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元アイドル、突然の母親介護生活

2015年08月31日(月)

横浜に来ると、何故か知人から「突然の介護生活」の相談電話が鳴るジンクスがある。
今回も、2人の医師から自分の親の介護、ないし療養の場所に関する相談があった。
元アイドルの新田恵利さんも母親の介護生活に悩まれているという。
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40~60台は、今後、突然親の介護に迫られる可能性が充分ある。
病院に入院しても、しても、2週間後には出なければならない。

だから介護の基礎知識を持っておかねばならない。
しかし医師といえども、介護に関する知識はゼロ。

医師からの、親の胃ろうの相談も多い。
拙書、「胃ろうという選択、しない選択」を読んでくれと言っても読まない。

「そんな暇暇無いので、結論だけ教えてくれ」と。
そんな簡単な問題ではないので、本を書いたのだが・・・

とにかく拙書を、読んで欲しい。
困っている人の役に立つために本を書いている。
(印税は、全額、福島県相馬市の震災孤児に寄付している)

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

『突然の母親介護生活…心の準備なく 家族と奮闘』
 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=118471

「ブログに母のことを書くと、読者の方からアドバイスを頂いたり、励まされたり。たくさんの人に支えられていると感じます」(横浜市で)=栗原怜里撮影
 タレントの新田恵利さん(47)は、骨粗しょう症のため寝たきりになった母、ひで子さん(86)を自宅で介護しています。

 介護は予想外の形で始まり、何もわからずに苦労したといい、「親が元気なうちに、少しでも準備しておけばよかった」と振り返ります。

圧迫骨折

 母とは神奈川県内の2世帯住宅で同居しています。母は約20年前、骨粗しょう症による背骨の圧迫骨折を起こし、その後も数年ごとに圧迫骨折を繰り返しています。最初はその度に入院していましたが、1週間ほど安静にすれば痛みが収まり、元の生活に戻れるので、最近は自宅で様子を見るようにしていました。

 ところが昨年9月、5回目の圧迫骨折を起こした母がひどい痛みを訴えて、自分から「入院したい」と言い出した。

 入院して10日を過ぎた頃から、母の言動がおかしくなってきたんです。「なんで恵利が政治の番組に出ているの」と、私が出演していない番組の名前を出して聞いてくる。あれ、と思っているうちに、今度は30年前に他界した父のことを「お父さんは家で何をしているかしら」と。まずい、このままでは母が認知症になってしまうと考え、早めに退院することにしました。

 10月初めの退院の日、母をタクシーに乗せようとすると、母が車いすから立ち上がれないのです。リハビリもしていると聞いていたのに、どうして?とショックでした。

 何とかタクシーに乗せて帰宅すると、東京に住む兄が私の自宅で迎えてくれました。でも、兄も歩けない母を見てびっくり。入院前までは普通に歩いていたんですから。

 兄が母をタクシーから家の中まで連れて行こうとしましたが、どこをどう支えたらいいのかも分かりません。ようやくベッドに母を寝かせるまでに、兄は汗びっしょりになっていました。

 介護が必要になるとは思ってもいなかったので、介護ベッドなど用意していません。しかも、母は骨粗しょう症で背骨が痛いので、柔らかめのベッドを使っていました。母のおしめを替えるのも初めて。柔らかいベッドから転落しないよう片手で母の体を支えながら、もう片方の手でおしめを交換しました。私も汗びっしょりです。

 どこに相談すればいいのか全く分からず、とりあえず役所の福祉課に電話すると、「地域包括支援センター」を教えられました。早速連絡すると、翌日の午前中にケアマネジャーさんが来て、てきぱきと手配を進めてくれました。母は要介護4と認定され、居間に介護ベッドを設置しました。

兄と夫と

 その後、独身の兄が2世帯住宅の母の部屋に住み込み、兄と夫と3人で手分けして、介護を続けている。

 兄は飲食店勤務で、夕方からの仕事なので、私が昼間に仕事がある日は母の世話を頼んでいます。夜中のおしめ交換も、隣の部屋で寝ている兄がしており、今、一番負担が重いのは兄ですね。ですから、兄が休みの日は私が家にいて、兄に自由に過ごしてもらうように心がけています。

 夫は、母の食事を用意する人が誰もいない時、弁当を買って帰るなどしてくれています。「おしめ交換でも何でもするよ」と言ってくれますが、母は抵抗があるようで、それはしてもらっていません。

 入院中に認知症かと思った母の症状は、高齢者が急に環境が変わった時によく起きる「せん妄」だったようで、今は母がおかしな言動をすることはなく、落ち着いています。

 ひで子さんは昨年末、肺気腫で約20日入院したが、その後は回復。現在は2週間に1回、近くのクリニックの医師の往診を受けるほか、週1回の訪問入浴、週2回の訪問リハビリを利用する。

予備知識

 母は入院当初に比べ、だいぶ元気を取り戻しました。リハビリも頑張り、最近では、おしめ交換の時に腰を持ち上げてくれるので、私もだいぶ楽になりました。

 当初は、3月の私の誕生日までに、トイレに歩いて行けるようにという目標を立てていました。それは間に合いませんでしたが、今度は6月の私たち夫婦の結婚記念日までに、と頑張っています。

 車いすで外出できるまでになれば、デイサービスや通所リハビリに通ったり、ショートステイを利用したりも可能になります。社交的でおしゃべりが大好きな母の生活にも張りが出るでしょう。

 介護は突然やってきます。親の衰えを頭では分かっても心が受け入れられない。気持ちの整理がつかないままに、介護生活を整えていかねばなりません。親がある程度の年齢になったら、介護の予備知識を仕入れて、勉強や準備をしておいた方がいいのだなあと切実に思いました。(聞き手・森谷直子)


 にった・えり 1968年、埼玉県生まれ。85年、アイドルグループ「おニャン子クラブ」の一員としてデビュー、人気を博す。翌年ソロデビュー曲「冬のオペラグラス」がヒット。その後、女優、作家、エッセイストとしても活躍。現在、テレビ神奈川の情報番組「ありがとッ!」にレギュラー出演中。


 ◎取材を終えて 介護に直面した時、予備知識が何もなく「マニュアル」が欲しかったという新田さん。「私の体験が誰かの役に立てば」と、介護生活のあれこれをブログでつづっている。記者も新田さんと同世代だが、40代は仕事や育児で忙しい盛り。親の健康が気になりながらも、何から準備すればいいのか分からず、そのままになっている人も少なくないのでは。そんな私たちにとって、新田さんの話はとても参考になると感じた。

(2015年5月17日 読売新聞)

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この記事へのコメント

私の78歳の母は25年も向精神薬を飲み続け、薬で躁転したのに、病名も躁鬱病に変わっていました。不快な副作用が少なく軽躁状態が多かったので、漫然と数種類の向精神薬を飲み続けてしまいました。誰からも「元気で羨ましい」と言われ本人も有頂天でした。しかし昨年、内科で「血圧が高めだから血圧降下剤を飲みましょう」と言われ飲み始めたら、坂を転がるように悪くなりました。その薬が悪かったのか、長年の向精神薬服薬で常用量離脱症状が起きたのか分かりませんが、まさに生き地獄の様な状態です。精神科の医師からも、今にも見捨てられそうです。動けなくなった病人の看護も本当に大変ですが、精神が壊れてしまって泣き崩れている病人の看護も本当に辛いです。今、精神科以外からも簡単に向精神薬が処方されますが、こういう薬はジワジワと脳が壊されている様な気がします。悲しくてなりません。

Posted by 匿名 at 2015年08月31日 09:31 | 返信

今日 わたしにも 突然 友人から電話がかかってきた

80歳の母が熱中症で 救急車で運ばれて 1週間入院
熱中症が治ったけど
入院している間に 認知症になって
精神科病院へ転院となった

転院先の病院で検査をしたら 心電図に異常があり 入院させてもらえない
熱中症で入院していた病院に再入荷できないかとお願いしても受け入れてもらえない
どうしよう
…という内容だった

おうちに 帰ってきて 在宅医を決めて
介護サービスを受けたら〜と伝えても
おうちでみるなんて ムリ…と結局
明日 自宅から一時間半もかかる病院へおかあさんを入院させるらしい

わたしが 訪問看護をやってるって
知ってるのに…
やっぱり わかってなかったんだと
近くにいる友達にも伝わらないって ほんとに 情けなくなってきます

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年09月01日 01:00 | 返信

病院か自宅介護か、の2択しか、ないのでしょうか。
施設介護は、邪道ですか?
地域にもよると思いますが、〇ミ〇ユという老舗の全国展開の老人介護施設があります。
私は、母を特養からその施設へ移動して看取ってもらいました。特養の施設医と施設医に服従する経営者および看護師に耐えられなかったからです。
〇ミ〇ユの施設医は複数いて、施設長含めて生き死にについての考え方を聞いて希望に沿って対応してくれる人達でした。
全国すべての〇ミ〇ユが、同様に終末期高齢者の受け入れ態勢が整っているのか否か知りません、また、〇ミ〇ユでもできない医療行為はありますが、在宅でできることはやってくれると思います。
〇ミ〇ユを宣伝するわけではなく、なぜ、施設介護が候補にあがらないのかな、と疑問に感じました。

komachiから訪問看護師 宮ちゃんへの返信 at 2015年09月01日 02:01 | 返信

Komachiさま…
ありがとうございます

受け入れてくださる施設…
オッケーですよー

ただ
残念ながら うちのまわりの施設は
病状が落ち着いていないと入所できないんです

このケースの場合
心電図に異常があるということで 急性期にあたり治療が必要になるかと思います

熱中症で 総合病院に 入院して
認知症になったから 精神科病院に転院し
心疾患疑いで 精神科病院では受けれないからと また違う病院に行け〜というこのタライ回し的な医療が悲しいです

人間…
丸ごと 診て 看て 見て 視て 観て 満て…欲しいです

匿名からkomachiへの返信 at 2015年09月02日 12:40 | 返信

Komachiさま…
匿名で返信してしまったようです


失礼しました

訪問看護看護師 宮下ちゃんからkomachiへの返信 at 2015年09月02日 10:01 | 返信

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