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精神疾患の訪問診療
2015年10月03日(土)
統合失調等の精神疾患の在宅医療は大好きだ。
病院から自宅に帰り、どんどん元気になっていくからだ。
しかしお役所からは精神疾患の在宅医療は精神科専門医しかやっらたダメと。
病院から自宅に帰り、どんどん元気になっていくからだ。
しかしお役所からは精神疾患の在宅医療は精神科専門医しかやっらたダメと。
お役所は、とにかく専門医が好きだ。
せっかく上手く行っていた在宅医療も、お役所に分断された。
しかしそもそも、地域に出ていく精神科医が全国に何人いるのか。
何十人しかいない、らしい。
まだまだ始まったばかりの、精神疾患の訪問診療。
これこそが、総合医の仕事であると思うのだが・・・
まさか、認知症も専門医だけ、とはならないだろうね。
でも、これからの医療は専門、非専門を問わず、外に出て行く時代である。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
精神疾患 訪問診療が効果 重症者に対応 経験者の支援も さがアクト
2015年09月25日
http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/197247
自宅にこもった精神疾患の重症患者を在宅でケアする地域生活支援プログラム「SAGA-ACT(さがアクト)」が設立半年で少しずつ効果を上げている。アクトは外出できない患者を訪問医療で支える仕組み。対話を重ねるうちに心を開く患者もいる。ACT全国ネットワークによると、九州では5カ所目。さがアクトは精神疾患の経験がある「ピアスタッフ」も「仲間」として支援に加わっているのも特徴だ。
さがアクトの設立者は、同市川副町鹿江の精神科医院「より添いとたい話の診療所」の谷口研一朗院長(45)。「統合失調症やうつで地域から孤立している患者の治療や自立機会をつくろう」と4月、市内の訪問看護ステーション「えのか」の協力を得て始めた。
利用者登録すると、医師が毎月数回、訪問診療する。看護師、精神保健福祉士、作業療法士などの「支援員」11人が週2回、買い物や家事、会話の相手を務める。症状の急変にも24時間態勢で対応する。
潜在需要は高く、利用者は設立半年で佐賀、福岡両県の18~60代の約50人に広がっている。
∞ ∞
「僕は元気に戻れるでしょうか」。15日の訪問診療。佐賀県内の40代男性は無表情でつぶやいた。統合失調症で入退院を繰り返し、約3カ月前にさがアクトにつながった。妄想や幻覚があるが、回復を願い葛藤。「前より薬が減った。元気になれます」と谷口院長が告げると、男性は「英語を勉強したい。今からじゃ遅いかな」と意欲を示した。谷口院長が「遅くない。お金の管理も相談しよう」と励ますと、男性の表情は和らいだ。
20代女性の玄関前には大量の家具やごみが積み上げられている。統合失調症で呼び掛けに返事はなく、電話もつながらない。疾患への無自覚や拒否で患者と会えないケースも多い。そんな状況にもうまく対応しようと、さがアクトは病状や支援内容を関係者全員で共有。チームの多様な視点で、支援員が1人で悩みを抱えるのを防ぐためだ。
治療は焦らず、患者と寄り添って進めている。
30代の女性は他人と対面できない症状で6年以上、自室に引きこもっている。訪問を約20回重ねた今も、女性は階段の上、谷口さんたちは階段の下から声を掛け、置き手紙でのやりとりが続く。それでも女性は支援者らの声や名前を覚え、会話の内容も幅広くなってきた。谷口院長は「何年も人との接触を断ってきた女性が、複数の人と話せていること自体が大きな前進」と手応えを感じている。
∞ ∞
精神疾患の経験があるピアスタッフは2人で、症状のつらさが分かる仲間として患者を支えている。
看護師の浦川香保里さん(31)は病院に勤務していた25歳の時、統合失調症と診断された。「幻覚や幻聴、心の痛み、偏見の苦しみは経験して初めて分かったこと。『私もそうだった』と語り掛けると相手が心を開いてくれたり、治療に積極的になったりすることがある」。自らも治療で穏やかな日常を送れるようになり、さがアクトで働けることが心の支えという。
さがアクトは就労支援も考えているが、今は医師が谷口院長だけで対応には限界もある。医療関係の協力者を増やすのが課題だ。
利用は電話での相談にも応じている。さがアクト=0952(20)1286。
× ×
【ワードBOX】ACT(アクト)
1960年代に米国ウィスコンシン州の公立病院で始まった精神疾患者の地域生活支援「assertive community treatment」の略語。ACT全国ネットワークによると、国内では28事業所が実践。九州の5カ所は、佐賀市の「さがアクト」▽長崎県雲仙市の「南高愛隣会」▽福岡市と北九州市の「Q-ACT」2カ所▽福岡市の精神科医院「ちはやACTクリニック」。
=2015/09/25付 西日本新聞朝刊=
せっかく上手く行っていた在宅医療も、お役所に分断された。
しかしそもそも、地域に出ていく精神科医が全国に何人いるのか。
何十人しかいない、らしい。
まだまだ始まったばかりの、精神疾患の訪問診療。
これこそが、総合医の仕事であると思うのだが・・・
まさか、認知症も専門医だけ、とはならないだろうね。
でも、これからの医療は専門、非専門を問わず、外に出て行く時代である。
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精神疾患 訪問診療が効果 重症者に対応 経験者の支援も さがアクト
2015年09月25日
http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/197247
自宅にこもった精神疾患の重症患者を在宅でケアする地域生活支援プログラム「SAGA-ACT(さがアクト)」が設立半年で少しずつ効果を上げている。アクトは外出できない患者を訪問医療で支える仕組み。対話を重ねるうちに心を開く患者もいる。ACT全国ネットワークによると、九州では5カ所目。さがアクトは精神疾患の経験がある「ピアスタッフ」も「仲間」として支援に加わっているのも特徴だ。
さがアクトの設立者は、同市川副町鹿江の精神科医院「より添いとたい話の診療所」の谷口研一朗院長(45)。「統合失調症やうつで地域から孤立している患者の治療や自立機会をつくろう」と4月、市内の訪問看護ステーション「えのか」の協力を得て始めた。
利用者登録すると、医師が毎月数回、訪問診療する。看護師、精神保健福祉士、作業療法士などの「支援員」11人が週2回、買い物や家事、会話の相手を務める。症状の急変にも24時間態勢で対応する。
潜在需要は高く、利用者は設立半年で佐賀、福岡両県の18~60代の約50人に広がっている。
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「僕は元気に戻れるでしょうか」。15日の訪問診療。佐賀県内の40代男性は無表情でつぶやいた。統合失調症で入退院を繰り返し、約3カ月前にさがアクトにつながった。妄想や幻覚があるが、回復を願い葛藤。「前より薬が減った。元気になれます」と谷口院長が告げると、男性は「英語を勉強したい。今からじゃ遅いかな」と意欲を示した。谷口院長が「遅くない。お金の管理も相談しよう」と励ますと、男性の表情は和らいだ。
20代女性の玄関前には大量の家具やごみが積み上げられている。統合失調症で呼び掛けに返事はなく、電話もつながらない。疾患への無自覚や拒否で患者と会えないケースも多い。そんな状況にもうまく対応しようと、さがアクトは病状や支援内容を関係者全員で共有。チームの多様な視点で、支援員が1人で悩みを抱えるのを防ぐためだ。
治療は焦らず、患者と寄り添って進めている。
30代の女性は他人と対面できない症状で6年以上、自室に引きこもっている。訪問を約20回重ねた今も、女性は階段の上、谷口さんたちは階段の下から声を掛け、置き手紙でのやりとりが続く。それでも女性は支援者らの声や名前を覚え、会話の内容も幅広くなってきた。谷口院長は「何年も人との接触を断ってきた女性が、複数の人と話せていること自体が大きな前進」と手応えを感じている。
∞ ∞
精神疾患の経験があるピアスタッフは2人で、症状のつらさが分かる仲間として患者を支えている。
看護師の浦川香保里さん(31)は病院に勤務していた25歳の時、統合失調症と診断された。「幻覚や幻聴、心の痛み、偏見の苦しみは経験して初めて分かったこと。『私もそうだった』と語り掛けると相手が心を開いてくれたり、治療に積極的になったりすることがある」。自らも治療で穏やかな日常を送れるようになり、さがアクトで働けることが心の支えという。
さがアクトは就労支援も考えているが、今は医師が谷口院長だけで対応には限界もある。医療関係の協力者を増やすのが課題だ。
利用は電話での相談にも応じている。さがアクト=0952(20)1286。
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【ワードBOX】ACT(アクト)
1960年代に米国ウィスコンシン州の公立病院で始まった精神疾患者の地域生活支援「assertive community treatment」の略語。ACT全国ネットワークによると、国内では28事業所が実践。九州の5カ所は、佐賀市の「さがアクト」▽長崎県雲仙市の「南高愛隣会」▽福岡市と北九州市の「Q-ACT」2カ所▽福岡市の精神科医院「ちはやACTクリニック」。
=2015/09/25付 西日本新聞朝刊=
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この記事へのコメント
ホントだ.......
精神疾患の在宅医なんて 周りにいません
国は地域で....地域でという割には 進まないのが現状ですね
先日 精神疾患の方と二人で 一般公開日の老人福祉センターにお出かけして
お風呂に入ってきました とっても 笑顔になります
地域包括ケアシステムの構築といわれるけど
今いち わかりません
ボランティアの手を借りてのボランティアさんって誰?
先日 市のボランティア団体が集まり 市民活動センター主催の市民活動祭に ハンドアロママッサージボランティアのブースで出展しました
ボランティアさんたちの顔が見えるかと運営から関わり 作り上げたイベントでした
ボランティアさんも それぞれの趣旨を持って 活動されています
んんんん?地域包括ケアシステム構築って なんだろう?
Posted by 宮ちゃん at 2015年10月03日 09:40 | 返信
精神疾患者への訪問診療が拡大されていくことは、患者さんのためでもあり、尚且つ社会の利益に
繋がる歓迎される事項だと思います。何かしらの事情から精神を病み、社会との繋がりを断たざるを
得ない状況に追い込まれてしまった人の中には、どれだけ優秀な人材が隠れているのか、計り知れない
ように思います。高齢化社会と少子化社会が、手を繋ぐように進み続ける世の中にあって、人出不足
人材不足を、ただ嘆いているだけでは埒が明かない切迫した事態だと思っています。そんな時代の渦中、
ACTのように積極的に介入し接触を試みて、人に救いの手を差し伸べる機関があることは、とても
頼もしく、喜ばしい朗報だと思いました。
そして、人間を丸ごと診る事ができる、長尾先生が切望しておられるように、総合医こそACTのような
取り組みに相応しいと、私も思います。長尾先生が「精神疾患の在宅医療は大好き」と仰っている、
そのお気持ちこそが患者さんにとって何よりの薬 = 回復への足掛かりになる、と印象を受けました。
薬漬けによる薬害に陥らない的確なタイミングで、救出を図る術が増えますように、と願っています。
Posted by もも at 2015年10月03日 07:05 | 返信
精神科の在宅診療も最近はよく見かけます。ただし認知症への薬物治療は相変わらず頓珍漢なケースが
散見されますので、薬害をまき散らすのであれば、精神科医は認知症の在宅には参入しないほうが患者のためかもしれません。もちろん例外もあるでしょうが。
Posted by ある実践医 at 2015年10月04日 12:16 | 返信
書き込みをしていると、検索ワードから提供されるHit記事の種類が増えます。
せっかくなので、こちらにも少し引用しておきます。
日本でACTの取り組みをなさった元祖が、高木俊介Dr.ですね。
講演会での高木語録が、とても素敵です。
...以下、引用...
1、 病院に期待するのはやめなはれ。病院はもうすぐ消滅します。
2、 精神医療に期待するのもやめなはれ。精神医療・医学は全くあてになりません。
絶望的になりませんか?ではどうしたらいいのか、3つ目は、私がやっているACTについて話します。
地域の現場でしていることが、皆さんのヒントになればいいなと思います。
(中略)
さてACT-Kでは1億円で100人を看るので、1人年間100万です。高いと思いますか。
日本の精神医療は35万床、入院医療費は1兆4000万円、1人1年間入院で400万円です。
ACT-Kのように濃厚な地域支援を作っても、医療費は病院の4分の1です。
この数字は厚労省が認めていますし世界でも証明されています。
...引用終わり...
高木Dr.曰く試算の基準は、自動車とスタッフがあればいいと実践。スタッフ10人で1人当たりの
訪問先=患者数10人を受け持つ計算から、先のコメント医療費1/4と説明されています。
精神科訪問医療について、実践済み経験からの御発言は、とても力強く説得力があります。
"地域包括"という先駆者のお言葉は、分野を超えて高齢者福祉の課題にも通用するのでは
ないでしょうか。
...それにしても、率先し牽引して下さる、お医者さんが必要とされますね。
Posted by もも at 2015年10月04日 05:29 | 返信
精神病の急性期状態の対応をした家族としては、慢性期状態になって落ちついたとしても、一般医に精神病を診てもらおうとは思わないです。
統合失調症でも、慢性期になれば落ち着いて過ごされていますし、とてもピュアでよい人たちであるから、関わる側が癒されたりすることも分かるのですが、私が家族なら一般医に診てもらうのは怖いです。
やはり、向精神薬は最小量で寛解状態を維持したい訳ですが、急性期状態の酷い状態を全く知らない医師に薬の調整を任せる気にはどうしてもなりません。
精神科医であれば、その人の急性期状態を診ていなくても、他の患者さんを多く診ているので、分かってもらえると思うので、まだ一般医に診てもらうより安心できると思います。
でも、精神科の訪問診療をしているお医者さんは少ないので、訪問診療を任せないとどうしようも無くなったら、一般医にお願いするしかないのでしょうね。
Posted by みるく at 2015年10月04日 08:19 | 返信
ハローワークには地域密着型のサービスがあります。おすすめは支援サービスです。地域密着型の看護師転職サービス特徴は、情報料が少ない担当者の教育サービスがあります。クリニックも比較すると少なく、情報量がいます。そのため看護師転職サイトを利用した方が間違いないでしょう。看護師のこっかしかくがあればば、看護センターでも働くことができます。転職を探す看護師は多い、条件のよいクリニックを探して転職を繰り返す人もいるます。看護師の職場を変えるには多くメリットがあります。はかわります。そこで性格をよく考えて、どこに重視すればよいのか、きっかけは転職動きを始めることができるでしょう
Posted by 看護師転職 at 2016年05月16日 02:27 | 返信
私の母がかかっている精神科医が訪問診療でウチに来ます。最初は家の場所がわからないという理由で遅刻をしで夜遅くまで居ました。最近では晩御飯を食べている時に突然やって来てヅカヅカと入ってきました。多分また来るはずです。そして日時は分かりません。抜き打ちで突然やってきて家に入って来る事にストレスを感じ私の方が鬱になりそうです。なので訪問診療と精神科医に非常に嫌なイメージを持ってしまいました
Posted by ただの無職 at 2017年01月18日 05:07 | 返信
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