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認知症でも最期まで家で普通に暮らせる

2015年05月17日(日)

産経新聞土曜日の連載は、「生と死シリーズ」で16回書いてきた。
本シリーズの最後は先日の報道特集の有岡富子さんについて書いた。→こちら
あまりにも「認知症でも在宅で平穏死できるんだ」という反響が大きかった。
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産経新聞・第16回  99歳の沖縄旅行と旅立ちの映像
           認知症でも最期まで家で普通に暮らせる

 
 先週末、某報道番組で99歳の認知症の女性と家族、そしてそれを支える仲間の活動が紹介されました。西宮市のNPO法人つどい場さくらちゃんは10年以上、認知症介護者を支える活動を行っています。理事長の丸尾多重子さんは「認知症の介護者がもっと賢くならないとあかん」という思いからNPOを立ち上げられた。「学び隊」を編成して医療や介護の講演会を沢山企画。また「見守り隊」が見守り、「お出かけ隊」が外出サポートをしてきました。毎年、要介護5の人達を含む数十人で北海道まで旅行しています。昨年秋は沖縄旅行でしたが、私も宴会要員として飛び入り参加しました。要介護5の認知症の人が沖縄旅行?と疑問をもつ人がいるかもしれません。いやいや、要介護5だからこそ、どんどん外に出て旅行もしなければならないのです。移動することで人は元気になり、認知症は進行しません。99歳の彼女がそう教えてくれました。しかし彼女は今年1月3日にすき焼きを食べてビールを飲んだ後に眠るように旅立たれました。つどい場での看取りの一部始終が、主治医の私も含めてそのまま放映されました。

 大きな反響がありました。「感動して泣いた」、「手づかみで食べると誤嚥しないんだ」、「こんな映像は初めて」などなど。なかでも「認知症でも家で最期まで普通に暮らせるんだ」という感想が一番多かった。どうも認知症=施設入所か精神病院、という刷りこみがあるようです。私は多くの在宅患者さんを診ていますが大半が認知症がらみです。末期がんの方も診ていますが平均在宅期間は1.5ケ月で、一方認知症の療養期間は年単位に及びますから、必然的に在宅医療≒認知症医療となります。世間には様々な情報が溢れていますが、市民が今、一番知りたいのは認知症介護です。さらに「在宅看取りについてもっと詳しく知りたい」という声も沢山寄せられました。
 番組映像では女性が呼吸停止してから私が駆けつけていました。旅立ちの瞬間に私はその場にいませんでしたが、死亡診断書を書きました。医師法20条によると主治医が定期的に診ていていれば亡くなった後に家に行き体表面に異状が無いことを確認すれば、死亡診断書を書けます。記入する死亡時間とは医者が家に到着した時刻ではなく、患者さんの呼吸が停止した(と推定される)だいたいの時刻です。一人暮らしの方であれば、朝一番に毎日のヘルパーさんが入った時に布団の中で亡くなっていることを見つけたら、連絡を受けた私が駆けつけて死亡診断書を書くようなことも時々あります。

 在宅医療はいいものだが最期(看取り)が怖い、という声をよく聞きます。怖いというのはもしかしたら警察沙汰になるかもしれないという不安でしょう。実際、死亡から時間が経過して救急車を呼ぶと自動的に警察が呼ばれて検死になります。 “かりつけ医”がいないため検死になるケース(孤独死)も増えています。一方、往診もしてくれる“かかりつけ医”がいれば、警察とは無縁の平穏死になります。つまり平穏死と孤独死は紙一重なのです。だから特にひとり暮らしの方は、つどい場さくらやんではありませんが、イザという時のためにも、普段からのご近所付き合いを大切にしてください。
(本シリーズは終了)
 
キーワード 医師法20条
昭和24年に施行された診断書や処方箋の発行に関する法律。医師は自ら診察をすれば診断書や処方箋を発行できるという内容で死亡診断書も含まれる。しかし在宅看取り=警察に通報、という誤解が根強いので政府は誤解しない旨の通達を平成24年に出している。
 
 

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

昨日 久しぶりに 友達に会いました
彼女も看護師です
市内を見渡して…
どこのクリニックも病棟を閉鎖して 外来のみです
どこのクリニックも世代交代で 2代目が 後を継いでいます

1、彼女の勤めている先生は 往診に行ってくださいますか?
…と尋ねたら 「往診してるよ」との返答でした
2、どこのケアマネさんが多い?
…と尋ねたら 「◯◯居宅事業所よ〜」…
◯◯居宅事業所からの訪問看護の依頼はあるものの 彼女が勤めている先生から訪問看護指示書をいただいての依頼は うちのステーションでは 一度もありません
3、看取りをしてくださる先生ですか?
…と尋ねたら 「看取りは やらないよ…夜中に 先生が 往診に行くわけないし 死亡確認に行かないから
何かあれば 市民病院か施設だね…」ということだった

このような先生が 非常に多いです
在宅療養を支える先生が増えないと ホントに 2025年パンクしちゃいます
先生方のお考えを ほんの少し考えるだけでいいんですけど…

治療が必要な方は 全力で治療してください
入院したい・施設に入りたいとご希望されている方は ぜひ 入院 施設入所してください

おうちで 最期まで 自分らしく お暮らしになりたい方に 治療は入りません
呼吸が苦しければ 苦しくないようにしてください
痛みがあれば 痛みをとってください
暮らしを支える看護は 私たちに任せてください
24時間緊急体制を とっているので 何か困ったことがあれば 第一コールは うちのステーションでいいです
あらかじめ お亡くなりなった時の体制を きちんと打ち合わせしましょう
もちろん ご家族にも 説明させていただいています
実際に ご家族だけで看取ることも多いです
私たちたちが 駆けつけた時には 息を引き取られていることも少なくないです
ぶっちゃけた話 亡くなる間際に 先生をお呼びになっても やることはありません
お亡くなりに なったのが 夜中で 往診が無理なら 朝も死亡確認でも構いません
私は 「先生が 朝 来ます
大事なお時間をご家族で過ごしてくださいね」と おうちにあるアイスノンをお腹に載せて 帰って来ます

昨年の話…
うちの新人が 「急変です」と先生と私に連絡し 先に 駆けつけた先生が アンビューしていました
私は 目が点!
94歳 末期がんの寝たきり 糖尿病壊死もあり… 蘇生はしないはずだったのでは〜?
やっぱり 在宅看取りに対して ご理解がないのです
最期まで人の命を救うことが使命なんでしょうね

ぜひ もう一歩 踏み込んで …
生命って なんだろう?
自分らしく生きるって なんだろう?
って考えていただきたいな…なんて 思っています

訪問看護師が がんばります
でも 看取ってくださる先生がいない…

本当に困った

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年05月17日 10:20 | 返信

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