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否定でも過剰でも無い患者中心のがん医療

2015年11月30日(月)

当院では毎日のように、様々な臓器のがんを発見、診断している。
一方、がん治療の後半戦や終末期の方に寄り添う在宅ホスピスもしている。
今、多くの国民が望むのは「否定でも過剰でも無い」患者中心のがん医療である。
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先日、元・慶応大学の近藤誠氏をどう思うか、という取材を受けた。
その記者も近藤誠氏に”洗脳”されているので、何を話してもチグハグである。

「がんもどきのどこが間違っているのですか?」と来る。
「あのね、君ね、どこがって聴かれても、どこから話そうか・・・」

大半の記者さんは、がんもどきが大発見であると、思いこんでいる。

「たしかに、がんもどき、のようながんはありますよ」

「やっぱり! それは発見ですよね!?」

「いや、そんなもん昔から誰でも知っていますよ。天寿がんって言うじゃないですか?」

「天寿がん??」

「ほおっていても一生、それでは死なないがんのこと。甲状腺がんなんてそれが多い」


この辺で、もう記者さんの頭の中が混乱してきて
さらにトンチンカンな質問ばかり飛んでくる。

実は、説明の前に、記者さんの”洗脳”を解くだけで、最低1時間はかかる。
忙しいのにどうしてこんなことに時間を割かないといけないのか、と情けなくなる。

「あなたのような洗脳されたジャーナリストが洗脳から解かれる物語を書いたんです」
なんて言っても、ちゃんと読んでないので「ほんまかいな」という顔でボーっとしている。

「実は、私が書いた本で言いたいのは、近藤誠氏を否定することではないのですよ。
 むしろ行きすぎたがん医療、患者中心で無いがん医療に警鐘を鳴らすために書いたのですよ」

記者はパニックになる。

「たとえば、私はこんなことを言いたいのではありません」→こちら
と記者が持っている週刊新潮のコピーを解説すると、さらに混乱される。

最後に「近藤先生は惜しかったね、帯に85歳以上の人限定!とさえ
書いておけばなんの問題も無かったのに」と言うと、理解不能、という顔をされる。



先日、毎日新聞に、反近藤本として間違ったカテゴライズで扱われていた。→こちら
だいたい、近藤氏のインタビューをまたまた載せていること自体が理解できない。

この記事を書いた記者もまた”洗脳”されている。
どうして、まともなメデイアが一人でも現れないのだろう、と絶望的な気分になる。


しかし最近、希望の持てる記者に出会った。
きっといい記事を書いてくれるんじゃないかな。

ちなみに、5刷りになった拙書「長尾先生、近藤誠理論の・・・」
ちゃんとした書評やインタビューはまだ無い。

私の力不足。
人に伝える能力が足りない。


皮肉なことに一番理解してくれているのは一般の読者の方がた。→こちら
「抗がん剤10のやめどき」もまだまだ多くの人に読まれている。→こちら

しかしどのメデイアも、極論しか取り扱わない。
私が主張したいのは、中庸であり、物語なのだ。

そして患者さんが一番知りたいのも、そこなのだ。
でもそれを伝えるのが一番難しい作業。

実は、抗認知症薬もそう。
なんでもそう。

こんなブログを書いていて良かったなあ、と思うのは
分かっている人がこんなにいるんだ!と分かったこと。





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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

書籍に挟み込まれている読者カードに、率直に、読み終えたばかりの感想が書き込まれているのは
とてもリアルな暖かさを感じます。そして、投函されて届いた葉書きを大事そうに、線引きされて、
ありがたく読み終えた様子が伝わりました。昔は『文通』という手段が、そういう時代があったな
と思い起こしました。

Posted by もも at 2015年11月30日 11:51 | 返信

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