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タバコとがんの関係の実態
2015年09月24日(木)
産経新聞・がんの基礎知識シリーズその3 喫煙と発がんリスク
タバコとがんの関係の実態
がんを宣告されて落ち込まない人はいないでしょう。がん=死、ではないのですが、どうしても最悪のことを想像してしまう病名なのかもしれません。しかしがんは生涯に2人に1人がなる、もっともありふれた国民病です。がんの原因は遺伝子の傷です。傷をつけるものとしてウイルスやストレスが知られていますが、タバコという予防可能な因子を忘れてはいけません。
タバコによってがんのリスク(がんになる、またはがんで死亡する危険性)がどれくらい上昇するかは、「相対リスク」という数値で表現されます。これはタバコを吸わない人を1として、タバコを吸っている人のがんのリスクが何倍になるかを表す数字です。タバコによるがん死亡の相対リスクは、男性が2.0倍、女性が1.6倍です。これは、タバコを吸う人ががんで死亡するリスクが、吸わない人に比べて男性で2倍、女性で1.6倍であるという意味です。がん種別にみると、男性では喉頭がん、尿路がん(膀胱・腎盂・尿管)、肺がんで5倍前後と高く、女性では肺がんで4倍、子宮頸がん、口腔・咽頭がんで2倍以上高い確率です。男性が女性に比べて高いのは、同じ喫煙者でも男性のほうが喫煙本数が多く、喫煙年数が長いためであると考えられています。
また、がんの原因のうちタバコが占める割合を表す指標として「人口寄与危険割合」があります。がんの原因全体を100%として、そのうち何%が喫煙で説明できるのかを表す数字です。日本のがん死亡における喫煙の人口寄与危険割合は、がん全体では、男性が39%、女性が5%です。がん種別では、男性の肺がん、喉頭がん、尿路がんで約70%と高く、女性でも肺がんでは20%と他のがん種に比べて高くなっています。男性の人口寄与危険割合が女性より高いのは、喫煙率が女性より高いことが主な理由です。
では、禁煙した場合の効果についてはどうでしょうか。ほとんどのがんで、禁煙してからの期間が長くなるほどリスクが低下します。特に、子宮頸がんでは禁煙後急速にリスクが下がり、その後、タバコを吸ったことがない人のレベルまで下がります。また喉頭がんも、禁煙後急速にリスクが低下し、10〜15年でリスクは約60%下がります。肺がんは、禁煙後5〜9年でリスクが下がり始めます。肺がんは、禁煙する年齢が若いほど禁煙の効果は大きいですが、何歳で禁煙をしてもリスクは下がることも分っています。
こうして見るとタバコとがんの関係は、主に男性の話に思えるかもしれません。しかし受動喫煙という現実があります。職場や家庭での受動喫煙の実態を考えると、タバコ問題は個人の問題というより社会全体の課題として捉えるべきでしょう。日本は先進国中、最もタバコに寛容な国ですが、2020年の東京五輪に向けて受動喫を無くす議論が重ねられています。そんな中、18歳から喫煙可能とする法案にはちょっと首をかしげざるを得ません。がんとタバコの深い関係が科学的に明らかになっているにもかかわらず、高校生がおおっぴらにタバコを吸えるという世の中は、時代に逆行していると思います。いずれにせよ、タバコとがんの関係を知り、がんになってから慌てたり後悔しないことを願います。
キーワード 受動喫煙
タバコは本人だけでなく周囲の人にも健康被害を引き起こす。タバコを吸う本人以外がたばこの煙にさらされることを「受動喫煙」ないし「間接喫煙」と呼ばれる。タバコから出る煙(副流煙)と、喫煙者が吐き出す煙(呼気煙)の両方が含まれる。
タバコとがんの関係の実態
がんを宣告されて落ち込まない人はいないでしょう。がん=死、ではないのですが、どうしても最悪のことを想像してしまう病名なのかもしれません。しかしがんは生涯に2人に1人がなる、もっともありふれた国民病です。がんの原因は遺伝子の傷です。傷をつけるものとしてウイルスやストレスが知られていますが、タバコという予防可能な因子を忘れてはいけません。
タバコによってがんのリスク(がんになる、またはがんで死亡する危険性)がどれくらい上昇するかは、「相対リスク」という数値で表現されます。これはタバコを吸わない人を1として、タバコを吸っている人のがんのリスクが何倍になるかを表す数字です。タバコによるがん死亡の相対リスクは、男性が2.0倍、女性が1.6倍です。これは、タバコを吸う人ががんで死亡するリスクが、吸わない人に比べて男性で2倍、女性で1.6倍であるという意味です。がん種別にみると、男性では喉頭がん、尿路がん(膀胱・腎盂・尿管)、肺がんで5倍前後と高く、女性では肺がんで4倍、子宮頸がん、口腔・咽頭がんで2倍以上高い確率です。男性が女性に比べて高いのは、同じ喫煙者でも男性のほうが喫煙本数が多く、喫煙年数が長いためであると考えられています。
また、がんの原因のうちタバコが占める割合を表す指標として「人口寄与危険割合」があります。がんの原因全体を100%として、そのうち何%が喫煙で説明できるのかを表す数字です。日本のがん死亡における喫煙の人口寄与危険割合は、がん全体では、男性が39%、女性が5%です。がん種別では、男性の肺がん、喉頭がん、尿路がんで約70%と高く、女性でも肺がんでは20%と他のがん種に比べて高くなっています。男性の人口寄与危険割合が女性より高いのは、喫煙率が女性より高いことが主な理由です。
では、禁煙した場合の効果についてはどうでしょうか。ほとんどのがんで、禁煙してからの期間が長くなるほどリスクが低下します。特に、子宮頸がんでは禁煙後急速にリスクが下がり、その後、タバコを吸ったことがない人のレベルまで下がります。また喉頭がんも、禁煙後急速にリスクが低下し、10〜15年でリスクは約60%下がります。肺がんは、禁煙後5〜9年でリスクが下がり始めます。肺がんは、禁煙する年齢が若いほど禁煙の効果は大きいですが、何歳で禁煙をしてもリスクは下がることも分っています。
こうして見るとタバコとがんの関係は、主に男性の話に思えるかもしれません。しかし受動喫煙という現実があります。職場や家庭での受動喫煙の実態を考えると、タバコ問題は個人の問題というより社会全体の課題として捉えるべきでしょう。日本は先進国中、最もタバコに寛容な国ですが、2020年の東京五輪に向けて受動喫を無くす議論が重ねられています。そんな中、18歳から喫煙可能とする法案にはちょっと首をかしげざるを得ません。がんとタバコの深い関係が科学的に明らかになっているにもかかわらず、高校生がおおっぴらにタバコを吸えるという世の中は、時代に逆行していると思います。いずれにせよ、タバコとがんの関係を知り、がんになってから慌てたり後悔しないことを願います。
キーワード 受動喫煙
タバコは本人だけでなく周囲の人にも健康被害を引き起こす。タバコを吸う本人以外がたばこの煙にさらされることを「受動喫煙」ないし「間接喫煙」と呼ばれる。タバコから出る煙(副流煙)と、喫煙者が吐き出す煙(呼気煙)の両方が含まれる。
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この記事へのコメント
先生、小さな田舎町に住む中年男性です。
先生は2倍~5倍のがん死亡確率とおっしゃいますが私の身の周りの
死亡率と脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクは目に余るものがあります。
私は身のまわりの喫煙者を頭の中で追跡調査してます。この7~8年で
がん死が8人脳梗塞2人心筋梗塞2人です。
この中で非喫煙者はお一人だけでその方は76歳体重も80kg以上ありました。
今現在は左半身不随、ろれつが回らない・・・・
がん死亡の方の年齢は48歳~~75歳 で特に53歳~~65歳に集中してます。
この頃ではその方の顔の色・・・歩き方で大体分かるようになりました。
しかし、たばこをくわえてる時の幸せそうな姿、笑顔・・・とても喫煙のリスクを
いえない状況なんです。 笑
とにかく喫煙の恐ろしさ・・・・・リスクの高さ・・・こんなものを認可しておいて
裏では健康増進をうたう国・・・・・何かが間違ってますね。
Posted by ロンちゃん at 2015年09月26日 05:44 | 返信
以前、県尼の東洋医学研究所の長瀬千秋先生が、砂糖やサッカリンの入った飲み物やお菓子を食べると、ついつい、最後の一滴、最後のひとかけまで食べたくなる要素がある。それを黒砂糖を食す事で、ミネラルが豊富に脳に入って、満腹中枢を刺激して、白砂糖ほどめったやたらに食べたり飲んだりしたくは無くなると仰っていました。
お酒も、飲む前に栄養のある食べ物を食べてしまうと、そんなにお酒を飲もうとは思わなくなります。
タバコの場合は、私はラッキーなことに、タバコを吸うとおなかが痛くなるので、禁煙できましたが、癖になった方は、どうやって禁煙したらよいでしょうね。コーヒーを飲むとタバコを吸う癖のある方は、コーヒーを飲まないか、コーヒーだけにするとか、仕事をしても休憩時間にタバコを吸わないようにするとか、タバコ以外のスポーツとか遊びとか夢中になる者に意識を持って行くのはどうでしょうか?
タバコを吸って癌やレビー小体型認知症になった症例や、骨折しやすくなった例や、不眠症になった例(皆私の父の症例ですけど)を頭に思い浮かべれば禁煙できるのでは?
Posted by 匿名 at 2015年09月26日 09:50 | 返信
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