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看取り現場で救急車を呼ぶと警察が来る

2015年11月21日(土)

10年前から、在宅看取りで救急車を呼ぶと警察が来て検死になることを
1000回くらいの講演や何十もの記事や、自費で何万部も刷て配布した
「はじめての在宅医療」で、医療・介護者や市民に啓発してきたのだが・・・
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忙しい毎日、夜間の往診や深夜の看取りが続いている。
今日も、朝から警察からの電話に起こされた。

ある施設からの電話だった。


「もしもし、○○施設ですが、○○さんが亡くなり
 救急隊を呼んだら、警察が来たのですが・・・」と泣きそうな声の職員。

「そりゃ、死後硬直が来ていたら、救急隊を呼ぶと警察に連絡が行くよ」と私。

「もしもし、お医者さんですか?
 これから警察の検死になります」と電話を変わった救急隊員が説明してくれる。

「そんな必要はありませんよ。私が行きますから」と言ってはみたが、

「だめです、警察の検死が必要ですから。
 町医者は関係ないです」と、いっさい、私の言うことは聞き入れない。


その施設は有名な施設。
介護職員たちは、みんな威張っているブランド施設なのに。

しかし「看取りの時は救急隊を呼ばずに主治医に電話する」という基礎知識を
知っている職員は誰もいなかった。

ついでに言うと、消防も警察も、在宅看取りにまったく興味が無い。
だから、普通の平穏死にやざわざ検死をしている。

消防隊長や警察署長に、「在宅看取りの法律について説明しますよ」と言っても
「在宅医療なんて我々には関係ない」で、興味も意欲も何も無い。


それでいて、1時間後に施設の職員がまた電話をしてきた。

「長尾先生、警察が長尾先生に普通の死亡診断書を書いてくれと言っていますが」と。

もちろん20年も診てきた患者さんなので、喜んで診断書を書きに行ったが、
施設の職員も消防も警察も、看取りの法律を誰もコレポッチも知らないのがショックだ。

この10年間、膨大なお金と労力を費やして、看取りの啓発を行ってきたのだが
まさに力が抜けるような事が、今でも起こっているのだ。

介護の現場の看取りの知識はこの程度なのか。
ならばレベルをさらに落としてやらないと、と思い直した。

警察や消防には、さらに一段落として説明しないと。
いや、まず看取りに少しでも興味を持って貰わないと。



実は、11月28日に「ピンピンコロリなんか、無理なん知っとう!?」
という演劇を新神戸オリエンタル劇場で、現役の在宅スタッフが演じることになっている。

今朝、起きたことはこの演劇の台本とまったく同じだったので本当に驚いた。
まさに正夢を見たことになる。

この演劇をやる社会的意義は充分にある、と確信した。
しかしその施設の職員にそんな演劇の話をしたが、残念ながら、誰も興味を示さない。

消防や警察にも言ったが、同じく、無反応。
現場の医者たちが、消防隊や警察に扮してリアルに演じるというのに・・・

地域包括ケアなんて高尚な言葉を使うより、いろはの、いの字から
あるいは、無知の知というか、ゼロから勉強していくことが大切だ。

まだまだやるべきことが沢山ある。


PS)
11月28日の演劇は、残席がごく僅かになりました。
まもなく、満席となります。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

看取り現場で救急車を呼ぶと警察が来る ・・・・・・ を読んで


症状が急変した時に ・・・・・・ 慌てて救急車を呼ぶこと
なら理解出来るものの、既に事切れている人を救急車
でわざわざ病院の搬送して何をしようとしているのか?
理解出来ません。


長尾先生が、手を変え品を変えて啓蒙しても、なかなか
医療者・介護者・在宅患者の家族に思いが届かないこと
に、虚無感を感じていることは想像に難くありませんが
・・・・・・・・、


認知症について、認知症予防について、尊厳死・平穏死、
そして安楽死等などについて、今ほど頻繁に新聞やTV
で題材として取り上げられることを、5年前に想像出来
たでしょうか? これらのことは、勝手に(自然に)拡
散してきて、今に至った訳ではないと思います。


これらの言葉が、今ほどの市民権を得るには、先人たちの
途方もない努力と汗があったことと思います。


“看取り現場で救急車を呼ぶと警察が来る”・・・・・ ことに
ついても、まだまだ浸透度は深くないのだと思います。


お医者さんの世界でも、抗認知症薬の処方について、投与が
多過ぎた場合、興奮状態を引き起こすことが経験的に分って
いるにも拘わらず ・・・・・・ “標準治療” が、薬の増量を指示
していることから、抗認知症薬の減量が進んでいない現状が
あります。


医療を生業にしているお医者さんの間でさえ、正当な対応が
広がらない現状を見ると、容体が急変した時、後先のことを
考えることなく、条件反射のように救急へ通報し、救急車を
呼んでしまうことは、止むを得ないことのようにも思えます。


100回言って実践されなかったとしても、101回目の啓蒙で
受け容れられることがあるかも知れません。


不本意であり、腹立たしいこととは思いますが、在宅看取
り医師のトップランナーの一人として、その辺の啓蒙活動
を引き続き実施して行って欲しいと思っています。


いつか ・・・・・ 近い将来、看取り現場では、安易に119番
通報〔救急車の出動要請〕をせずに、かかりつけ医や
在宅看取り医師に、まずはともあれ第一報を入れること
・・・・・・・ が、常識となる日がくると信じています。


その時まで、長尾先生が引き続き“普及・啓蒙活動”を
継続して戴けたら、有難いと思っています。

Posted by 小林 文夫 at 2015年11月21日 07:56 | 返信

救急隊や警察の法律(?)がおかしいんですよね
時代にあった対応に変えていくべきです

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年11月26日 12:30 | 返信

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