女性漫才コンビの代表格だった「今いくよ・くるよ」の今いくよ(いま・いくよ、本名里谷正子〈さとや・まさこ〉)さんが、28日午後5時58分、胃がんのため大阪府内の病院で死去した。67歳だった。昨年9月に胃がんが見つかったが12月に復帰、闘病しながら活動を続けていた。通夜、葬儀は近親者のみで営まれる。後日、お別れの会を大阪市内で開く。

 いくよさんは京都市出身。高校時代のソフトボール部のチームメートだったくるよさんに誘われてお笑いの道に進み、70年に今喜多代(いまきたよ)さんに弟子入りした。80年代の漫才ブームでは貴重な女性コンビとして人気を集め、84年には上方漫才大賞、86年に上方お笑い大賞を受賞。細身の体と濃いメイクでおなじみで「どやさ!」のギャグを持つ相方のくるよさんとのコンビネーションで笑わせ、テレビやラジオの番組でも親しまれた。

 胃がんによる入院を経て、昨年12月3日に京都の劇場で復帰。「がんとは長いお付き合い。今まで彼氏と付き合った期間よりも長いですよ。何年かかるかわからない」と笑いにくるみつつ、治療と活動を両立させる意思を語っていた。

 最後の舞台となったのは今月11日の大阪・なんばグランド花月。最期をみとり、29日に京都市内であった通夜に参列したくるよさんは「ありがとう、本当にありがとう。日本一の相方とやってこられて、私ホンマに幸せです。真っすぐに天国に行ってほしい。素晴らしい人でした」と涙ながらに話した。(篠塚健一)