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5年後、あなたは生きていますか?
2015年09月24日(木)
産経新聞がんの基礎知識シリーズ第4回 5大がんの5年生存率
5年後、貴方は生きていますか?
みなさんは、1年後に生きていますか?5年後はどうですか?まあ、分からないですよね。100歳の人なら5年後はかなり難しいかもしれませんが、私なら生きているかもしれません。でも人間の寿命なんて誰も分からない。だから今日一日を一生懸命生きるしかありません。
がんには「5年生存率」という指標があります。5年後に生きているかどうかの確率のことです。この数字が高いがんは大人しいがんで、低いがんは厳しいがんということになります。がんは、どうやら5年単位で考える病気のようです。一方、私の50年後の生存率は0%。今、オギャーと生まれたばかりの赤ちゃんの130年後の生存率も0%です。人生100%は難しくても、0%の予測は簡単。生命は有限だからです。
日本人の2人の1人が一生のうち一度はがんになります。そして3人に1人はがんで死にます。そして2分の1マイナス3分の1=6分の1です。これは6人に1人はがんになるけど、がんでは死なない、つまりがん以外の病気で死んでいるという意味です。すなわち早期発見・早期治療で完治する人や、がんを抱えたまま心筋梗塞などで死ぬ人や、がんを抱えたまま老衰で天寿を全うする人が、日本人の6人に1人いるという意味です。
今週、国立がん研究センターから5大がんの5年生存率が発表されました。これは、がんと診断された人が5年後に生存している割合を日本人全体で5年後に生存している割合で割った「相対生存率」のことです。5大がん全体では、64.3%でした。部位別で見ると胃71.2%、大腸72.1%、肝臓35.9%、肺39.4%、乳房(女性のみ)92.2%という数字でした。これらは、がんの治療を続けている人や途中で止めた人などいろんな立場の人の平均です。
この統計から言えることがいくつかあります。まずはがんになっても、3分の2の確率で5年後にも生きている、ということです。なんだか安心しませんか?当たり前ですが、がん=死、ではありません。肺がんや肝臓がんはやや厳しいがんですが、それでも3分の1は5年後も生きています。一方、乳がんは、5年後になんと9割以上が生きているのです。がんができる臓器によって、5年生存率に3倍近い差があることも分かります。
ここからは私のまったくの妄想なのですが、もしがんを全く治療しなかった場合の、それぞれの数字はいかほどなのでしょうか。治療の余地があるがんを放置することは若い人ではあまりないし、できないのですが、もし本当に「放置」して自然経過に任せたならば、どんな数字になるのでしょうか。私はこれらの数字は年齢によってかなり異なると想像します。もし若い人と後期高齢者を比較したらどうなのか?万一、「放置群」のほうが「治療群」より高くなる可能性があるのか、無いのか?また、がんのステージ別で比較したら、どうなるのか?万一、「放置群」のほうが「治療群」より高くなる可能性があるかなあ、などと夢想していました。
5年後の今頃は東京オリンピックです。「一生に2回も東京オリンピックが見られたら凄いなあ。それまで一緒に頑張って生きとこな!」なんか言いながら、このシルバーウイークも在宅患者さんの家を回っています。がんの人も、がんで無い人も運動の秋、食欲の秋を楽しんでください。
キーワード 5大がん
日本人のがん死亡者が多い上位5位のがんで、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、肝臓がんを5大がんと呼ばれている。肝臓がんは男性が女性の2.2倍多い。
5年後、貴方は生きていますか?
みなさんは、1年後に生きていますか?5年後はどうですか?まあ、分からないですよね。100歳の人なら5年後はかなり難しいかもしれませんが、私なら生きているかもしれません。でも人間の寿命なんて誰も分からない。だから今日一日を一生懸命生きるしかありません。
がんには「5年生存率」という指標があります。5年後に生きているかどうかの確率のことです。この数字が高いがんは大人しいがんで、低いがんは厳しいがんということになります。がんは、どうやら5年単位で考える病気のようです。一方、私の50年後の生存率は0%。今、オギャーと生まれたばかりの赤ちゃんの130年後の生存率も0%です。人生100%は難しくても、0%の予測は簡単。生命は有限だからです。
日本人の2人の1人が一生のうち一度はがんになります。そして3人に1人はがんで死にます。そして2分の1マイナス3分の1=6分の1です。これは6人に1人はがんになるけど、がんでは死なない、つまりがん以外の病気で死んでいるという意味です。すなわち早期発見・早期治療で完治する人や、がんを抱えたまま心筋梗塞などで死ぬ人や、がんを抱えたまま老衰で天寿を全うする人が、日本人の6人に1人いるという意味です。
今週、国立がん研究センターから5大がんの5年生存率が発表されました。これは、がんと診断された人が5年後に生存している割合を日本人全体で5年後に生存している割合で割った「相対生存率」のことです。5大がん全体では、64.3%でした。部位別で見ると胃71.2%、大腸72.1%、肝臓35.9%、肺39.4%、乳房(女性のみ)92.2%という数字でした。これらは、がんの治療を続けている人や途中で止めた人などいろんな立場の人の平均です。
この統計から言えることがいくつかあります。まずはがんになっても、3分の2の確率で5年後にも生きている、ということです。なんだか安心しませんか?当たり前ですが、がん=死、ではありません。肺がんや肝臓がんはやや厳しいがんですが、それでも3分の1は5年後も生きています。一方、乳がんは、5年後になんと9割以上が生きているのです。がんができる臓器によって、5年生存率に3倍近い差があることも分かります。
ここからは私のまったくの妄想なのですが、もしがんを全く治療しなかった場合の、それぞれの数字はいかほどなのでしょうか。治療の余地があるがんを放置することは若い人ではあまりないし、できないのですが、もし本当に「放置」して自然経過に任せたならば、どんな数字になるのでしょうか。私はこれらの数字は年齢によってかなり異なると想像します。もし若い人と後期高齢者を比較したらどうなのか?万一、「放置群」のほうが「治療群」より高くなる可能性があるのか、無いのか?また、がんのステージ別で比較したら、どうなるのか?万一、「放置群」のほうが「治療群」より高くなる可能性があるかなあ、などと夢想していました。
5年後の今頃は東京オリンピックです。「一生に2回も東京オリンピックが見られたら凄いなあ。それまで一緒に頑張って生きとこな!」なんか言いながら、このシルバーウイークも在宅患者さんの家を回っています。がんの人も、がんで無い人も運動の秋、食欲の秋を楽しんでください。
キーワード 5大がん
日本人のがん死亡者が多い上位5位のがんで、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、肝臓がんを5大がんと呼ばれている。肝臓がんは男性が女性の2.2倍多い。
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この記事へのコメント
難しいことは分りませんが 亡くなる前に苦しまないで行って欲しい、寿命をまっとうしてほしいと思うのですが、最後に苦しんだり 呼吸がくるしくなったり おかしくなったり される方を今まで色々と見てきました 人生の最後の最後で90年以上も健康で過ごされたのになんで最後にあんなに苦しまないといけないとかと思います。
Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2015年09月24日 09:18 | 返信
がん・悪性新生物の分野についてはまったくの門外なので、私も難しい事はよくわかりませんが、やはり何よりも優先されるべきは精神的・肉体的な緩和ケアだと思います。特に高齢者にはそうではないかと思います。個人的には「闘病」という言葉は好きではありません。80~90歳まで健康長寿できて、がん闘病というのはやや不自然な表現の気がします。個々がいかに病気と向き合うかだと思います。
Posted by ある実践医 at 2015年09月24日 02:31 | 返信
川島なお美さん、訃報が報じられています。
つい先日にドレス姿を公の場で披露なさったばかりですのに、人の命はあっけないですね。
それでも、御本人が意思を貫かれたとうりに、綺麗な姿、素敵な笑顔を見せて、凛として
その印象を皆の目に焼き付けたことは、本望でいらっしゃることと拝察致します。
これも平穏死、大往生でいらっしゃると思いました。
北斗晶さん、無事に手術を終えられたとの報道も。今年2月放送の番組で長尾先生と共演なさった
その番組内容が『癌』であったというのも、ある種のシンクロのようにも思えてしまいます。
芸能人の方は、病気をもプライベイトでは済まされずに公になり、酷な気がしますが、
御家族や周囲の方に支えられ、そして多くのファンからの励ましも受けていらっしゃる様子が
『希望』を放っていると思います。髪を短く切り、お似合いな可愛いらしい笑顔が素敵です。
Posted by もも at 2015年09月25日 12:41 | 返信
5年後、あなたは生きていますか? ・・・・・・ を読んで
安楽死、尊厳死、平穏死、死生学 ・・・・・ 等など、高齢者の
域に近づくにつれて、“死”についての記事を読んだり、
考えたりすることが多くなっています。
死を考えることは、“生”を考えること。
今生きていることに感謝して、“一日々々を大切に
生きる”ことに通じる。 と頭では分っているもの
の、今一つ現実味を感じられないでいました。
今回、長尾先生のブログで、“5年後、あなたは生き
ていますか?”と問い掛けられて ・・・・・ 考えています。
前回の“東京オリンピック”、その開会式を私は東京の
家で、興奮しながらテレビで観ていました。
ブルーインパルスが5色の煙で大空に五輪の輪を描い
た際、急いで2階の窓から空を見上げると、遠くに
見事な五輪の輪が見えました。
その感動を、もう一度実際に体験できる可能性が出来
て、自分の中で一つの大きな目標になっていることを
日々感じています。
5年後の“東京オリンピックの開会式”プラチナチ
ケットとなるでしょうが、申し込んで手に入れて、
一緒に見に行こうね! と家内と話をしています。
今まで、半年後とか、せいぜい1年後のことしか
話したことがないのに ・・・・・・
“東京オリンピック”というはっきりとしたイベ
ントが、5年後という長からず、短からず、絶妙
のタイミングで開催されることを知って、とても
良い目標が出来たと喜んでいます。
60歳を越えて、“がん年齢”“認知症年齢”“生活
習慣病年齢”真っただ中の今、1年後、2年後ま
ではなんとか大丈夫! と何の根拠もなしに、思
っていますが、5年という年月は何が起こっても
不思議ではない時間です。
これからの人生、今後のQoLの維持を考える時、
5年という期間(スパン)で考えることは少し
挑戦的でもあり、良い動議づけにもなってくれる
と感じています。
長尾先生の今回の“5年後、あなたは生きていま
すか?”という問い掛けに対して、私は“5年後、
私は家内と共に、今のQoLを維持して、東京オリ
ンピックの開会式を新国立競技場で観る!”とい
う、現実的で地に足のついた目標を立てて、頑張
って行こうと家内と話しています。
皆さんも、5年後生きているだけでなく、一緒に
“東京オリンピック”を存分に楽しみましょう!
Posted by 小林 文夫 at 2015年09月25日 01:58 | 返信
気力、体力、脳力が、バランス?よく、衰えています。
5年後の予定はありませんが、たぶん往きて生きて逝きているのは、まちがいないでしょう。
2020年オリンピックは、かの1940年(紀元2600年記念)東京オリンピックと同様、幻となるでしょう。
なにせ、「アンダーコントロール」は、5年たってもなんらコントロールされていないのですから。
日本国民を騙せても、世界の人びとは騙せません。
新国立競技場問題の責任は安倍首相がとるべき、と言ったのは、ある金メダリストだけでしたね。
われらが大酋長。1億総活躍社会、アホノミクス第2ステージ、新・3本の矢を放つ。
5年後の日本は、ブラック企業国家。国保・国年非加入の非正規労働社会。
五木寛之さんのいう「嫌老社会」「厭老社会」の到来となりそうですね。
五郎丸歩のルーティン。今や有名な手印と八歩。かげに、メンタルコーチの存在ありとか。
元隊長。右手で「△拳」「▽掌」、左手で立て立ての「合図」。プロの手技が冴えたか。
法施行後、南スーダンで、自衛隊PKOが、「密接な国」中国軍の後方支援に入るとか。
連休明けの9月24日、岩手県議会が「安保関連法廃止を求める」決議。
議員提案で、「安保関連法廃止案」をただちに提出し、継続して論戦を仕掛けるべきでしょう。
自衛隊幕僚幹部が、参院選出馬準備のため、いずれ退職か。
活きて、5年後を見るのが、心底怖い。
Posted by 鍵山いさお at 2015年09月25日 01:56 | 返信
五年後どころか、明日のことさえ分かりません。
癌になるとしたら、子宮体がん、お酒の飲み過ぎ、食べ過ぎからくる肝癌(神戸市長田区の朝日病院の金先生によると)も多いそうです。
それに原因不明の肺がんと言ったところでしょうか?
交通事故で死ぬかも。
Posted by 匿名 at 2015年09月26日 02:01 | 返信
長尾先生!
今日は…9月26日ですよ
昨日 ブログが更新されてないですよ
生きてますか〜?
ただ お疲れで…休憩してるだけなら いいんですど…
本当に 無理しないでくださいね
昨日は…
新規に利用者さまに
"その医者のかかり方 損です"の本を差し上げました
偶然 私のカバンの中に入っていたんですが
認知症の義母をお嫁さんがみてて ご主人は 単身赴任…
そのお母さまは 83歳…病院に行きたがらず 大騒ぎらしく
お嫁さん一人で診察に行くけど 高血圧 糖尿病もあって本人が診察しないと投薬できないと
ボロボロ泣き出しました お嫁さんも限界のようです
「ずーっと かかってる先生だから…」と主治医を変えるって難しいです
でも 往診に来てくれないんですよね
この 本を読んでいただいて
何かを感じてくださったら いいなぁ〜と思っています
絶対 5年後 わたしは 元気だぞ!
自分に 言い聞かせないと怖くて やってられません
Posted by 宮ちゃん at 2015年09月26日 07:36 | 返信
長尾先生のような内科医の先生がもっと沢山おられたら日本も良くなるのにと思います。
Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2015年09月26日 09:51 | 返信
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