千春さんも言っていたが、北海道は、歌のレベルが高い。
静内のスナックでもプロではないか、という人が多かった。

今日のＮＨＫのど自慢では、静内～浦河の人達の息づかいが伝わってきた。
ここに住み、ここで老い、ここで楽しんでいる人たちの表情は格別だった。

静内からも何人か出ていて、名人賞をもらっていた。
金曜日に予選の予選のハードルの高さを現地で聞いていたので、格別だった。

みんな、「新ひだかの静内から来た○○です」と言っていた。
新ひだかの、ひだかは平仮名である。


１０年前に三石町と静内町が合併して新ひだか町（人口２４０００人）となった。
合併しそうでしなかったのが、新冠（にいかっぷ）町。

北海道の地名の多くは、アイヌ語に漢字をあてたもの。
新ひだか町であるのだが、みんな「静内」という言葉を使う。

「有限会社　静内ケアセンター」
では、９５人の職員が働いている。

社会福祉法人でもＮＰＯでも株式会社でもなく、有限会社に
込められた想いを、社長の下川孝志さんから聞いた。

静内の特養は、１０４床＋５０床＝１５４床
グループホームは。９法人＝８１人

静内ケアセンターでは、では、３ユニット＝２７人と
高齢者住宅がが４２人で、併せて６９人をケアしている。

年間７～８人のの看とりがある。
看とり率７割は、超トップクラス。

グループホームの看とり率は、北海道全体では２～３割か。
全国平均は、おそらく１～２割ではないかと言われている。

ちなみに当院は、現在、５つのグループホームの医療に関わっているが、
看とり率は、９割。

静内では、医療と介護と福祉の連携のモデル地区になっている。
平成１７年から地域包括ケアの推進に力を入れている。

「グループホーム機能」を地域に広げているところが凄い。
４００円でご飯だけを食べにくる老人も、ＯＫなのだ。

グループホームが、地域に配食も行っている。
「地域に開かれたグループホーム」のモデルが、静内ケアセンターなのだ。

グループホームが主導する地域包括ケアが静内にある。
誰が主導してもいいのが、地域包括ケア。

もちろん下川さんに協力してくれる医師達の存在も大きい。
静内全体の在宅看取り率は３割と、全国平均（１２％）と比較しても別格だ。

認知症へのアリセプトの処方率は５割で、メマリーは２割だという。
しかしアリセプトの効果が無ければ、介護職員が医師に中止を進言するという。

あるいは、易怒性が生じた時にも、介護職員が進言する。
それで怒る医師は、２流。

介護と医療が”まじくって”いるのが、静内なのだ。

そして「グループホーム機能をもっと高めよう！」と思った。

静内に興味がある人は、ネットで下川さんのブログをチェックすべし。
「bekoyaのブログ」ないし「下川孝志のブログ」


「下川さんのツイッター」も面白い。
なんか私のことが書かれていて恥ずかしいが。

bekoya（べこや）、とは馬のこと。
馬というと、静内の隣の新冠（にいかっぷ）。

新冠町の「サラブレッド銀座」を通り抜けたが、伸び伸びした気分になる。
新冠の主要産業は、馬。

競走馬の売上は、一時は年間６０億円だったが、現在は４０億円まで落ち込んでいるという。
競走馬は、一頭、５００万円とかいう世界。


そんな新ひだか～浦河の空気が、電波を通じて伝わってきた。
ＮＨＫの長寿番組は、来週は長崎からだそう。

ついでにその後の、被災地　宮城県女川町からの生中継も食い入るように見た。
その後の「福島県楢葉町への帰還」の報道も良かった。

「帰りたいが、帰られない楢葉町」→こちら