このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
睡眠薬の過剰処方と言われるが・・・
2015年09月07日(月)
抗精神薬の過剰投与が、いまごろになって、問題になっている。
3種類以上の眠剤は禁止となったが、外来で粘り続ける患者が多い。
だから、その医師が過剰に投与したとは限らず、依存症の根は深い。
3種類以上の眠剤は禁止となったが、外来で粘り続ける患者が多い。
だから、その医師が過剰に投与したとは限らず、依存症の根は深い。
当院にも何人かいる。
精神科から流れてきて、重症例はまた別の精神科診療所に紹介をしている。
私は、睡眠薬の過剰投与になっている患者さんは、一般の診療所や精神科ではなく、
そのためにだけ存在する本当の専門機関にしかかかれない、ようにすべきだと思う。
通常外来とは別に日帰りで依存症に対するすべてのプログラムを実施して、
段階的に減薬を図らないと、現在のようにただ処方医を罰しても解決にならない。
現在の政策は、ただ医者を罰する規則だけに見える。
しかし覚醒剤中毒同様に、現場の努力だけではどうしようもない部分が大きい。
睡眠薬や向精神薬の問題はとても難しい。
安易に開始しないことが大切だが、患者の粘りに負けることがある。
よーく考えないと、現在のような短絡的な発想では、とても解決にならない。
多剤投与対策の中での最重要課題のひとつとして、本気で取り組むべきだ。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
『精神科などの患者の2割 睡眠薬など過剰に処方』
2015年9月4日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150904/k10010216341000.html
精神科や心療内科に通う患者の2割が、睡眠薬などを過剰に処方されているとする調査結果を医療経済研究機構がまとめ、専門家は「依存性のある薬で対策が必要だ」としています。
睡眠薬や不安を和らげる抗不安薬は精神科や心療内科の外来で広く処方されていますが、使い続けるとやめにくくなる危険があるため、製薬会社各社は薬の添付文書で1日当たりの最大の使用量を、代表的な薬に換算して15ミリグラムとしています。
これらの薬のうち、「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる薬について、専門家で作る医療経済研究機構が患者110万人分の薬局での処方箋のデータを調べたところ、最も新しい去年11月のデータでは1日に15ミリグラムを超えて薬を処方されていた人は全体の19.1%に上り、3倍以上処方されていた人も2.1%いました。
また、厚生労働省は昨年度、3種類以上の薬を病院が処方した場合、診療報酬を請求できないとする新たな制度を導入しましたが、薬の量に大きな変化は見られず、効果は限定的だとしています。
医療経済研究機構の奥村泰之主任研究員は「医師が患者から生活習慣などを聞き取り、薬の量を検討していく診療時間が十分確保できていないことが原因の一つだと思う。依存性のある薬なので国も診療時間の確保に向けた対策を行うことが必要だ」と話しています。
精神科から流れてきて、重症例はまた別の精神科診療所に紹介をしている。
私は、睡眠薬の過剰投与になっている患者さんは、一般の診療所や精神科ではなく、
そのためにだけ存在する本当の専門機関にしかかかれない、ようにすべきだと思う。
通常外来とは別に日帰りで依存症に対するすべてのプログラムを実施して、
段階的に減薬を図らないと、現在のようにただ処方医を罰しても解決にならない。
現在の政策は、ただ医者を罰する規則だけに見える。
しかし覚醒剤中毒同様に、現場の努力だけではどうしようもない部分が大きい。
睡眠薬や向精神薬の問題はとても難しい。
安易に開始しないことが大切だが、患者の粘りに負けることがある。
よーく考えないと、現在のような短絡的な発想では、とても解決にならない。
多剤投与対策の中での最重要課題のひとつとして、本気で取り組むべきだ。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
『精神科などの患者の2割 睡眠薬など過剰に処方』
2015年9月4日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150904/k10010216341000.html
精神科や心療内科に通う患者の2割が、睡眠薬などを過剰に処方されているとする調査結果を医療経済研究機構がまとめ、専門家は「依存性のある薬で対策が必要だ」としています。
睡眠薬や不安を和らげる抗不安薬は精神科や心療内科の外来で広く処方されていますが、使い続けるとやめにくくなる危険があるため、製薬会社各社は薬の添付文書で1日当たりの最大の使用量を、代表的な薬に換算して15ミリグラムとしています。
これらの薬のうち、「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる薬について、専門家で作る医療経済研究機構が患者110万人分の薬局での処方箋のデータを調べたところ、最も新しい去年11月のデータでは1日に15ミリグラムを超えて薬を処方されていた人は全体の19.1%に上り、3倍以上処方されていた人も2.1%いました。
また、厚生労働省は昨年度、3種類以上の薬を病院が処方した場合、診療報酬を請求できないとする新たな制度を導入しましたが、薬の量に大きな変化は見られず、効果は限定的だとしています。
医療経済研究機構の奥村泰之主任研究員は「医師が患者から生活習慣などを聞き取り、薬の量を検討していく診療時間が十分確保できていないことが原因の一つだと思う。依存性のある薬なので国も診療時間の確保に向けた対策を行うことが必要だ」と話しています。
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
昔一緒にお仕事した先生で「眠れんかったら、無理に眠らんでええ。」となかなか眠剤を処方しない方がいました。本当に眠れないで困っている患者さんからしたら辛いかもしれませんが、一理あるなと思いました。薬の弊害も考えて処方していく必要があるのですね。先生は患者さんと行政との板挟みで大変だと思いました。行政よ、もうちと考えておくれ。
Posted by さぬきんぐ at 2015年09月07日 05:37 | 返信
私の年老いた母も、長年の向精神薬依存で、どちらかというと副作用も軽躁状態を引き起こされ、本人は絶好調の気分で過ごす事が多かったです。ですが、ある日薬が全く効かなくなり、量を増やしても、種類を変えても、副作用が酷く出るばかり。正にこの世に居ながらの生き地獄です。母もこんな末路と分かっていれば、薬に手を出さなかったでしょうが後の祭りです。国立の精神科に入院しても、更に悪化しました。先日関西の女性タレントさんが「睡眠導入剤を処方してもらっている。でも、なぜか飲むとテンション上がって、食欲が出るの」と、笑いを誘っていました。医師の処方なら安全と思っている人が多いようですが、依存に陥り、耐性が出来て薬が効かなくなった時の悲劇をもっと知らせて欲しいです。
Posted by 匿名 at 2015年09月07日 08:07 | 返信
「依存症に対する別プログラムを実施する」提案に賛成です。
駆け出しの、いちワーカーですが、障がい歴(服薬歴)の長い方に、さりげなく話を聞きますと
当事者の方は薬が無くなる事(受診時期を見計らう事)には敏感ですが、「先生と何を話すの?」
と尋ねても「何も...」です。また、本人が全ての物事に対して現状からの変化を嫌うのが常なので、
定期的に保健所に出向き「減薬指導プログラム、必須」にでもしない限りは、寿命を縮めていくだけ
のように見えて仕方ありません。『薬』は処方された後は、本人が何らかの意思を表明しない限りは、
第三者は介入の仕様が無いようです。
Posted by もも at 2015年09月07日 08:30 | 返信
眠れないから 眠剤投与する
1分診察…
痛ければ 痛み止め
かゆければ かゆみ止め
熱が出れば 熱冷まし
薬を出してくださる先生が いい先生
訴えれば 薬をもらえると思ってる
何が良いことなのか 悪いことなのか わかりにくくなってきましたね
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年09月07日 11:28 | 返信
患者が薬がほしいと思ったら、フリーアクセスでどこででももらえるのが現状です。
実際、地域で繁盛している開業医というのは、たいていは率先して多剤処方する医者だと思います。
だいたいお薬手帳見た限り平均で12~15種類くらいはお年寄りに処方しているようです。
そのなかには米国で禁止されているベンゾ系安定薬・睡眠薬も含まれている。
患者に来てもらいたいから言いなりに薬を出そうとする⇒繁盛して患者が殺到する⇒1人当たりの診察時間がとれなくなる⇒ますます投薬追加で解決しようとする⇒開業医と調剤薬局が大繁盛⇒全国規模なので
医療費が膨大に膨れ上がる⇒一方で自宅には大量の残薬、一方で真面目に内服した患者は薬物中毒で救急搬送⇒高齢者の救急患者が増大して、さらに医療費が増える⇒国家的医療費破綻。
つまり日本というのは一億総薬物依存症を医薬業界が作り上げていると言っても過言ではないです。
こういう負のスパイラルを何かしらの方法で止める事がまず求められます。
10種類以上処方したら1つ1つの薬に対して必要性を説明するコメント書かなければ保険請求できないとかね。開業医の利益団体は猛反対するかもしれないけど。
Posted by ある実践医 at 2015年09月08日 09:37 | 返信
次の箇所、【患者への責任転嫁】ですよね。
「3種類以上の眠剤は禁止となったが、外来で粘り続ける患者が多い。
だから、その医師が過剰に投与したとは限らず、依存症の根は深い。
・・・・・
睡眠薬や向精神薬の問題はとても難しい。
安易に開始しないことが大切だが、患者の粘りに負けることがある。」
医者が薬を出さなければいいんですよ。
それとも、処方薬がもらえなければ、その患者はヤミのクスリに手を出した、とでも、おっしゃりたいのかしら?
医者がヤクチュウを作ってるんです。処方薬中毒患者を作ることによって繁盛するのが医者です。
というか、「外来で粘り続ける患者」って、ヤのつく自由業さんですか?
生活保護患者が処方薬を売買するのを承知で処方してる医者がいるって話、聞いたことあるけど・・・
Posted by komachi at 2015年09月10日 02:17 | 返信
眠れないというのは、辛いのでしょうね。私は良く寝るほうなので分かりませんが。。。
兄が精神病になった時、3日間眠らず発症してしまいました。眠っていれば発症しなかったかもしれない。と思ったりもします。
そのくらい、脳にとっては眠らない事は脳を壊すことになるのだと思います。
兄は精神病院に入院してきつい睡眠薬を飲んで、しばらくはほとんど眠ってすごし、そして少しづつ良くなりました。眠ることに脳を修復する働きが有るように思います。
内因性の精神病は薬が良く効くので、薬だけで治療し、良くなれば減らしていくことは難しく無いと思いますが、心因性や器質性の場合が減薬に苦労するのでしょうね。気持ちの問題というか、強迫観念的だとその人の気持ちの持ちようが変わらないと治らないですからね。器質性だと脳のどの部分が損傷しているかによって症状も薬の効き方も違ってくるので、調整は大変と思います。
アディクション治療については私も良くは知らないのですが、森田療法やナラティブセラピーを活用して治療している病院も有るようです。
Posted by みるく at 2015年09月11日 12:12 | 返信
日本の薬に対する情報の乏しさに日々ショックを受けます。海外で30,40年前に問題になっていたことが今日本で起きているような感じがします。何故、こんなに被害者が出る前にきがつけなかったのか。
海外の方は 薬と麻薬の中身が一緒だと知っていながら、上手く付き合っていこうとします。麻薬はタバコより安全だという認識も日本人には考え難いことですが。また向精神薬と政治の関わりも良く認知されています。他の医療のようにエビデンスのある検査がなく、不透明にできる分野です。精神医療の歴史は戦争によって発展した部分も強く、アメリカでは兵士が精神的なダメージを受けても、また戦火に復帰出来るようにする為に使用されるのです。つまり心的ダメージを治療するのではなく、精神を麻痺させる目的で開発された訳です。戦場では兵士は医師の判断なしで薬を使うことができますから、薬は飲み放題で依存します。帰還した兵士で薬の副作用によって自殺にいたったという報告があります。残されたご家族の方々と担当刑事らが証言していました。神奈川県にある精神科の閉鎖病棟の患者は1日30錠服用されていました。半年前までお話ができ笑顔だった方々が、次第に覇気を失い記憶も朦朧とし歯磨きすら自分でできなくなっていきました。何を信じるか信じないかは個人の自由ですが、あまりにも情報が認知されていない。
Posted by まい at 2015年09月12日 03:07 | 返信
ベンゾと反ベンゾについて触れられていませんが、この処方箋現在同時に服用していて苦しい状態です。
たったの2錠ですがどちらかを離反用として使うらしく減薬すら不可能な状態です。
初期型の睡眠薬は使わない方がいいとまで言ってくれる医師と会いましたが処方箋から抜け出すのが非常に難しく医師に巡り合えません。
Posted by てと at 2015年11月28日 06:23 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: