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介護業者の倒産が増加

2015年06月05日(金)

介護報酬減額の影響で介護業者の倒産が過去最高のペースで増えている。
しかし大規模ではなく小規模事業者が潰れているのだが市民への影響は?
薬局も農業も小規模経営の基盤が弱いが、これからどうすればいいのか。
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昨年の集合住宅への訪問診療減額時も、廃業した在宅専門クリニックがあった。
今も不満を言う医者は時々いるが大きな影響が出たという話はあまり聞かない。

果たして、今春の介護業者はどうなのか?
このままでいいわけは無い。

では、本当にどうすべきなのか。
この問題のほうが大切だと思う。

なぜなら、その余波は我々にも来るから。
結局、患者さんにさんにとっては幸せののか?

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「老人福祉・介護事業」の倒産が過去最多ペースに』
 2015-06-04
 http://www.caretomo.com/carenews/4849


2015年1~4月の「老人福祉・介護事業」の倒産状況
各種調査事業やデータベース事業などを手がける株式会社東京商工リサーチは、2015年1~4月の「老人福祉・介護事業」の倒産状況を発表した。

調査対象の「老人福祉・介護事業」には、有料老人ホームや通所・短期入所介護事業、訪問介護事業なども含まれている。

前年同期より6割増
介護関連事業は、慢性的な人手不足に加え、他産業からの新規参入も加わり競争が激化しているのが現状だ。

そのようななか、2015年1~4月の「老人福祉・介護事業」の倒産は、前年同期の19件から6割増の31件となっており、介護保険法が施行された2000年以降では過去最多のペースで推移している。

この数字は全体の企業倒産が低水準に抑制されているなかで著しい増加を見せているといえる。また、負債総額も前年同期比で21.3%増の34億3300万円となった。

設立5年以内の事業者の倒産が6割を数える
しかし、負債10億円以上の大型倒産がゼロだったのに対し、負債5000万円未満が前年同期比110%増の21件と倍増しており、小規模企業の倒産が目立つ結果に。


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医療タイムス5月号   介護施設報酬減額の余波    長尾和宏
 

 今春の介護報酬改定は介護事業者のみならず、在宅医療に関わる町医者にも少なからず影響を与えている。
 町医者にも、グループホームやサ高住や小規模多機能などから在宅主治医を依頼されることが増えてきた。定期的に訪問して感じることは、介護職員の不足だ。人数が足りないだけではなく、入れ替わりが激しい。行く毎に職員の顔が変わっている。そして無資格の素人が当直をしているので、介護現場は大変なことになっている。

 まずは身体抑制の増加だ。「抑制は良くない」という知識すらないと思える素人が抑制を行っている。もちろん良くないことを話すが、知識が無いためか理解ができない。「家族に承諾書を取っています」と言い訳するがそんな問題ではない。移動という尊厳、という基本概念が介護教育の中に無いのか、人間を閉じ込めたり縛ったりすることに抵抗を感じない介護者がいる。ユマニチュードやパーソンセンタードケアについて聞くが、なんのことか分からないという。どこから教えたらいいのか分からない、という現状だ。もっとも営利企業の上層部にもそうした理解が無いこともあり、問題の根は深い。

 介護施設での看取りが謳われているが、看取りまでの様々な変化を受け止められない介護スタッフが増加している。熱が出た、食べられない、苦しそうだという電話が頻回にかかってきて往診要請が増加している。特に夜間は、素人のスタッフが診ている場合は、不安で不安でたまらないようだ。「私の不安を取るためにとにかく来てください」と過換気症候群に陥った当直職員が深夜に電話を何回もかけてくるのでこちらは眠れない。介護報酬減額の余波が、在宅医の疲弊につながらないかを危惧している。

 地元で「医療と介護の連携の会(尼から連携の会)」なるものを定期的に開催しているが、肝心の新米介護スタッフがそこに来る余裕は無い。また来たとしても、看取りまでの様々な知識を理解するには、たった1時間や2時間では到底無理だ。「エンドオブライフ・ケアの大半がスピリチュアルケアにある」と考えるが、そうしたちゃんとした教育を誰がどこで行うのか、いい答えは無い。地域包括ケアの掛け声はいいのだが、肝心の各論を身につけるための方策が圧倒的に不足している。実は、これは介護職に限った話ではない。医師や看護師の中でも、患者さんの心の叫び、死への恐怖を受け止められないスタッフが増えている。患者さんの思いと食い違うと医療不信に、介護では虐待になってしまう。

 緩和ケアという概念は30年前からあるが、四半世紀以上経っても充分に普及していない。がんと診断された時からの緩和ケア、そしてがん以外のすべての病で苦しむ人のための緩和ケア、緩和ケア病棟以外の特に在宅における緩和ケアという言葉はあるが、実態としてはまだまだ貧弱である。早急に本格的な教育体制の整備が望まれる。

 おりしも、めぐみ在宅クリニックの小澤竹俊先生や北里大学の小野沢滋先生たちが発起人となり「一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会」が設立された。2025年問題に対応できる現場スタッフの養成が目的である。一人でも多くの医療・介護者が具体的・実践的なエンドオブライフ・ケア研修を受け、スキルアップすることを願っている。

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この記事へのコメント

”平成27年介護保険改正と介護支援専門員のこれから”と題する研修会が、5月30日にマーチャンダイズマートで、有りました。
私も参加しようと、6000円を払ったのですけど、母が「不安だから出かけないでくれ」と言うので欠席しました。
直ぐパンフレットを送って頂いたので、サッと斜め読みしました。
厚生労働省老健局のいう事は、何だか宗教的な自己啓発セミナーみたいな檄を飛ばした弁論で「とにかく財政難だ。利用者に、なるべく介護保険のサービスを使わせずに、(無資格の)ボランティアを使って貰うように工夫せい!」と書いて有りました。
読み終わって、暗い気持ちになって、母が「行かないでくれ」と言ってくれて良かったと思いました。
他のケアマネジャーはどうするのかな。
やっぱり資格の無い素人に預けると言うのは頂けません。プライバシーだって筒抜けになります。
平気で利用者さんの噂話をされたら、たまったものじゃない。
介護保険は「雇用創出」というテーマもあったのに、なりふり構わずというところです。
せめてこれまで努力してきた介護業者とその中で働く人達は守りたいです。

Posted by 匿名 at 2015年06月05日 03:42 | 返信

わたしのお気に入りの デイサービス 2箇所 この4月に 閉鎖になっちゃいました
いずれも 小規模ディサービスです
受け入れ人数が 5,6人で家族的な雰囲気で ボーっとしてる人はいません
こんな素敵なディサービスが なくなってしまい とても残念です
採算が取れないようです

今回の改正は 実に 小さな事業所には 厳しい改正だったと思います

先日 日本訪問看護協会での研修の中で
看護小規模多機能型居宅介護の話があり とても 興味深い内容ですが
実際に やってみようという勇気がでません
こんなに 保険制度が コロコロ 変わってしまうと ハコモノを作って 借金を抱え 本来の看護がグラついてしまうのもどうかと思ってしまいます

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年06月06日 12:45 | 返信

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