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診療報酬改訂に想う
2015年12月26日(土)
来春は2年毎の診療報酬改訂だが、プラス改訂に決まったことが
大きく報道されているが、そのプロセスや意味を知る人は少ない。
プラスやマイナスより、もっと大切なことをやって欲しいのだが・・・
大きく報道されているが、そのプロセスや意味を知る人は少ない。
プラスやマイナスより、もっと大切なことをやって欲しいのだが・・・
診療報酬の規則が複雑すぎる。
だから分かり易い規則にして欲しい。
そして訪問看護を全て医療保険に戻して欲しい。
そうでないと在宅医療の推進には足かせになる。
そんな雑感を医療タイムスの連載に書いた。→こちら
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
医療タイムス12月号 診療報酬改訂に望むこと 長尾和宏
診療報酬改定のニュースが流れる季節になった。今回、7対1の急性期病院と調剤薬局に厳しい内容になるという。一方、在宅医療に関ることは、おそらく前回4分の1に減額された集合住宅における訪問診療の再評価になるのだろうか。せっかく診療報酬体系を改定するのであれば、以前から提案しているように思いきった簡素化を図って欲しい。少なくともこれ以上複雑になることだけは避けて頂きたい。これが現場の本音ではないか。
地域包括ケアという国策を実現するための改定にして欲しい。しかし地域包括ケア診療料については一応登録はしたものの一度も算定することが無かった。患者目線からすれば算定しにくい点数であろう。多剤投与に関しても開業医にいくらペナルテイを課しても解決には至らないだろう。病院から10種類もの投薬が書かれた紹介状を持ってこられることは日常だから。当然、患者への啓発も急務だ。医療機関に有利な改定は、患者側から見れば当然不利な内容となる。目先の損得勘定ではなく公平感のある改訂にして欲しい。。
介護保険との同時改定を待てない、待つ余裕が無い項目もある。それは10年前から指摘し続けている訪問看護の診療報酬体系である。訪問看護は、依然として医療保険と介護保険の狭間に落ちたままに放置されている。いくら在宅推進という旗を掲げても、ケアマネが介護保険下の訪問看護を入れさせない歪んだ事態が一部とはいえ続いている。特別指示書に逃げればいいではないか、と必ず言われるがそんな問題ではない。すべての訪問看護を医療保険下に戻して頂かないと、そして医療保険下のみなし訪問看護を活用しないと地域包括ケアの推進は望めないと思うのは私だけか。2000年以前ののどかな時代の訪問看護を思い出して欲しい。股裂きにされたままの訪問看護制度こそが、医療と介護の連携の最大の阻害因子になっている。それに手をつけるのも来春の改定ではないか。つまり厚労省内部の連携に期待したい。病院や地域医療においても診療科を超えた連携、チーム医療や多職種連携が進んでいる。それらを統括している厚労省内部の連携にも期待したい。それが無いと上に掲げたような議論は前に進まないと感じる。総合医やかかりつけ医や在宅医療の掛け声はいいが、皮肉なことに制度自体が足かせになっている。在宅医の24時間対応についても一馬力には負担大きすぎる。どうして地域の慢性期医療病院との連携強化がもっと前面に出ないのか不思議でならない。大病院や急性期病院が慢性期医療の受け皿になり、慢性期病院がそこに入れない重症患者の受け皿になっているという現実を直視すべきだと思う。
今後、認知症の患者さんが増加するがそれに対応できない事例が続出するだろう。認知症はいくつかの合併症を有していることが多く、病院にも診療所にも真の意味での総合診療力が求められる。認知症を介護だけに押しつけても決して解決にはならない。介護の土台にはやはり医療が必要だ。以前から繰り返しお願い申しあげている診療報酬規則の簡素化を願う。対症療法的な施策ではなく、そろそろ根治療法的な解決策を期待している。以上、町医者の視点から勝手な要望ばかり並べてみた。現場も行政も政策も「統合」という理念を共有しないと2025年を乗り越えられない気がする。
だから分かり易い規則にして欲しい。
そして訪問看護を全て医療保険に戻して欲しい。
そうでないと在宅医療の推進には足かせになる。
そんな雑感を医療タイムスの連載に書いた。→こちら
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医療タイムス12月号 診療報酬改訂に望むこと 長尾和宏
診療報酬改定のニュースが流れる季節になった。今回、7対1の急性期病院と調剤薬局に厳しい内容になるという。一方、在宅医療に関ることは、おそらく前回4分の1に減額された集合住宅における訪問診療の再評価になるのだろうか。せっかく診療報酬体系を改定するのであれば、以前から提案しているように思いきった簡素化を図って欲しい。少なくともこれ以上複雑になることだけは避けて頂きたい。これが現場の本音ではないか。
地域包括ケアという国策を実現するための改定にして欲しい。しかし地域包括ケア診療料については一応登録はしたものの一度も算定することが無かった。患者目線からすれば算定しにくい点数であろう。多剤投与に関しても開業医にいくらペナルテイを課しても解決には至らないだろう。病院から10種類もの投薬が書かれた紹介状を持ってこられることは日常だから。当然、患者への啓発も急務だ。医療機関に有利な改定は、患者側から見れば当然不利な内容となる。目先の損得勘定ではなく公平感のある改訂にして欲しい。。
介護保険との同時改定を待てない、待つ余裕が無い項目もある。それは10年前から指摘し続けている訪問看護の診療報酬体系である。訪問看護は、依然として医療保険と介護保険の狭間に落ちたままに放置されている。いくら在宅推進という旗を掲げても、ケアマネが介護保険下の訪問看護を入れさせない歪んだ事態が一部とはいえ続いている。特別指示書に逃げればいいではないか、と必ず言われるがそんな問題ではない。すべての訪問看護を医療保険下に戻して頂かないと、そして医療保険下のみなし訪問看護を活用しないと地域包括ケアの推進は望めないと思うのは私だけか。2000年以前ののどかな時代の訪問看護を思い出して欲しい。股裂きにされたままの訪問看護制度こそが、医療と介護の連携の最大の阻害因子になっている。それに手をつけるのも来春の改定ではないか。つまり厚労省内部の連携に期待したい。病院や地域医療においても診療科を超えた連携、チーム医療や多職種連携が進んでいる。それらを統括している厚労省内部の連携にも期待したい。それが無いと上に掲げたような議論は前に進まないと感じる。総合医やかかりつけ医や在宅医療の掛け声はいいが、皮肉なことに制度自体が足かせになっている。在宅医の24時間対応についても一馬力には負担大きすぎる。どうして地域の慢性期医療病院との連携強化がもっと前面に出ないのか不思議でならない。大病院や急性期病院が慢性期医療の受け皿になり、慢性期病院がそこに入れない重症患者の受け皿になっているという現実を直視すべきだと思う。
今後、認知症の患者さんが増加するがそれに対応できない事例が続出するだろう。認知症はいくつかの合併症を有していることが多く、病院にも診療所にも真の意味での総合診療力が求められる。認知症を介護だけに押しつけても決して解決にはならない。介護の土台にはやはり医療が必要だ。以前から繰り返しお願い申しあげている診療報酬規則の簡素化を願う。対症療法的な施策ではなく、そろそろ根治療法的な解決策を期待している。以上、町医者の視点から勝手な要望ばかり並べてみた。現場も行政も政策も「統合」という理念を共有しないと2025年を乗り越えられない気がする。
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この記事へのコメント
長尾先生に大賛成です
生活を支える視点の考え方の介護のスタッフのみなさんは すべての方とは言いませんが
残念ながら 利用者さまの状態悪化に対してのアセスメントができない方が多く スイッチの切り替えができないですよね
状態悪化でもディサービスを勧めたり ヘルパーさんでの身体介護の導入を勧めたりして
利用者さま 患者さまの必要なプランになっているのか疑問です
…かと言って
お医者さまも医療が必要じゃないのに なぜ訪問看護が必要なのかと 訪問看護指示書をお書きにならないお医者さまもいらっしゃいます
看護師って 診療の補助と療養上の看護が業務なんですよね
お医者にとっては どうも 診療の補助をするものだとお考えになっていらっしゃるようです
身体介護は自由に訪問に行けるヘルパーさんと違い なぜか療養上の看護にも医師の訪問看護指示書が必要であるのが どうも納得できないです
訪問看護指示書が必要な方は 医療保険を使う場合と 特別管理料 麻薬使用の場合にして
療養上の看護は看護師という国家試験資格者の采配で自由に看護をさせてくださらないかと思っています
どこに訴えればいいかしら〜?
本当は 医療保険 介護保険に続く 看護保険ってのも 作っちゃえばいいのにね…
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年12月26日 10:06 | 返信
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