誰でも目先にお金が気になる。
年金生活者には、数百円でもきつい。

真っ先に切られるのが、医師の訪問や訪問看護。
一方、デイサービスは切られにくい。

目先の数千円を惜しんだばかりに、命を失う人があとを絶たない。
在宅医療で順調に行っていたのに、ある日、経済的理由で突然断られる。

半年後に電話があって駆けつけたらアラ手遅れ、なんてことも。
家族がそれで満足ならまだしも、大きな後悔が残る場合がある。

人間とは不思議なもの。

生きている間の１０円、１００円に文句を言う人でも
死んでからの１０万、１００万円は、平気で使う。

生身の人間と仏様に払うお金はだいたい
一桁ないし二桁違うことが多いのだ。

医療者としては、ああ、生きているうちに使ってあげればいいのに、と思うが
本人の財産にすがって生きている子供や家族は、目の前の１００円に必死になる。

国も、こんな中途半端なことをせずに、もっと筋の通ったことをやるべきだ。

１）在宅医療の自己負担は、年齢無関係にオール１万円ポッキリのパック料金。
　　訪問看護もすべてその中に含める。
２）介護保険の自己負担も、１～２万円までは１割負担に抑えて超過分を２割に。
　　介護認定調査を簡素化して浮いた何千億円を、それに充当する。

そうすると、どんな人でも、医療介護オール込みで、月２～３万円に収まる。
その前提として、包括制導入が必要となる。

いずれにせよ、どんなにお金持ちでも、お金はあの世に持っていけない。
ならば葬儀屋さんに払う１割でも医療や介護に使ったほうがいいのでは。

いろんな考えがあるのだろうが、
”残念な患者さん”が結構、おられる。


ＰＳ）
そういえば「医者のかかり方」の本が出た。→こちら
こちらは、まだ売り切れになっていないのでネットで買えます。