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愛川欣也さんの在宅・尊厳死
2015年05月11日(月)
産経新聞・生と死シリーズ第15話 芸能人のがん闘病報道
愛川欣也さんの最期に学ぶ
芸能ニュースなぞには興味が無い、という人もいるでしょう。私もそう思っていた時期がありました。しかし最近は芸能人の闘病記を熱心に眺めています。医師には「守秘義務」があるので患者さんの実話はなかなかご紹介できません。しかし芸能人はある面ではプライバシーを売る職業ですから闘病記においても遠慮なくこうして書けるのです。最近、がんの闘病で話題になった芸能人について書いてみます。
歌手のつんく♂さんが喉頭がんの手術で声を失ったという報道には驚きました。歌手が声を失うという悲嘆は想像を絶します。しかし声を失っても出身大学の卒業式で後輩たちに熱いメッセージを発していた様子に感動しました。声を失っても前向きに生きることはできるのです。食道発声というリハビリに取り組まれているそうなので、近い将来、地声で話してくれることでしょう。一般的な話ですが、喉頭がんは9割以上がタバコが原因です。禁煙で迷っている方はこの機会に禁煙治療について真剣に考えてください。
俳優の愛川欣也さんは、日本人のがんで一番多い肺がんのため80歳で奥さまに見守られながら旅立たれました。芸能人には珍しく在宅医療を受けてご自宅で亡くなられたのです。肺がんと聞くと「在宅では苦しいのではないか?」というイメージがあるかもしれません。しかし決してそうではありません。緩和医療と“平穏死”を知ってさえいれば末期の肺がんでも、酸素無しで最期まで自宅で普通に楽しく生活することができます。私はテレビでもそう発信してきました。肺がんの専門医でも知らない人が多いので、昨年秋には京都で開催された日本肺癌学会で「肺がんは最も在宅医療に向いているがんのひとつである」という講演をさせて頂きました。常時、在宅療養されている肺がんの患者さんがおられます。愛川欣也さんは芸能人だから在宅死が叶ったという珍しい例では決してなく、在宅医療にも従事する町医者にとっては日常であることを知っておいて下さい。そういえば流通ジャーナリストの金子哲雄さんも肺の悪性腫瘍のため自宅で「平穏死」されました。
さて、先週テレビで俳優の今井雅之さんがステージⅣの大腸がんで闘病中である旨を語っていました。かなり痩せておられたので驚きました。俳優にとって舞台を降板することがどれだけ辛いことであるのかが、ひしひしと伝わり胸が痛みました。「しっかり抗がん剤で治します」と言い残されましたが、どんなGWを過しておられるのか。痩せた理由は、がんのせいか抗がん剤の副作用なのか、医者として気になりました。歩くのもままならない状況で、抗がん剤治療を続けて大丈夫?という気もしました。というのも抗がん剤は、自分で歩けてしっかり食べられることが前提条件。またがんを完治させることはできず、あくまで延命治療です。必ず“やめどき”が来るのでそのタイミングを後悔しないがん医療を受けて欲しいと願いました。さらに「モルヒネで安楽死したい」という旨の発言をされていましたが、モルヒネは緩和医療であり命を縮めることはありません。緩和ケアは、平穏死(=尊厳死)の土台であり安楽死では無いことを知っておいてください。芸能人も2人に1人ががんになります。リアルな闘病報道を是非自分自身に置き換えて見ておいて下さい。
キーワード 大腸がん
男性では3番目、女性では2番目に多いがん。早期に発見できればほぼ100%助かるが、早期の段階では無症状のことが多い。早期発見のためには便潜血反応(2日法)が有用で、1回でも陽性なら大腸内視鏡検査を行う。
愛川欣也さんの最期に学ぶ
芸能ニュースなぞには興味が無い、という人もいるでしょう。私もそう思っていた時期がありました。しかし最近は芸能人の闘病記を熱心に眺めています。医師には「守秘義務」があるので患者さんの実話はなかなかご紹介できません。しかし芸能人はある面ではプライバシーを売る職業ですから闘病記においても遠慮なくこうして書けるのです。最近、がんの闘病で話題になった芸能人について書いてみます。
歌手のつんく♂さんが喉頭がんの手術で声を失ったという報道には驚きました。歌手が声を失うという悲嘆は想像を絶します。しかし声を失っても出身大学の卒業式で後輩たちに熱いメッセージを発していた様子に感動しました。声を失っても前向きに生きることはできるのです。食道発声というリハビリに取り組まれているそうなので、近い将来、地声で話してくれることでしょう。一般的な話ですが、喉頭がんは9割以上がタバコが原因です。禁煙で迷っている方はこの機会に禁煙治療について真剣に考えてください。
俳優の愛川欣也さんは、日本人のがんで一番多い肺がんのため80歳で奥さまに見守られながら旅立たれました。芸能人には珍しく在宅医療を受けてご自宅で亡くなられたのです。肺がんと聞くと「在宅では苦しいのではないか?」というイメージがあるかもしれません。しかし決してそうではありません。緩和医療と“平穏死”を知ってさえいれば末期の肺がんでも、酸素無しで最期まで自宅で普通に楽しく生活することができます。私はテレビでもそう発信してきました。肺がんの専門医でも知らない人が多いので、昨年秋には京都で開催された日本肺癌学会で「肺がんは最も在宅医療に向いているがんのひとつである」という講演をさせて頂きました。常時、在宅療養されている肺がんの患者さんがおられます。愛川欣也さんは芸能人だから在宅死が叶ったという珍しい例では決してなく、在宅医療にも従事する町医者にとっては日常であることを知っておいて下さい。そういえば流通ジャーナリストの金子哲雄さんも肺の悪性腫瘍のため自宅で「平穏死」されました。
さて、先週テレビで俳優の今井雅之さんがステージⅣの大腸がんで闘病中である旨を語っていました。かなり痩せておられたので驚きました。俳優にとって舞台を降板することがどれだけ辛いことであるのかが、ひしひしと伝わり胸が痛みました。「しっかり抗がん剤で治します」と言い残されましたが、どんなGWを過しておられるのか。痩せた理由は、がんのせいか抗がん剤の副作用なのか、医者として気になりました。歩くのもままならない状況で、抗がん剤治療を続けて大丈夫?という気もしました。というのも抗がん剤は、自分で歩けてしっかり食べられることが前提条件。またがんを完治させることはできず、あくまで延命治療です。必ず“やめどき”が来るのでそのタイミングを後悔しないがん医療を受けて欲しいと願いました。さらに「モルヒネで安楽死したい」という旨の発言をされていましたが、モルヒネは緩和医療であり命を縮めることはありません。緩和ケアは、平穏死(=尊厳死)の土台であり安楽死では無いことを知っておいてください。芸能人も2人に1人ががんになります。リアルな闘病報道を是非自分自身に置き換えて見ておいて下さい。
キーワード 大腸がん
男性では3番目、女性では2番目に多いがん。早期に発見できればほぼ100%助かるが、早期の段階では無症状のことが多い。早期発見のためには便潜血反応(2日法)が有用で、1回でも陽性なら大腸内視鏡検査を行う。
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この記事へのコメント
私は、愛川欣也氏についても良く知らないし、うつみみどりさんも良く知らなかったのです。
ただキンキンが「肺癌と分かったので、在宅で療養して元気になりたいし、万が一でも自然死したい」と希望して、妻であるケロンパが、夫であるキンキンの希望を守ったと言う事実には頭が下がります。
マスコミは、「在宅医療」も、理解してないし、キンキンとケロンパの結婚をあれこれつついている。
私は、独身なので夫婦のことはあんまりわかりません。
しかし、法律的に婚姻して、結婚相手を守ろうとしても、お互いの価値観が変化して発展すると法律的婚姻は、破綻せざるを得ないのでしょう。
若い青春時代に、付き合ってもお互いに、知りすぎると、別の人に気がひかれるのが人間なのかなあと思います。それは男性も女性も、お互いに厳しい真理だなあと思います。
死ぬまで、純粋な恋愛状態を続けることは、難しいことでしょう。
子供さんが何人もいて、何年も、家計のやりくりをすることは大変なことです。
私は独身なので、ひとさまの結婚生活を、とやかく言う立場ではありません。
キンキンはケロンパを、妻として頼り、ケロンパは、逃げずにそれに応えたと言うことでしょう。
Posted by にゃんにゃん at 2015年05月13日 01:55 | 返信
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