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効果的なペナルテイとは

2016年01月27日(水)

医療タイムスの連載には「効果的なペナルテイとは」で書いた。
医者へのペナルテイばかりの保険診療規則であるが、
患者さんに課した方が効果があるのではないか、という内容。→こちら
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限られた医療資源の中で、国民皆保険制度を守る
ためには、いろんな知恵を絞らなkてはいけない時。

叩かれるのは覚悟の上。

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医療タイムス1月号  効果的なペナルテイとは    長尾和宏
 
 紹介状無しで病院を受診すると患者さんに一見さん料金として5000円が上乗せされるという。あるいは初診だけでなく再診にも2000円が上乗せされるという話も聞いた。フリーアクセスをウリとする国民皆保険制からすればそんなペナルテイには様々な意見があるだろう。しかし必要な規則ではないか。なぜなら、本気で実効性を期待するのであれば、医療機関側ではなく患者さん側に負担を求めたほうが実効性がある場合が多いからだ。受診行動はあくまで患者さん側が主導権を持っていて医療機関側は受け身である。

 考えてみれば、診療報酬の諸規則は医師側に課せられるペナルテイが多すぎやしないか。患者=性善説、医師=性悪説ということだろうか。たとえば7種類以上の多剤投与の処方箋へのペナルテイは医師側に課せられている。しかし患者が一方的に要求した結果であることも多分にある。もしそのペナルテイが患者側に課せられるのであれば、患者側から「先生、お薬を減らして下さい」と言い出すのではないか。本気で多剤投与や残薬問題に取り組むのであれば、大きな発想の転換が必要であろう。

 多剤投与だけではない。たとえば病院から退院して1ケ月以内に診療所を再診した場合に算定された特定疾患療養管理料は、内科系診療所のレセプトの重点取り締まり項目となっている。しかし患者さんが入院していたことを言ってくれない場合も多々ある。患者さんは白内障の一泊入院がまさか診療所の管理料に影響を及ぼすことなど誰も知らない。だから退院情報として入手できていないで算定してしまう場合がある。しかしペナルテイはいつも医療機関側に課せられている。

 あるいは健康保険証の資格喪失後の受診に対する査定も同様だ。保険者資格の喪失後に故意に資格有りとなりすまして受診する人がいるが、そのペナルテイは医療機関に課せられる。また度を超えた多重受診や頻回受診についても医療機関ではなく本人に注意すべきではないだろうか。受診者側のルールを造り、周知徹底することが無駄の削減には有効なはずだ。お薬手帳の普及についても同様だ。たとえばそれを持たずに薬局に行けば、患者側に相当な上乗せ料金が発生するのであれば、みなお薬手帳を忘れずに持ってくるだろう。

 国民皆保険制度を水や空気のように当たり前だと思っている患者さんがいる。今後、そのような人へのアプローチがきわめて重要になる。医療保険の仕組みを国民に理解してもらうにはためには、「ペナルテイ」というムチも時には仕方がない。一方、医療機関側がいくら「皆保険制度を維持!」と声高に叫んでも国民の心には思うほど響かない。自分たちの利益のためではないかと勘ぐられる。そうではなく、患者さん側から「皆保険堅持!」という声がジワジワと上がるような仕組み造りをそろそろ考えてもいい時期に来ている。

 サ高住などの集合住宅における在宅医療においても医師以外への職種へのペナルテイを考えるべきだ。ハコモノのオーナーが医療の本来の形を歪めているケースが少なくない。だから医療機関ばかりにペナルテイを求めるのではなく、時にはサ高住のオーナーにも課すべきではないか。こうした劇薬も時には使いようである。診療報酬改訂を前に、普段思っている愚痴を書いてみた。

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この記事へのコメント

なるほど

Posted by うめ at 2016年01月27日 09:05 | 返信

サ高住とかホーム付きのクリニックが数年前からタケノコのように増えたようですが、そこの訪問診療やってるのが医療コンツェルンに雇われた、理念も何もないやる気ゼロのdo処方箋マシーンのような医者が多いですかね。認知症の周辺症状が少し出ただけでも、自分の頭で何も考えずに他に丸投げしますからね。救急対応もロクにせず、病院に丸投げなのが多い。医療法人オーナーが利益主導でやってるので、雇われた医者もそれに追従することしか考えていないのでは?

Posted by マッドネス at 2016年01月28日 11:14 | 返信

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