。
胃ろうと同じで、意思表示ができない親が生きていれば年金が入る。
子供さん世代にしてみたら、そうした理由もあるのだろうか。
その方の配偶者も認知症だがご多分にもれず、20種類近い多剤投与だった。
「全部飲んだら、お腹がいっぱいになる」と言われるが、そのとうりだろう。
3つの医療機関にかかっておられるという。
3つの専門医に家族が時々受診しているのだという。
こうした場合、どこから手をつけたらいいのか分らない。
エゲツナイ多剤投薬を前にすると、ゴミ屋敷に入りこんだ時と同じような気になる。
別の家に往診したら、死にかけの90台の方がが寝ていた。
胸がゼコゼコいって、明らかに肺炎と脱水だ。
薬をみると、一流病院から超大量の利尿剤と降圧剤が入っていた。
著明な低カリウム血症と腎不全を認めた。
薬の副作用だらけなので、家族に一生懸命に減薬について説明した。
しかし家族も病院信仰とお薬信仰が根強いので、なかなか信用してもらえない。
高血圧 → 降圧剤3系統、4種類とコレステロールの薬
心房細動 → サラサラの薬と胃薬2種類
糖尿病 → 血糖降下剤3種類
骨粗しょう症 → ビタミンDとビスフォスフォネート
不眠 → 眠剤2種類
便秘 → 下剤2種類
認知症 → 抗認知症薬と向精神薬
胃腸薬 → 胃薬2種類とビオフェルミン
こんな調子で、あっとい間に20種類を越える。
症状の数だけ、いや症状の数異状に薬が増えるのが現代医療。
「全部やめたら調子が良くなった」は、笑い話ではなく、日常そのもの。
なんで、そうなるのか?
1 臓器別縦割りの医療体制と専門医幻想を持つ患者の増加
2 すべての薬にはやめどきがあることを、医者も患者も知らない
3 製薬メーカーに、医者が完全に洗脳されている
4 総合医や総合医マインドを持つ医者が、専門医志向におされて増えてこない
5 多剤投薬をはじめ、専門医偏重は国民や日本社会(国会)が容認している
多剤投与の根は恐ろしく深く、簡単には治らない。
私自身も
・ジェネリック問題より、多剤投与を優先すべき
・多剤投与への対策は、[出来高」から「マルメ」にすること
そう書籍やメデイアで、何度も何度も訴えてきた。
「その症状、もしかして薬のせい?」(セブン&アイ出版)もそのひとつ。
先日のTBSでのNスタでも訴えたばかり。→こちら
そらく多剤投与で、数えきれないほどの人が死んでいる。
多剤投与は、間違いなく、デメリットのほうがメリットを上回る。
多剤投与の問題は、決してお金の問題ではなく、人間の尊厳の問題。
そしてこんな単純な命題さえ利害が絡んで解決できない現実は、
実は、原発問題や基地問題、そして二重問題をまったく解決できない
など、日本という国の現状の象徴であり、将来を暗示しているとさえ思える。
誰も止められない多剤投与という、世界に例を見ない問題。
薬の全否定をしているのではない。
必要な薬だけ、1~3種類だけ飲むのが本来の医療ではないのか。
叩かれてもいい。
とても大切なテーマなので、今後も継続して取り組みたい。
ちなみに私は、この命題に、取り組んでもう35年がすぎた。
父親が38年前、某大学病院の薬害と監禁医療で殺されたからだ。
その大病院医療に「復讐」のために医者になった。
だから薬害問題も在宅も、ライフワークなのだ。
医学界を根底からひっくり返さないと治らない、と本気で分析している。
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この記事へのコメント
ほんとに びっくりですよね
ある利用者さまのことです
それぞれのパーツしか診ない大きな病院…
循環器 整形 形成 皮膚科 泌尿器 外科 それぞれから薬が出され
ほんとに20種類です
一包化といいながら
それぞれの科ごとに一包化されてて
お薬カレンダーに 入らないという多量でした
なんで 同じような胃薬が出てるんだ?と思い、問い合わせたら
システムが しっかり 働かなかったと返答でした
まったく 意味がわからない!
ひとりの人間なんですけど…
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年04月29日 12:49 | 返信
「医学界を根底からひっくり返さないと治らない」
そのとおりです。ほんとにそう思います。
「医学界を根底からひっくり返す」ものすごくたいへんな作業、
長尾先生の命が尽きる前に、どの程度成し遂げられるのか。
同じ思いの方々が、「点在」しているように見えます。
「点在」では、「医学界を根底からひっくり返す」のは難しい。
つながれば、可能かもしれない。
つなげる、点を線にして面にする、どうすれば・・・
Posted by komachi at 2015年04月30日 02:20 | 返信
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