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酒は半酔い、というが・・・

2015年06月08日(月)

昨日の産経新聞の連載は、お酒について書いた。
いつもベロンベロンになるまで飲んでいるのに書いた。
なかなか貝原益軒のようにはいかないが少しは気をつけたい。
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産経新聞・平成養生訓シリーズ第3回  益軒も愛したお酒
                   酒は半酔いにのめば長生の薬
 
 意外に思われるかもしれませんが、貝原益軒も相当な酒好きであったようです。というのも、養生訓第4巻の冒頭に「酒は天の美禄なり」と酒の魅惑を説いています。益軒は自分の出身地である筑前の長寿者を対象に飲酒の有無の調査を行いました。結果は、10人中9人が酒を飲まない人でした。この結果にも関わらず益軒は飲酒を否定しないどころか、おそらく自身の経験からでしょうか、上手な飲酒法を説いているのです。

 日本人の飲酒量は増加の一途ですが欧米に比べると多くはありません。しかし日本人は、アルコールを分解する酵素が無いか少ない人が大半です。下戸の人はまず飲みませんが、一番危ないのは少し飲めるという人です。コップ1杯で顔が赤くなる人(フラッシャーといいます)です。実は私もその一人。成人式の日に生まれて初めての大酒を飲み、意識を失いました。大学に入るとクラブの先輩に勧められるまま飲酒。意識朦朧になり嘔吐しながらもまた飲む、という生活を6年間も続けているうちに、アラ不思議、少々のお酒なら結構飲めるようになりました。医師になってから現在まで幸いにも仕事や当直があるので毎晩は飲めないのですが、どうもそれが幸いしています。私は気が小さくストレスに弱い性格なのでもし毎晩飲めるならば、きっとアルコール依存症になっていたことでしょう。そしてもしタバコも吸っていたら、有名芸能人のように50代で食道がんになっていたことでしょう。あるいは、肝硬変になって50歳前後で命が無かったでしょう。
 さて、C型肝炎ウイルスが発見されて約30年が経過しました。当初は難病のような扱いだったC型肝炎はこの夏から治癒率がほぼ100%いう飲み薬が登場して保険適応になりつつある現在、ほぼ克服可能な病気となりました。肝臓病領域で残っている課題といえは、B型肝炎や特殊な肝炎や肝臓がん、そしてアルコール性肝炎になります。アルコール依存症はあまり目立ちませんが、結構おられます。毎晩の晩酌習慣がアルコール依存症への入り口だと言われています。やはり休肝日を設けることが大切です。どうしてもそれができないのであれば既に立派な依存症ですので、専門医によるアルコール依存症の治療を受けてください。最近、いい抗酒薬が出ています。

 益軒は大酒の害を戒めながら「酒は半酔いにのめば長生の薬」と説きました。高木敏先生の研究によると、少量飲酒のグループは大量飲酒や禁酒のグループより死亡率が低く、グラフを描くと中央がへこんで(死亡率が下がること)U字形になっています。その「少量」とは人によって多少違うかと思います。すなわちアルコールを分解する酵素の量は遺伝的に決まっているので一概には言いにくいと個人的に思います。医学的には日本酒1合かビール1本程度といわれています。一方、大酒の害は肝臓にとどまらず、脳の萎縮や認知症、膵炎、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に及びます。さらに男性ホルモンを低下させ、性機能の衰えが早くなります。また、度数の高いお酒は胃袋や食道の粘膜を傷つけ、胃潰瘍や食道がんの発生と大きく関わっています。そこで水割りなどの薄めて飲む飲み方は悪くありません。少量のお酒はストレスを減らし気を養い動脈硬化にもプラスです。
 
 
キーワード  抗酒薬
アルコール依存症の断酒維持のための薬物療法として抗酒薬(ジスルフィラム・シアナミド)と飲酒欲求を減らす薬(アカンプロサート)がある。抗酒薬は飲酒後の不快反応を利用して心理的に飲酒を断つ。

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この記事へのコメント

大変、参考になりました。
私は休肝日を作れない性格なので、抗酒薬でも、頂かないとダメかもしれません。

Posted by にゃんにゃん at 2015年06月08日 04:10 | 返信

過去、休肝日を設けたことは、一度もありません。
痛風を契機に、飲酒を休んでいるうちに、いつの間にか、酒の味が思い出せなくなりました。
68kgから55kg、55kgから48kgへと、2段階で極端・病的?に体重減少が進んでいます。
テレビでは、さすがにタバコの宣伝はないが、
アルコールとグルメ、保険とスマホのバカ宣伝には、ほとほと参っています。
とくにアルコールのコマーシャルには、こちらが、悪酔いしそうです。
ある大きな病院で、敷地の一角の小屋を覗くと、白衣の天使と医師たちでぎっしり、
煙をもうもうとたてていたのを思い出してしまいました。
記者会見時の、安倍首相の「上気したお顔」を拝見するたびに、
アルコールやグルメの、テレビタレントさまたちの、あの「あほ顔」を思い出してしまいます。
今でも、飲めないわけではありません。ひとの「美酒」にケチをつけたくもありません。
ただ、悪魔の誘惑にも、だいぶ慣れてきました。
「早期発見・早期治療」「さあー、お医者さんに行こう」のささやきのなか、
ゆとり、ゆらぎのある抗ストレス・セロトニンに、ゆったり、浸りたいものです。

Posted by 鍵山いさお at 2015年06月08日 07:11 | 返信

確かに、一週間のうち6日は飲んで、一日休むって、難しいですね。
アメリカはアルコール中毒大国で、専門の病院も多数あるとか。wine & roses の世界です。
嗜癖というか、依存症であるからには、きっぱり止めないと、止まらない質の人間もいるのでしょう。
私の場合も体重は増えて、その為に、腰痛と膝痛が治らないし胃腸外科で「脂肪肝」と言われているのでこれは真面目に考えなくちゃいけないのでしょう。
酒屋の息子は毎週やって来て「お酒を買ってくれ!買ってくれ!」とうるさいです。「私は脂肪肝と言われているのでやめたい」と言うと「客が脂肪肝であろうと血糖値が高かろうと、うちの店には何の関係もない!」と、シレッと言うのです。酒屋のお父さんの代の時は大人しい、押し売りしない人だったのに、息子の代になると「自己啓発セミナー」とやらを受けて来て積極的に押し売りします。
最近は、ガソリンスタンドの従業員も、プレハブの会社の社員も皆、自己啓発セミナーを受けて、「売上げ!売上げ!」とうるさい時代になりました。
私は車を運転しないと生活に支障が出るので、昼間は絶対に飲まないので、「アル中」との自覚は無かったです。

Posted by にゃんにゃん at 2015年06月09日 11:48 | 返信

なでしこの第一戦。
相手GKと激突した安藤が心配です。
ほっぺたをややふらませ、すうっと息を吐く。静かに息が入り、ボールをゆっくり転がした宮間。
ゴールしたあとも、落ち着いていましたね。
セロトニン状態から、オキシトシン状態か。
観衆は、ドーパミン状態。

Posted by 鍵山いさお at 2015年06月10日 12:03 | 返信

長尾先生みたいにお酒を飲むと、お顔が赤くなる人は(まあ相当量のお酒を飲むとなのでしょうけど)食道がんに気を付けた方が良いと、Biglobeのニュースに載ってました。

Posted by にゃんにゃん at 2015年06月29日 12:53 | 返信

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