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化血研問題は誰が悪いのか
2016年01月05日(火)
連日、化血研の不正が報じられているが一般の方には
どういう実害があり、誰が悪いのか、サッパリ分からないのではないか。
MRICにロハスメデイカルの川口恭氏と前参議院議員の梅村聡氏の論説がある。
どういう実害があり、誰が悪いのか、サッパリ分からないのではないか。
MRICにロハスメデイカルの川口恭氏と前参議院議員の梅村聡氏の論説がある。
医者は、2人の論客の意見をよく読んでおこう。
薬害エイズ事件の本質は何だったのか。
それで何がどう変わったのかも知っておくべきだろう。
そして化血研問題がなぜ起こるのかを知っておくべきだ。
こうした問題はおそらく他にもあり、何かが無い限り表に出無いのかも。
要は、システム、ガバナンス、管理、構造の問題なのか。
ならば、かなり普遍的なテーマを内包しているとも言える。
さらには、危機管理、リスクマネジメントの問題とも言えるのか。
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化血研不正で分かった血液製剤の危うい構造
『ロハス・メディカル』編集発行人 川口恭
(この文章は、『ロハス・メディカル』2016年2月号に掲載されるものです)
2015年12月29日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
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化学及血清療法研究所(以下化血研)が承認書と異なる手順で血漿分画製剤を生産し、その隠蔽を続けていた問題には、衝撃を受けた方も多いことでしょう。なぜ化血研は違法と知りながら隠し続けたのか、その周辺事情を探っていくうち、単純な勧善懲悪論では済まされない、危うい構造が隠れていると分かってきました。
まず、最初に用語を説明してしまうと、血液から赤血球、白血球、血小板を取り除いた残りの部分が血漿です。
で、化血研が製造していた血漿分画製剤というものは、普通の医薬品と少し性格が異なることを知っていただく必要があります。
何が違うかというと、製剤の有効成分を、メーカーである化血研が化学合成で作り出しているわけではないという点です。
では一体誰が作り出したのか? それは血液を提供した人たち、その遺伝子なのです。
私たちの血液の中には、遺伝子によって作られた生理的働きを持つ様々なタンパク質が、雑多に存在します。病気やケガで、自らはそのタンパク質を作れないか、自ら作る量では足りないという時に、他人が作ったタンパク質で補う、それが血漿分画製剤の役割です。
化血研などの国内メーカーがやっているのは、献血由来の血漿に含まれる有象無象の混合体から、必要とされるタンパク質を純度高く抽出するという工程に過ぎません。
そして、このことから当然分かるように、メーカーは、原料の血漿からある有効成分を抽出した残りから別の有効成分を抽出し、そのまた残りからさらに別の有効成分を抽出し、そのまた残りから……という連続の工程で複数の製剤を抽出しています。この流れのことを「連産」と呼びます。連産できる各製剤の量の比は、元々血液に含まれていた有効成分の割合を反映して、ほぼ一定になります。
ここまでが、これからの話を理解していただくための基礎知識です。
●「国内自給」という国策
さて、化血研の第三者委員会報告書には『「自分たちは血漿分画製剤の専門家であり、当局よりも血漿分画製剤のことを良く知っている。」、「製造方法を改善しているのだから、当局を少々ごまかしても、大きな問題はない。」という「研究者としてのおごり」』があったと書かれています。
監督官庁で生殺与奪の力を持っているはずの厚生労働省に対して驕りを持てるとは不思議な話だと思わないでしょうか?
ここに、血液製剤の抱える特殊な事情があります。
2002年制定の「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(以下・血液法)」に、「献血による血液製剤の国内自給」との方針が明記されています。「献血による国内自給」が国策となったのは、血友病の方などに多くの感染者を出した薬害エイズ事件が契機となっています。
法律に書いてあるわけですから、厚労省には「献血による国内自給」を達成すべく努力する義務があり、また患者によっては命に関わる薬ですから安定供給も大前提です。自給による安定供給を達成すべく、その製造を任せていたメーカーの一つが化血研でした。
第三者委員会報告書には、『化血研の製造する製剤の中には、シェアが高く代替性が困難なものが多い』とも書かれています。つまり、自分たちが製造を引き受けなかったら、厚労省だって困るはずだ、と思い上がる要素はあったのです。
もちろん世界を見渡せば、化血研が作っているものを製造供給できるメーカーは複数存在するのですが、ベトナム戦争をきっかけに血液製剤の輸出は実質的に禁じられている(*注参照)ため、国内の献血を原料とするとなると、ほぼ自動的に国内メーカーに製造させざるを得ず(原料血漿の国外持ち出しが難しいため。海外メーカーが国内に工場を造れば別)、その中では化血研の技術力は一定の評価を得ていました。厚労省からすると、他に選択肢がなく、そう強くも出られない相手だったということなのです。
●市場が先細り
強く出られない理由は、まだあります。
血漿分画製剤が最初は大変に儲かったのだけれど、今では旨みがなくなり、しかも市場は先細りする一方ということです。このため、新規参入を期待することすら難しくなっていました(ただし化血研自体は、現在もワクチンなどでガッチリ儲けています)。
血漿分画製剤の市場が先細りになる理由は二つあります。
一つ目が、主に海外メーカーの遺伝子組換製剤にシェアを奪われ続けていることです。
理屈上、体内で作られているタンパク質と、そのアミノ酸配列を指定する遺伝子が同定されれば、その遺伝子を細菌や細胞に組み込んで、その物質だけ大量に作らせることができます。その方法で製造されたものが遺伝子組換製剤です。
ピンと来ない方には、今まで他人から提供される臓器を移植するしかなかったのが、iPS細胞から臓器を作れるようになったのと同じだと言ったら、その性格の違いを分かっていただけるでしょうか。
ヒトの血液に潜む未知の病原体による感染のリスクが理論上なくなること(組み込む細胞由来のリスクは残ります)、医薬品としての改良を行えること、原料の量の制約から解放されることなど、遺伝子組換製剤には多くの優れた点があります。改良して新製品とすることで薬価を付け直せるというメーカーにとっての経済的メリットもあります。
患者にとっても遺伝子組換製剤のメリットは大きかったため、当初は血漿分画製剤の花形的存在だった凝固因子製剤もシェアを落とし続けてきました。
日本勢が遺伝子組換の技術を持っていなかったわけではありません。1988年に我が国の遺伝子組換医薬品第1号として登場したのは、他でもない化血研のB型肝炎ワクチン「ビームゲン」でした。
それなのに血漿からの抽出を続け、遺伝子組換製剤を開発しなかったのは、先ほど説明した連産構造と輸出禁止が影響したと考えられます。
血漿から生産できる連産品の量の比は、ほぼ一定になると書きました。つまり、国内だけを販路として、最も売れる製剤の量に合わせて原料血漿を準備すると、その他の製剤に関しては原料が多過ぎることになります。
現在のところ日本で最も大量に売れる血漿分画製剤はアルブミン製剤です。困ったことに、アルブミンというのは、連産の最後にようやく抽出できるものなのです。
つまり、アルブミンの需要に合わせて原料を用意して製造した場合、凝固因子製剤などの半製品も出来てしまい、輸出できない以上は確実に余るのです。製品にして出荷しなければ全部捨てるしかないわけで、元が善意の献血であることを考えたら、それを捨ててまで遺伝子組換製剤を製造しようとは思わないことでしょう。
市場先細りの二つ目の原因は、薬価の持続的な下落です。
血漿分画製剤も、卸から先の流通は通常の医薬品と基本的に変わりません。通常は2年に1度ある薬価改定の対象となっています。
薬価改定は、市場の実勢価格に合わせていく方法で行われます。国内メーカーが複数(2015年では3社)存在し、加えて海外メーカー製品も入ってきているという競争があって、しかも納入価格の交渉は卸業者と医療機関との間で行われるため、メーカーが何と言おうが、医療機関への納入の際には、薬価から値引きが行われます(ここの所には医薬品流通の抱える大きな問題が存在するのですが、今回は触れません)。
この結果、改定の度に薬価が下がります。これを20年以上続けてきた結果、利幅がとても薄い製品群となってしまったのです。通常の医薬品であれば、改良を加えて新製品として出し薬価を再取得することも可能なのですが、血漿分画製剤ではほとんど期待できません。同じ献血から作られる輸血用血液製剤(赤血球や血小板など)に競争がなく、その薬価は下がるどころか、安全対策を加える度に上がり続けているのとも好対照です。
●割当配給制の原料
さて、血液製剤やワクチンなどの「生物学的製剤」は、原料と製造法が承認書通りか確認される一般医薬品同様のチェックに加えて、国立感染症研究所による国家検定で、製品そのものの品質もチェックされています。純粋な工業製品と異なり、原料や製造手段に生物由来の物を使い、その性質に元からバラつきがあるため、承認書通りに製造していたとしても基準から外れた物が出来てしまう可能性はあるためです。
化血研の製品群も、国家検定は通り続けていました。つまり、品質の基準は満たしており「自給による安定供給」へは貢献していたわけです。残った問題の、承認書と違う方法で製造していた法律違反に関して、承認書の方を実際の製造法に合わせて訂正することで解消をめざすというのが、部外者から見れば当然の判断です。
しかし、第三者委員会報告書は『一度開始された不整合や隠ぺい工作を当局に知られることなく中止することは極めて困難であり、化血研の役職員は、先人達が始めた不整合や隠ぺいを当局に報告する勇気もなく、それらを改善する方策も見つからず、先人達の違法行為に呪縛されて、自らも違法行為を行うという悪循環に陥っていた』と記します。
承認書に訂正を加えるには、製造法の変更申請をする必要があります。そして、変更が認められると、その日までに国家検定を通過している製品か、製造変更承認日以降に生産を開始した製品でないと出荷できなくなります。
一般に、生産開始から国家検定終了まで9カ月近くかかるそうです。その間に欠品が起きないよう、前もって9カ月分を余計に生産して在庫にしてから変更申請する、というのが通例となっているそうです。
今回の化血研にとって致命的だったのは、連産の最も上流にある凝固第9因子製剤を抽出する段階で承認書と異なる工程を入れていたため、もし変更申請するなら、下流の計10製剤でも同時に変更申請が必要になってしまった、ということです。その中に、国内の需要が最も多い、つまりは原料の余らないアルブミン製剤が含まれており、余計に9カ月分作るためには、原料も9カ月分余計に必要でした。
ここで「国内自給」が壁となります。余計に生産するための原料血漿は、献血由来の物を日本赤十字社から買うしかなく、しかし各メーカーが買える量は、1年ごとに国の薬事・食品衛生審議会血液事業部会で決定されることになっています。割当量は献血の目標量とも連動しており、例年以上の割当を受けるためには、皆を納得させる理由が要ります。
ですが、原料が余っていて製造法改良のメリットが見えにくい凝固因子製剤で製造変更するだけでも不自然なのに、それだけ多くの製剤を道連れにするなんて、怪しまれるに決まっています。化血研は、既に製造法が違うとバレるリスクを冒してまで、割当を増やそうとはしませんでした。
要するに化血研は、課せられた「国内自給の国策」と「安定供給」と「法令遵守」のすべてを満たすことがどうしてもできず、法令遵守の部分で頬被りをした、ということになります。
この問題、まだまだ奥が深そうです。次号以降も報告を続けます。
*注 国会で、兵士の治療に用いることができる「後方支援物資」ではないかとの議論があり、1966年から、武器に転用できる物資の輸出を制限する「輸出貿易管理令」の対象となっています。
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ご覧になる環境により、文字化けを起こすことがあります。その際はHPより原稿をご覧いただけますのでご確認ください。
MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
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化血研問題は厚労省の問題 トカゲの尻尾切りで済ますな
医師・前参院議員・元厚生労働大臣政務官 梅村聡
(この文章は、『ロハス・メディカル』2016年2月号に掲載されるものです)
2015年12月30日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
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化学及血清療法研究所(以下化血研)が承認書と異なる手順で血液製剤を生産し、その隠蔽を続けていた問題は、ある意味、厚労省の体質が生んだ事件でもあります。厚労省が自らの体質を直さず、化血研の処分というトカゲの尻尾切りだけで済ませるなら、いずれ同じようなことが再発するでしょう。
まず大前提として、化血研を擁護するつもりは、毛頭ありません。彼らのしてきたことが、患者さんや国民に対する許されざる背信行為であることは疑いもない事実です。
ただ、その上で、この問題の原因を化血研だけに求めて厳しく処分したとしても、また同じようなことが繰り返されるに違いない、と思うのです。
化血研に不正を隠し続けるに至らせた監督官庁としての厚生労働省の体質が、何も変わらないままになりそうだからです。
厚労省に限らず行政全般に多かれ少なかれ言えることですが、あちら立てればこちらが立たぬというような規制があって、普段は守らなくても問題にされないのだけれど、それで良いのかと行政に確認したり、あるいは事件事故が起きたりした瞬間に処罰が発動されるということ、皆さんも身の周りで思い当たらないでしょうか。
厚労省の体質が今回の事件に影響したポイントは二つあります。
●訊いたが最後
まず、行政に確認することの恐ろしさ、です。訊かなければ何も起きなかったのに、訊いたばっかりにヒドイ目に遭う、のです。
こんな例がありました。某県で、ある民間病院が県道を挟んだ反対側に別の医療センターを作りました。道が基準幅より太ければ別の医療機関として県知事へ届け出る必要があったのですが、そこは基準以下だったので分院としての届け出で済みました。ところが、県が拡幅工事を行った結果、2施設間の県道の幅が基準を超えてしまいました。お分かりのように、病院側は何も悪いことをしていません。でも、念のためと県へ問い合わせたら、別の医療機関としての届出を再度させられたというのです。他の部署とは言え自分たち(県)が原因を作ったにもかかわらず、事情の斟酌は一切なかったそうです。相手が監督機関でなかったら、損害賠償の請求を検討してもおかしくない事例だと思います。
今回の化血研の件も、もし厚労省に相談したら、すぐに全部、いったん生産を止めて製造変更を申請しろとなったに違いありません。でも、それができるくらいなら、偽装などする必要もないのです。
製造変更が認められると、それまでに国家検定を通過した製品か、製造変更承認日以降に生産を開始した製品でないと出荷できなくなります。生産開始から国家検定終了まで9カ月近くかかります。その間に商品を欠品させると、患者さんや医療界に大変な迷惑がかかるので、9カ月分の在庫を持ってから製造変更を申請するというのが通例となっているそうです(本誌特別記事参照)。つまり、前もって9カ月分余計に生産してからでないと変更申請できません。しかし、余計に生産するための原料血漿は日本赤十字社からしか買うことができず、献血の目標量と連動する割当量は、1年ごとに国の薬事・食品衛生審議会血液事業部会で承認されることになっています。例年以上の割当を受けるためには事情を説明しなければならないけれど、説明した瞬間に生産を止められて大混乱になる、ということが目に見えているわけです。厚労省が一緒に知恵を絞ってくれる、などということは期待できません。化血研は一体どうすれば良かったのでしょうか。
つまり最初に悪事に手を染めたのは化血研の自己責任ですが、その悪事を告白して是正する更生を妨げていたのは、紛れもなく監督官庁としての厚労省の体質です。今現在も、似たようなことをしていて告白できずに震えているメーカーや研究機関があるかもしれません。
●結果責任だけ問う
もう一つのポイントが、旧内務省に起源を発する省庁ならではの「結果責任だけ問う」体質です。悪い事が起きないように常時監督しているのは手間と人手がかかって面倒なので、何か起きた場合に、その責任者を吊るし上げて一罰百戒にするというものです。
体質のよく分かる好例が、2015年10月から始まった医療事故調査制度です。目的は再発防止・医療安全と謳われているにもかかわらず、届出の対象は死亡事故のみとなりました。1件の死亡事故の背後に何百件もの軽い事故が隠れています。そして、それら軽い事故を減らしていくことしか死亡事故を防ぐ方法はありません。本気で再発防止・医療安全に取り組むなら、ヒヤリとした事例をすべて集めないと意味がないのです。
しかし、それをやる意思も能力も、今の厚労省には残念ながらないと思います。監督される側の医療界も、そのことは百も承知で、事故調査制度を医療安全に役立てていこうという機運はあまり盛り上がりません。
今回の化血研は、製品の品質を国立感染症研究所の国家検定でチェックされていたということもあって、作り方は承認書と違ったかもしれないけれど安全性には何も問題ない、むしろ専門家として良い物を作ろうとやっていた、という意識だったことが第三者委員会報告書に書かれていました。恐らく、何も起きてないのに見つかって罰せられる自分たちは運が悪かった、と思っているはずで、心の底からは反省していないことでしょう。
厚労省がこの体質を改めない限り、もし似たようなことをしているメーカーや研究機関があったとしても、「悪いことが起きる前に直そう」と思うのではなく、「悪いことが起きない限り隠し通そう」と思ってしまう可能性が高いでしょう。つまり、厚労省は自らの体質によって、国民に潜在的な危険を与えています。
ですから本来であれば、今回は厚労省も化血研と一緒に国民に対して謝り、その体質を直すべきなのです。それなのに自分たちは謝りもせず、化血研を刑事告発するそうで、当事者意識がなさ過ぎると思います。厚労省が今すべきは、ある期限を区切って、その間に同様の不正を申し出た組織については責任を問わずに改善を支援することです。
と言っても、そんな重大な決断を官僚にできるとは思えません。まさに政治の決断が必要です。政治家こそが、今、腹を括るべきだと考えます。
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MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
薬害エイズ事件の本質は何だったのか。
それで何がどう変わったのかも知っておくべきだろう。
そして化血研問題がなぜ起こるのかを知っておくべきだ。
こうした問題はおそらく他にもあり、何かが無い限り表に出無いのかも。
要は、システム、ガバナンス、管理、構造の問題なのか。
ならば、かなり普遍的なテーマを内包しているとも言える。
さらには、危機管理、リスクマネジメントの問題とも言えるのか。
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化血研不正で分かった血液製剤の危うい構造
『ロハス・メディカル』編集発行人 川口恭
(この文章は、『ロハス・メディカル』2016年2月号に掲載されるものです)
2015年12月29日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
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化学及血清療法研究所(以下化血研)が承認書と異なる手順で血漿分画製剤を生産し、その隠蔽を続けていた問題には、衝撃を受けた方も多いことでしょう。なぜ化血研は違法と知りながら隠し続けたのか、その周辺事情を探っていくうち、単純な勧善懲悪論では済まされない、危うい構造が隠れていると分かってきました。
まず、最初に用語を説明してしまうと、血液から赤血球、白血球、血小板を取り除いた残りの部分が血漿です。
で、化血研が製造していた血漿分画製剤というものは、普通の医薬品と少し性格が異なることを知っていただく必要があります。
何が違うかというと、製剤の有効成分を、メーカーである化血研が化学合成で作り出しているわけではないという点です。
では一体誰が作り出したのか? それは血液を提供した人たち、その遺伝子なのです。
私たちの血液の中には、遺伝子によって作られた生理的働きを持つ様々なタンパク質が、雑多に存在します。病気やケガで、自らはそのタンパク質を作れないか、自ら作る量では足りないという時に、他人が作ったタンパク質で補う、それが血漿分画製剤の役割です。
化血研などの国内メーカーがやっているのは、献血由来の血漿に含まれる有象無象の混合体から、必要とされるタンパク質を純度高く抽出するという工程に過ぎません。
そして、このことから当然分かるように、メーカーは、原料の血漿からある有効成分を抽出した残りから別の有効成分を抽出し、そのまた残りからさらに別の有効成分を抽出し、そのまた残りから……という連続の工程で複数の製剤を抽出しています。この流れのことを「連産」と呼びます。連産できる各製剤の量の比は、元々血液に含まれていた有効成分の割合を反映して、ほぼ一定になります。
ここまでが、これからの話を理解していただくための基礎知識です。
●「国内自給」という国策
さて、化血研の第三者委員会報告書には『「自分たちは血漿分画製剤の専門家であり、当局よりも血漿分画製剤のことを良く知っている。」、「製造方法を改善しているのだから、当局を少々ごまかしても、大きな問題はない。」という「研究者としてのおごり」』があったと書かれています。
監督官庁で生殺与奪の力を持っているはずの厚生労働省に対して驕りを持てるとは不思議な話だと思わないでしょうか?
ここに、血液製剤の抱える特殊な事情があります。
2002年制定の「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(以下・血液法)」に、「献血による血液製剤の国内自給」との方針が明記されています。「献血による国内自給」が国策となったのは、血友病の方などに多くの感染者を出した薬害エイズ事件が契機となっています。
法律に書いてあるわけですから、厚労省には「献血による国内自給」を達成すべく努力する義務があり、また患者によっては命に関わる薬ですから安定供給も大前提です。自給による安定供給を達成すべく、その製造を任せていたメーカーの一つが化血研でした。
第三者委員会報告書には、『化血研の製造する製剤の中には、シェアが高く代替性が困難なものが多い』とも書かれています。つまり、自分たちが製造を引き受けなかったら、厚労省だって困るはずだ、と思い上がる要素はあったのです。
もちろん世界を見渡せば、化血研が作っているものを製造供給できるメーカーは複数存在するのですが、ベトナム戦争をきっかけに血液製剤の輸出は実質的に禁じられている(*注参照)ため、国内の献血を原料とするとなると、ほぼ自動的に国内メーカーに製造させざるを得ず(原料血漿の国外持ち出しが難しいため。海外メーカーが国内に工場を造れば別)、その中では化血研の技術力は一定の評価を得ていました。厚労省からすると、他に選択肢がなく、そう強くも出られない相手だったということなのです。
●市場が先細り
強く出られない理由は、まだあります。
血漿分画製剤が最初は大変に儲かったのだけれど、今では旨みがなくなり、しかも市場は先細りする一方ということです。このため、新規参入を期待することすら難しくなっていました(ただし化血研自体は、現在もワクチンなどでガッチリ儲けています)。
血漿分画製剤の市場が先細りになる理由は二つあります。
一つ目が、主に海外メーカーの遺伝子組換製剤にシェアを奪われ続けていることです。
理屈上、体内で作られているタンパク質と、そのアミノ酸配列を指定する遺伝子が同定されれば、その遺伝子を細菌や細胞に組み込んで、その物質だけ大量に作らせることができます。その方法で製造されたものが遺伝子組換製剤です。
ピンと来ない方には、今まで他人から提供される臓器を移植するしかなかったのが、iPS細胞から臓器を作れるようになったのと同じだと言ったら、その性格の違いを分かっていただけるでしょうか。
ヒトの血液に潜む未知の病原体による感染のリスクが理論上なくなること(組み込む細胞由来のリスクは残ります)、医薬品としての改良を行えること、原料の量の制約から解放されることなど、遺伝子組換製剤には多くの優れた点があります。改良して新製品とすることで薬価を付け直せるというメーカーにとっての経済的メリットもあります。
患者にとっても遺伝子組換製剤のメリットは大きかったため、当初は血漿分画製剤の花形的存在だった凝固因子製剤もシェアを落とし続けてきました。
日本勢が遺伝子組換の技術を持っていなかったわけではありません。1988年に我が国の遺伝子組換医薬品第1号として登場したのは、他でもない化血研のB型肝炎ワクチン「ビームゲン」でした。
それなのに血漿からの抽出を続け、遺伝子組換製剤を開発しなかったのは、先ほど説明した連産構造と輸出禁止が影響したと考えられます。
血漿から生産できる連産品の量の比は、ほぼ一定になると書きました。つまり、国内だけを販路として、最も売れる製剤の量に合わせて原料血漿を準備すると、その他の製剤に関しては原料が多過ぎることになります。
現在のところ日本で最も大量に売れる血漿分画製剤はアルブミン製剤です。困ったことに、アルブミンというのは、連産の最後にようやく抽出できるものなのです。
つまり、アルブミンの需要に合わせて原料を用意して製造した場合、凝固因子製剤などの半製品も出来てしまい、輸出できない以上は確実に余るのです。製品にして出荷しなければ全部捨てるしかないわけで、元が善意の献血であることを考えたら、それを捨ててまで遺伝子組換製剤を製造しようとは思わないことでしょう。
市場先細りの二つ目の原因は、薬価の持続的な下落です。
血漿分画製剤も、卸から先の流通は通常の医薬品と基本的に変わりません。通常は2年に1度ある薬価改定の対象となっています。
薬価改定は、市場の実勢価格に合わせていく方法で行われます。国内メーカーが複数(2015年では3社)存在し、加えて海外メーカー製品も入ってきているという競争があって、しかも納入価格の交渉は卸業者と医療機関との間で行われるため、メーカーが何と言おうが、医療機関への納入の際には、薬価から値引きが行われます(ここの所には医薬品流通の抱える大きな問題が存在するのですが、今回は触れません)。
この結果、改定の度に薬価が下がります。これを20年以上続けてきた結果、利幅がとても薄い製品群となってしまったのです。通常の医薬品であれば、改良を加えて新製品として出し薬価を再取得することも可能なのですが、血漿分画製剤ではほとんど期待できません。同じ献血から作られる輸血用血液製剤(赤血球や血小板など)に競争がなく、その薬価は下がるどころか、安全対策を加える度に上がり続けているのとも好対照です。
●割当配給制の原料
さて、血液製剤やワクチンなどの「生物学的製剤」は、原料と製造法が承認書通りか確認される一般医薬品同様のチェックに加えて、国立感染症研究所による国家検定で、製品そのものの品質もチェックされています。純粋な工業製品と異なり、原料や製造手段に生物由来の物を使い、その性質に元からバラつきがあるため、承認書通りに製造していたとしても基準から外れた物が出来てしまう可能性はあるためです。
化血研の製品群も、国家検定は通り続けていました。つまり、品質の基準は満たしており「自給による安定供給」へは貢献していたわけです。残った問題の、承認書と違う方法で製造していた法律違反に関して、承認書の方を実際の製造法に合わせて訂正することで解消をめざすというのが、部外者から見れば当然の判断です。
しかし、第三者委員会報告書は『一度開始された不整合や隠ぺい工作を当局に知られることなく中止することは極めて困難であり、化血研の役職員は、先人達が始めた不整合や隠ぺいを当局に報告する勇気もなく、それらを改善する方策も見つからず、先人達の違法行為に呪縛されて、自らも違法行為を行うという悪循環に陥っていた』と記します。
承認書に訂正を加えるには、製造法の変更申請をする必要があります。そして、変更が認められると、その日までに国家検定を通過している製品か、製造変更承認日以降に生産を開始した製品でないと出荷できなくなります。
一般に、生産開始から国家検定終了まで9カ月近くかかるそうです。その間に欠品が起きないよう、前もって9カ月分を余計に生産して在庫にしてから変更申請する、というのが通例となっているそうです。
今回の化血研にとって致命的だったのは、連産の最も上流にある凝固第9因子製剤を抽出する段階で承認書と異なる工程を入れていたため、もし変更申請するなら、下流の計10製剤でも同時に変更申請が必要になってしまった、ということです。その中に、国内の需要が最も多い、つまりは原料の余らないアルブミン製剤が含まれており、余計に9カ月分作るためには、原料も9カ月分余計に必要でした。
ここで「国内自給」が壁となります。余計に生産するための原料血漿は、献血由来の物を日本赤十字社から買うしかなく、しかし各メーカーが買える量は、1年ごとに国の薬事・食品衛生審議会血液事業部会で決定されることになっています。割当量は献血の目標量とも連動しており、例年以上の割当を受けるためには、皆を納得させる理由が要ります。
ですが、原料が余っていて製造法改良のメリットが見えにくい凝固因子製剤で製造変更するだけでも不自然なのに、それだけ多くの製剤を道連れにするなんて、怪しまれるに決まっています。化血研は、既に製造法が違うとバレるリスクを冒してまで、割当を増やそうとはしませんでした。
要するに化血研は、課せられた「国内自給の国策」と「安定供給」と「法令遵守」のすべてを満たすことがどうしてもできず、法令遵守の部分で頬被りをした、ということになります。
この問題、まだまだ奥が深そうです。次号以降も報告を続けます。
*注 国会で、兵士の治療に用いることができる「後方支援物資」ではないかとの議論があり、1966年から、武器に転用できる物資の輸出を制限する「輸出貿易管理令」の対象となっています。
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ご覧になる環境により、文字化けを起こすことがあります。その際はHPより原稿をご覧いただけますのでご確認ください。
MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
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化血研問題は厚労省の問題 トカゲの尻尾切りで済ますな
医師・前参院議員・元厚生労働大臣政務官 梅村聡
(この文章は、『ロハス・メディカル』2016年2月号に掲載されるものです)
2015年12月30日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
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化学及血清療法研究所(以下化血研)が承認書と異なる手順で血液製剤を生産し、その隠蔽を続けていた問題は、ある意味、厚労省の体質が生んだ事件でもあります。厚労省が自らの体質を直さず、化血研の処分というトカゲの尻尾切りだけで済ませるなら、いずれ同じようなことが再発するでしょう。
まず大前提として、化血研を擁護するつもりは、毛頭ありません。彼らのしてきたことが、患者さんや国民に対する許されざる背信行為であることは疑いもない事実です。
ただ、その上で、この問題の原因を化血研だけに求めて厳しく処分したとしても、また同じようなことが繰り返されるに違いない、と思うのです。
化血研に不正を隠し続けるに至らせた監督官庁としての厚生労働省の体質が、何も変わらないままになりそうだからです。
厚労省に限らず行政全般に多かれ少なかれ言えることですが、あちら立てればこちらが立たぬというような規制があって、普段は守らなくても問題にされないのだけれど、それで良いのかと行政に確認したり、あるいは事件事故が起きたりした瞬間に処罰が発動されるということ、皆さんも身の周りで思い当たらないでしょうか。
厚労省の体質が今回の事件に影響したポイントは二つあります。
●訊いたが最後
まず、行政に確認することの恐ろしさ、です。訊かなければ何も起きなかったのに、訊いたばっかりにヒドイ目に遭う、のです。
こんな例がありました。某県で、ある民間病院が県道を挟んだ反対側に別の医療センターを作りました。道が基準幅より太ければ別の医療機関として県知事へ届け出る必要があったのですが、そこは基準以下だったので分院としての届け出で済みました。ところが、県が拡幅工事を行った結果、2施設間の県道の幅が基準を超えてしまいました。お分かりのように、病院側は何も悪いことをしていません。でも、念のためと県へ問い合わせたら、別の医療機関としての届出を再度させられたというのです。他の部署とは言え自分たち(県)が原因を作ったにもかかわらず、事情の斟酌は一切なかったそうです。相手が監督機関でなかったら、損害賠償の請求を検討してもおかしくない事例だと思います。
今回の化血研の件も、もし厚労省に相談したら、すぐに全部、いったん生産を止めて製造変更を申請しろとなったに違いありません。でも、それができるくらいなら、偽装などする必要もないのです。
製造変更が認められると、それまでに国家検定を通過した製品か、製造変更承認日以降に生産を開始した製品でないと出荷できなくなります。生産開始から国家検定終了まで9カ月近くかかります。その間に商品を欠品させると、患者さんや医療界に大変な迷惑がかかるので、9カ月分の在庫を持ってから製造変更を申請するというのが通例となっているそうです(本誌特別記事参照)。つまり、前もって9カ月分余計に生産してからでないと変更申請できません。しかし、余計に生産するための原料血漿は日本赤十字社からしか買うことができず、献血の目標量と連動する割当量は、1年ごとに国の薬事・食品衛生審議会血液事業部会で承認されることになっています。例年以上の割当を受けるためには事情を説明しなければならないけれど、説明した瞬間に生産を止められて大混乱になる、ということが目に見えているわけです。厚労省が一緒に知恵を絞ってくれる、などということは期待できません。化血研は一体どうすれば良かったのでしょうか。
つまり最初に悪事に手を染めたのは化血研の自己責任ですが、その悪事を告白して是正する更生を妨げていたのは、紛れもなく監督官庁としての厚労省の体質です。今現在も、似たようなことをしていて告白できずに震えているメーカーや研究機関があるかもしれません。
●結果責任だけ問う
もう一つのポイントが、旧内務省に起源を発する省庁ならではの「結果責任だけ問う」体質です。悪い事が起きないように常時監督しているのは手間と人手がかかって面倒なので、何か起きた場合に、その責任者を吊るし上げて一罰百戒にするというものです。
体質のよく分かる好例が、2015年10月から始まった医療事故調査制度です。目的は再発防止・医療安全と謳われているにもかかわらず、届出の対象は死亡事故のみとなりました。1件の死亡事故の背後に何百件もの軽い事故が隠れています。そして、それら軽い事故を減らしていくことしか死亡事故を防ぐ方法はありません。本気で再発防止・医療安全に取り組むなら、ヒヤリとした事例をすべて集めないと意味がないのです。
しかし、それをやる意思も能力も、今の厚労省には残念ながらないと思います。監督される側の医療界も、そのことは百も承知で、事故調査制度を医療安全に役立てていこうという機運はあまり盛り上がりません。
今回の化血研は、製品の品質を国立感染症研究所の国家検定でチェックされていたということもあって、作り方は承認書と違ったかもしれないけれど安全性には何も問題ない、むしろ専門家として良い物を作ろうとやっていた、という意識だったことが第三者委員会報告書に書かれていました。恐らく、何も起きてないのに見つかって罰せられる自分たちは運が悪かった、と思っているはずで、心の底からは反省していないことでしょう。
厚労省がこの体質を改めない限り、もし似たようなことをしているメーカーや研究機関があったとしても、「悪いことが起きる前に直そう」と思うのではなく、「悪いことが起きない限り隠し通そう」と思ってしまう可能性が高いでしょう。つまり、厚労省は自らの体質によって、国民に潜在的な危険を与えています。
ですから本来であれば、今回は厚労省も化血研と一緒に国民に対して謝り、その体質を直すべきなのです。それなのに自分たちは謝りもせず、化血研を刑事告発するそうで、当事者意識がなさ過ぎると思います。厚労省が今すべきは、ある期限を区切って、その間に同様の不正を申し出た組織については責任を問わずに改善を支援することです。
と言っても、そんな重大な決断を官僚にできるとは思えません。まさに政治の決断が必要です。政治家こそが、今、腹を括るべきだと考えます。
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この記事へのコメント
医師は勿論、人の命を預かる職業ですけれど、官僚職は人の首根っこを掴んでいる、というような
絵図を想像してしまいます。「分からなければ、いいだろう」的な体質、構造ってことでしょうか。
どこかの場面で説明責任を果たして頂くような、または、国民がオンブズマンの役割として介入
できるような、構造システムを考えて欲しいものです。
Posted by もも at 2016年01月05日 09:58 | 返信
私も時々、献血をさせて貰っています。
でも血液をめぐる事業は、よくわからない世界ですね。
化血研問題の背景は、なんとなく理解できましたけど、「薬害エイズ事件、問題」はよくわからないし、許せない問題です。
まあ、化血研問題と一緒の「厚生労働省の魑魅魍魎の蠢く世界」が原因なのでしょうけど。
Posted by 匿名 at 2016年01月06日 04:58 | 返信
化血研の報道を聞いていると、不思議なことがいくつかあります。
まず、40年間も不正を隠ぺいし続けられたのか、検査監督は何をしていたのか
国の承認を受けていない方法で製造していたというが、その具体的内容が報道されないこと
また、このような不正を行うに至った原因や理由が発表されないこと(時間の節約、勇気がなかったなどの推論のみ)
決定的なのは、製造出荷された製品による健康被害がないということ。
川口恭氏と梅村聡氏の記事を見て徐々に全体像が見えてきました。
根本には行政に問題がある、そして行政がその責任を逃れるために化血研を処分していることが見えてきました。
Posted by 桜町俊二 at 2016年01月09日 01:22 | 返信
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