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訪問看護師さん、いらしゃい!
2015年07月23日(木)
今月、3人の訪問看護師さんが入職した。
2人の新人MSWさんと併せて5人の歓迎会をやった。
当法人では訪問看護師さんをまだまだ募集しています。
2人の新人MSWさんと併せて5人の歓迎会をやった。
当法人では訪問看護師さんをまだまだ募集しています。
当法人には、3つの訪問看護チームがある。
全部で25~30人の看護師さんが訪問看護に従事している。
・訪問看護ステーション ゆうゆう
・訪問看護ステーション かがやき
・訪問看護チーム なでしこ
病院を辞めて来てくれた新人看護師さんたちに感謝した。
まだまだ募集中なので、たくさんの人に来て欲しい!!
一方、世間では、潰れる訪問看護ステーションが増えているというニュース。
実は、訪問看護ステーションの経営は結構難しいのだ。
『開設早々潰れる訪問看護ステーション急増の理由』
2015/7/22 多江和晃
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/anursing/tae/201507/543092.html
2015年度介護報酬改定の影響が反映された4月分の報酬が、6月23日前後に各医療機関や企業に入金された。今改定の影響を大きく受けた小規模デイサービス(通所介護事業所)については、月間の倒産・廃止がともに過去最高になったと、メディアにも取り上げられた。一方の訪問看護については、減額になったとはいえ、加算をうまく算定できさえすれば、今改定が経営に与える影響は軽微だったように思われる(当社は年間1200万円くらいの減収になったが……。その経緯は前回連載参照)。
にもかかわらず、実は訪問看護業界においても、ここ最近、事業所の廃止が増えているという。実際、当社の周辺地域でも、ここ2カ月ほどで4つのステーションが閉鎖した。いずれも、職員数が5、6人の小規模事業所である。事業所の廃止が増えている背景は一概には言えないが、次に挙げる2つの要因が主に関与していると私はみている。
一つは、訪問看護事業所の開設斡旋会社の存在である。
国が、訪問看護を在宅の要と位置づけていることもあって、高齢者ビジネスにおける訪問看護の存在価値が増している。報酬上も評価されており、そこに目を付けた企業が「斡旋会社」を名乗り、新規参入する企業に対し「訪問看護のノウハウや立ち上げ支援を行いますよ」と誘うのである。
その内容は、「指定申請の代行」「帳票類のノウハウ」「業務フロー」「教育研修」と多岐にわたるようで、最も肝心な人材確保以外の全てを支援するようなものであると聞く。お金が余っていて、これまで医療系サービスとは無縁だった企業に対し、「訪問看護はまだまだ需要があり、伸びますよ」「儲かりますよ」と誘い、ステーションを立ち上げさせているようだ。儲かっている企業からすれば、1~2億円の投資は安いものである。
斡旋会社は、立ち上げのノウハウを教える名目で契約企業から加盟金を徴収する。ただし、開設に際してスタッフが集まらなくても、それは「支援会社の責任や問題ではない」という契約を最初に結んでいるようだ。そのため、仮に人繰りの面で事業所がオープンできなくても、加盟金は返金されないケースが大半であると聞く。
このようなやり方は、一経営者、一医療者の立場から見て気持ちのいいものではないが、違法ではないし、ビジネスとしてみれば問題ない。加盟した側の自己責任だとも言える。問題なのは、そうしたビジネスに乗っかって「儲かるから」という動機で訪問看護業界に安易に入ってくる企業が存在することだ。
新規参入企業の経営者の中には、医療の専門職である看護師を集め、彼らに業務を任せさえすれば、訪問看護事業を大きくしていけると考える人もいるが、大きな勘違いである。そもそも、多くの看護師は、経営やリーダーシップ、人心掌握術などマネジメントについて十分学んでいない。その上、看護という狭い世界で生きているからか、「看護のことは看護師にしか理解できない」と言い、経営者と同じ方向を向こうとしない傾向がある。つまり、経営者との間で軋轢が生じやすい職種なのだ。そうした傾向を理解せず、とりあえず看護師を集め、経験もろくにない看護師に管理者を任せてステーションを開設すれば、早期に潰れるのも無理はない。
二つ目の要因は、看護教育にあると私は考えている。卒前教育で在宅看護論を教えている教員自身が、訪問看護の現場を十分経験していないことが少なくない。そのため、訪問看護の「今」や訪問看護師の「生の声」が正しく教育の場に伝わっているように思えない。結果として、新卒も含め訪問看護師のなり手が一向に増えない、もしくはなってもすぐに辞めてしまう一因となっているのではないかと考える。我々のような30代の事業者を教育の場でうまく活用してもらい、学生のうちから訪問看護の魅力を伝えていく必要がある。
「看護師に任せきり」ではうまくいかない
少々話は飛ぶが、医療関係者(特に病院から外に出たことがない人)の多くは、世間知らずだ。これは何も、病院に勤務する医療者個々人に対する悪口ではない。あえて言うなら、そういう人を生み出すような環境が悪い。病院という職場は概して閉鎖的で、医療関係者は医療関係者同士のつながりさえあれば、仕事ができてしまう場合が大半だ。そのため、一般社会の常識を知らないことが多いと感じる。「自分の身の回りのよく会う人の中に、他業界で仕事をしている親しい友人が10人以上いますか?」という質問に、自信を持って手を挙げられる看護師は案外少ないのではないだろうか。
病院での臨床経験しかない看護師の多くは、訪問看護を「おうちに行って看護やリハビリをするんでしょ?」という程度のイメージでしか捉えていない。しかし実際は違う。利用者の「生活を守るため」に存在し、自分たちのそうした役割を地域に対してアピールしたり、訪問エリアの街づくりに積極的に貢献していくことが、在宅専門職の「真の仕事」だと当社では教えている。だから、「看護しかできません」という視野の狭い人にはなかなか務まらない。当社の職員も大半は、病院から在宅の現場に移って来た、いわば「新卒在宅専門職」。当然、彼らには会社組織人としてのルールや心構えを馴染ませるための社会人研修が欠かせず、当社では新入社員研修を特に力を入れて行っている。
訪問看護事業を行う場合、本来は看護師のこうした特性を十分理解した上で行わなければうまくいかない。立ち上げ間もない、しかも医療関係者でない人間がトップにいるような企業が、雇用した看護師をうまく束ねられず、空中分解してしまうのも無理はない。結果として迷惑がかかるのは、地域の利用者である。訪問看護業界に参入する企業に対しては、生半可な気持ちで関わってほしくないと言いたいし、一方で、訪問看護への転職を考えている看護師の皆さんには、在宅の現場で働く専門職の役割や存在価値をしっかり教えてもらえるような、開設5年以上の事業者を選んで就職することをお勧めしたい。
全部で25~30人の看護師さんが訪問看護に従事している。
・訪問看護ステーション ゆうゆう
・訪問看護ステーション かがやき
・訪問看護チーム なでしこ
病院を辞めて来てくれた新人看護師さんたちに感謝した。
まだまだ募集中なので、たくさんの人に来て欲しい!!
一方、世間では、潰れる訪問看護ステーションが増えているというニュース。
実は、訪問看護ステーションの経営は結構難しいのだ。
『開設早々潰れる訪問看護ステーション急増の理由』
2015/7/22 多江和晃
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/anursing/tae/201507/543092.html
2015年度介護報酬改定の影響が反映された4月分の報酬が、6月23日前後に各医療機関や企業に入金された。今改定の影響を大きく受けた小規模デイサービス(通所介護事業所)については、月間の倒産・廃止がともに過去最高になったと、メディアにも取り上げられた。一方の訪問看護については、減額になったとはいえ、加算をうまく算定できさえすれば、今改定が経営に与える影響は軽微だったように思われる(当社は年間1200万円くらいの減収になったが……。その経緯は前回連載参照)。
にもかかわらず、実は訪問看護業界においても、ここ最近、事業所の廃止が増えているという。実際、当社の周辺地域でも、ここ2カ月ほどで4つのステーションが閉鎖した。いずれも、職員数が5、6人の小規模事業所である。事業所の廃止が増えている背景は一概には言えないが、次に挙げる2つの要因が主に関与していると私はみている。
一つは、訪問看護事業所の開設斡旋会社の存在である。
国が、訪問看護を在宅の要と位置づけていることもあって、高齢者ビジネスにおける訪問看護の存在価値が増している。報酬上も評価されており、そこに目を付けた企業が「斡旋会社」を名乗り、新規参入する企業に対し「訪問看護のノウハウや立ち上げ支援を行いますよ」と誘うのである。
その内容は、「指定申請の代行」「帳票類のノウハウ」「業務フロー」「教育研修」と多岐にわたるようで、最も肝心な人材確保以外の全てを支援するようなものであると聞く。お金が余っていて、これまで医療系サービスとは無縁だった企業に対し、「訪問看護はまだまだ需要があり、伸びますよ」「儲かりますよ」と誘い、ステーションを立ち上げさせているようだ。儲かっている企業からすれば、1~2億円の投資は安いものである。
斡旋会社は、立ち上げのノウハウを教える名目で契約企業から加盟金を徴収する。ただし、開設に際してスタッフが集まらなくても、それは「支援会社の責任や問題ではない」という契約を最初に結んでいるようだ。そのため、仮に人繰りの面で事業所がオープンできなくても、加盟金は返金されないケースが大半であると聞く。
このようなやり方は、一経営者、一医療者の立場から見て気持ちのいいものではないが、違法ではないし、ビジネスとしてみれば問題ない。加盟した側の自己責任だとも言える。問題なのは、そうしたビジネスに乗っかって「儲かるから」という動機で訪問看護業界に安易に入ってくる企業が存在することだ。
新規参入企業の経営者の中には、医療の専門職である看護師を集め、彼らに業務を任せさえすれば、訪問看護事業を大きくしていけると考える人もいるが、大きな勘違いである。そもそも、多くの看護師は、経営やリーダーシップ、人心掌握術などマネジメントについて十分学んでいない。その上、看護という狭い世界で生きているからか、「看護のことは看護師にしか理解できない」と言い、経営者と同じ方向を向こうとしない傾向がある。つまり、経営者との間で軋轢が生じやすい職種なのだ。そうした傾向を理解せず、とりあえず看護師を集め、経験もろくにない看護師に管理者を任せてステーションを開設すれば、早期に潰れるのも無理はない。
二つ目の要因は、看護教育にあると私は考えている。卒前教育で在宅看護論を教えている教員自身が、訪問看護の現場を十分経験していないことが少なくない。そのため、訪問看護の「今」や訪問看護師の「生の声」が正しく教育の場に伝わっているように思えない。結果として、新卒も含め訪問看護師のなり手が一向に増えない、もしくはなってもすぐに辞めてしまう一因となっているのではないかと考える。我々のような30代の事業者を教育の場でうまく活用してもらい、学生のうちから訪問看護の魅力を伝えていく必要がある。
「看護師に任せきり」ではうまくいかない
少々話は飛ぶが、医療関係者(特に病院から外に出たことがない人)の多くは、世間知らずだ。これは何も、病院に勤務する医療者個々人に対する悪口ではない。あえて言うなら、そういう人を生み出すような環境が悪い。病院という職場は概して閉鎖的で、医療関係者は医療関係者同士のつながりさえあれば、仕事ができてしまう場合が大半だ。そのため、一般社会の常識を知らないことが多いと感じる。「自分の身の回りのよく会う人の中に、他業界で仕事をしている親しい友人が10人以上いますか?」という質問に、自信を持って手を挙げられる看護師は案外少ないのではないだろうか。
病院での臨床経験しかない看護師の多くは、訪問看護を「おうちに行って看護やリハビリをするんでしょ?」という程度のイメージでしか捉えていない。しかし実際は違う。利用者の「生活を守るため」に存在し、自分たちのそうした役割を地域に対してアピールしたり、訪問エリアの街づくりに積極的に貢献していくことが、在宅専門職の「真の仕事」だと当社では教えている。だから、「看護しかできません」という視野の狭い人にはなかなか務まらない。当社の職員も大半は、病院から在宅の現場に移って来た、いわば「新卒在宅専門職」。当然、彼らには会社組織人としてのルールや心構えを馴染ませるための社会人研修が欠かせず、当社では新入社員研修を特に力を入れて行っている。
訪問看護事業を行う場合、本来は看護師のこうした特性を十分理解した上で行わなければうまくいかない。立ち上げ間もない、しかも医療関係者でない人間がトップにいるような企業が、雇用した看護師をうまく束ねられず、空中分解してしまうのも無理はない。結果として迷惑がかかるのは、地域の利用者である。訪問看護業界に参入する企業に対しては、生半可な気持ちで関わってほしくないと言いたいし、一方で、訪問看護への転職を考えている看護師の皆さんには、在宅の現場で働く専門職の役割や存在価値をしっかり教えてもらえるような、開設5年以上の事業者を選んで就職することをお勧めしたい。
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この記事へのコメント
「訪問看護 儲かりまっせ〜」…いやいや 儲かりませんよ
しがらみ 多くて たいへんです
私事ですが…
もともと 事務屋からスタートして 准看護師→正看護師と資格を取り 何を考えたのか 訪問看護ステーションを立ち上げて 三年経ちました
自分の思うところの看護を追求してみたかったんです
ともかく お金がないから 行政書士さんにお願いせずに 法務局相談室に通って 自分で会社を作って そこから 県に通い 訪問看護ステーションを作り… 税理士さんに 頼まず 3期までの決算は 自分で税務署に行って 申告してました
会社の仕組みもわかったし 世の中の仕組みも勉強できました
今は どうしたら 在宅看取りができるのかと 悩んでいます
この仕事…
看護が 好きでなきゃ やれないです
在宅こそが 最先端 看護だと思っています
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年07月23日 11:16 | 返信
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