このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

私の調剤薬局改革案

2016年03月10日(木)

来月の診療報酬改訂の餌食のひとつは、調剤薬局である。
細かい規則で、ただでさえ忙しい日常業務を邪魔している。
こんな改訂ではなく、根本的な調剤薬局改革をすべきだと思う。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 
薬局が狙われるのは、薬局が儲け過ぎであるからだ。
そこに安住してきたツケを、これから払わされることになる。


・大手調剤薬局の社長の給料が数億円。
 (一流病院の院長の給与が1000万円台の数十倍)

・医師の再診料より、薬剤師の調剤量のほうが高い
 (医師の再診料は1000円程度だが、薬局のほうが高い)

以上の2点は、医師の大きな嫉妬となる。
私もおかしいと思う。

しかしそもそも、調剤薬局制度には、根本的な疑問がいくつもある。


1)院外処方誘導政策は誤りだったことを、素直に認めよ!
 
  私は院内処方のほうが院外処方より優れていると考えて、10年以上
  院内処方で頑張ってきたが、ジェネリック誘導でついにギブアップした。
  1つの薬に先発品とジェネリックの2つあり、管理が不可能になった。

2)そして「院内薬局」や「門前薬局」を認めよ!

  大きな病院なら院内に、コンビニまであるのに、なぜ薬局はダメなのか。
  門前にあるのに、なぜ門前薬局を認めないのか。

  患者さんにとっては、近くて、安くて、安全であることが最大条件であろう。
  ならば、院内や門内、門前は大いに結構で、むしろ優遇すべきではないか。

  院内薬局の調剤量は、現在の院内調剤より高くするのは当然。
  そもそも院内調剤にも薬剤師を少しは関与させるべき。

  両者の差は、薬剤師の関わりで決めるべき。
  院内調剤は上げて、院内薬局は現在より下がるのは仕方が無い。

3)医療機関と薬局の関係を認めよ!

  厚労省は「特定の薬局と仲良くしてはいけない」という一方、
  「薬剤師さんとも多職種連携で仲良くしてね」と謳っている。

  「いったいどっちやねん!」と、なぜ薬剤師が怒らないのか不思議だ。

  男女交際を禁止している学校が、一方で「おおいに恋愛しなさい」と
  言っているような矛盾を、なぜ誰も問題にしないのか理解できない。


4) ジェネリック処方箋率で締めあげている愚を知れ!

  調剤薬局は、ジェネリックを含む処方箋が全体の何%以上あるかで区分される。
  10種類の薬の一剤でもジェネリックがあればその処方箋はジェネリック処方箋。

  「先生、薬局に行けば、ジェネリックばかり勧められて、私はイヤ!」
  「ジェネリックにしなければいけないと薬剤師に脅迫されているみたい」

  これが現場の声である。
  薬局はジェネリック処方箋率がたしか6割とか7割以上無いと生き残れない。

  ジェネリック処方箋率で薬局を縛りつけても百害あって一利無しなのだが。


5) ジェネリック誘導したいのなら患者にコストを求めるべき!


  医療費削減のコストを、厚労省はすべて医師や薬剤師に求めるが間違いである。
  それを選ぶ患者さんに負担してもらうのが当然である。

  大阪から東京に行く新幹線の座席には、普通車とグリーン車の2種類ある。
  普通車だと15000円でグリーン車だと2万円で、5千円の差がある。

  しかし誰も強要せず、利用者が選んでいる。
  先発品を選択した人が上乗せコストを負担すべきではないか。

  多剤投与対策も同じで、7種類以上投薬は医者にペナルテイがかかる。
  そうではなく、患者さんにペナルテイを課すべきだ。

  すると患者さんのほうから「先生、薬を5種類に減らして下さい」となるはず。


6) お薬手帳をを忘れた人には健康保険を適用しない!

  医療機関の窓口では健康保険証を持っていないと一旦は、全額が自己負担。
  薬局も同様に、お薬手帳を持参しないものは、いったん自己負担にすべきだ。

  初診患者でお薬手帳を持っている人は半数以下。
  反対に、「10冊以上持っているよ!」と自慢げに見せてくれる人もいる。

  患者さんはそれを忘れてもペナルテイ無しだし、
  薬局も新たにお薬手帳を出したらはいいくら、と貰える、というヘンな制度。

  つまり、なんのためのお薬手帳なのかを市民が理解していないのだ。
  忘れても患者は痛くも痒くもなく、困るのは医者だけなのだ。

  薬剤情報の一元化は、簡単だ。
  グレジットカードのICチップに薬剤情報を入力すれば、簡単に実現できる。

  台湾の保険証には、すべての薬剤情報が入っていて共有されている。
  ついでにリビングウイル情報も埋め込められていたら、さらに良い。


7) ジェネリック局を創設して、ジェネリックは、一品につきひとつに絞れ!

   人気の先発品には、20~30ものジェネリック医薬品が出ている。
   しかし玉石混合で、一流のジェネリックから4流のジェネリックまである。

   ジェネリックの値段も7割から3割くらいまでさまざまだし、
   薬局への納入価格(値引き率)に関しても千差万別なのが現状。

   そもそも、何十ものジェネリックがなぜ必要なのか。
   一番優秀なジェなリック、安かろう良かろうジェなリックがひとつだけあればいい。

  そのために、「日本にもジェネリックを審査するジェネリック局を造れ!」と
  あちこちで書いて話してきたが、国は誰ひとり聞く耳を持たない。

  NHKは「アリセプトで暴れても中止したらあかん!」という自称専門家の
  戯言を繰り返して垂れ流すだけで、絶対に本質は報道しない。


8) 間違った薬局イジメは、国民のためにならない!

  お金が無いからと、儲かっている薬局をいじめるための診療報酬改訂。
  目先の1円しか見ていないので、国家の100年先などみじんも考えていない。

  儲かっているのは、大手薬局チェーンだけ。
  正確にいえば、その大会社の社長と役員だけ。

  街の小さな薬局はさほど儲かっていない。
  そこも同様にイジメたらば、倒産して、地域の住民が困ることになる。


9) フランチャイズ規模別に調剤報酬を区分せよ。

  そもそも医療は非営利、株式会社NG、である。

  なのに、薬局は株式会社OKで、フランチャイズ大歓迎である。

  それだけでも、大きな矛盾を孕んでいることに気がついているか。

  院内処方でもらう薬=100%非営利法人の運営下にある。
  院外処方でもらう薬=株式会社なら、利益は株主に分配される。

  原材料が製薬会社という株式会社が造っているという大前提は良しとしても、
  株式会社の調剤薬局運営には、それなりの規制を設けるべきではないか。

  従業員100人以上の株式会社の薬局の調剤量は、9割にして
  1000人以上ならば、8割に減額すべきではないか。

  つまり薬局を、ローソンと同様の全国フランチャイズOKであるとするならば
  スケールメリットを勘案した診療報酬体系にすべきだ。

  一方、ローソンは利益が見込める場所にしか出店しない。
  しかし薬局は、小さな医療機関でさほど儲からないと分かっていてもやる時がある。

  つまり、小さな薬局は社会資源であり、フランチャイズ薬局と同列に評価するとう
  現在の診療報酬体系は、根本から間違っていると考える。

  いずれにせよ、年収何億円のフランチャイズ薬局と街の小さな薬局を
  同列とみなして、ジェネリックで締めあげる政策は、愚の骨頂である!


10) 最後に

  なぜこんな、、私のようなアホでも気が付くことを是正できないのか。

  それは厚労省が、職員が万単位でいる巨大官庁であり、省内の
  連携や統合がまったくできない、お役所であるからだ。

  正確には、それを是正しないことこそが、官僚制度の本質であるからだ。

  是正できる唯一の権力は、「政治」であるが、そんな地味な改革をしても
  選挙民には評価してもらえない(票にならない)ので誰もやらない。

  こうした”なれあい”は、律令制度の創立以来、1000何百年も脈々と続いて
  きたので、いまさら、政官財のトライアングルは、誰をしても崩すことはできない。

  2020年の東京五輪後には、日本はデフォルトすると予想するひとりである。
   
  現在の医療政策は、私の目には「破綻を待っている」ないし
  「破綻を加速させるためにやっている」ようにしか見えない。

  楽観主義はいいのだが、国民は浮かれながらも、自衛はしておいたほうがいい。
  
  歴史的に見て日本は誤った政策は、外圧によるカタルシスで破綻されてきた。
  外から大きな球が飛んで来ないと目覚めない民族なのである。

  だから、以上のような提言をいくらしても無駄なのだろう。
  実現するとは、0.1%も思っていない。

  ただ、現在、悩んでいる、胃が痛い善良な薬剤師さんには
  「そんな悩まないでね。
   貴方が悪いのではないのだから。
   それより、地域包括ケアという美しい夢を一緒に見ようよ」と、申しあげたいだけ。



久々に持論を、長々と書いた。

応援して頂けるならば、2つのクリックを!

そして、毎日、お願いします!


このブログのポントが、何十倍になれば、世の中が少し変わるかも、
と思いながら書いている。

無駄だと分かっていても抵抗するのが自分の主義なので。
いつまで続くか自信は無いけれど・・・


PS)

認知症の介護でお悩みの方に

「ラジオ大阪」の土曜日の昼(12時半~1時)の私の番組、
「Dr長尾の死ぬまでハッピー」を聞いてください。

3月12日(土) 認知症の薬について

3月19日(日) 認知症のケアについて(特別ゲスト丸尾多重子さん)


  
  

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

応援しています!

Posted by 渕上祥子 at 2016年03月10日 01:35 | 返信

入力ミス?
(8)に、「儲かっているのは、大手薬局tチェーンだけ。」とありますが、「大手薬局チェーン」の間違いじゃないですか?
これだと、イニシャルがTのチェーン店のことと勘違いされませんか。

Posted by 匿名 at 2016年03月10日 04:42 | 返信

久々に、気持ち良く炸裂した長尾節を読ませて頂きました。
そもそも医業と薬業の仕組みは、国民には分かりにくいようにされているのか、なんとなく知らない
間に国民はいいようにされてしまっている..という感覚が伝わりました。
世の中には"お薬様々"のお蔭でボロ儲けしている人がいるという事、つまりは悪代官と越後屋の構図が
はびこっているという由々しき事態が、街のあちらこちらにもあるという解説と理解できました。
ジュネリックに???という思いがあっても、詳しく説明して下さる薬剤師さんには巡り会えていません。
"なんとなく" で済まされているのでしょうね。
(余談ですが野菜を多く摂る生活になると、風邪もひかなくなります。お蔭様で薬とも縁遠くなります)
ブログ後半、「楽観主義はいいのだが、国民は浮かれながらも、自衛はしておいたほうがいい。」
とありますが、具体的にはどのような覚悟や自衛が必要か、を御教示頂けましたら幸いです。

Posted by もも at 2016年03月10日 07:37 | 返信

お前らに任せられないからだよw
お前らが差益を目当てで患者に無駄な薬を出しまくり薬漬けにしたから国がお前らから医薬品を取り上げたんだろ。
商品知識がなく代金の大半も他者に支払わせるお客相手の商売で、売り手と買い手だけで話が終わるかアホ

Posted by 匿名 at 2016年03月10日 08:07 | 返信

患者の立場からしたら医薬分業なんてない方がいいに決まってる。
当たり前だろ
なぜ医薬分業が進められたかというと、医者に任せたせいで患者の無知をいい事に銭ゲバ医師が無駄な投薬を行い医療を食い物にしてしまったから。
ないに越した事はない医薬分業を推進しなきゃならない理由は医者にある。

先ずは自分達の行ってきた過ちを社会に詫びるのが先だろう。
それを無かった事にし、尻拭いを行っている薬局を批判するとは恥知らずもいいところ。
気に入らなきゃ他人を批判する前に世間の信用を取り戻し、院内で経営が成り立つ点数つけてもらえるように努力しろよ。

Posted by 立派立派w at 2016年03月11日 10:09 | 返信

医者はどうどうと法律をやぶっています、薬事法で処方箋誘導は法律違反と書いてあるのに患者さんには前の薬局でもらいなさい(ほとんど命令)と堂々と言っています、行政はいや警察はなぜ逮捕しないのですか

Posted by M.M at 2016年06月04日 09:39 | 返信

某Nチェーンの社長の収入をもって薬局が儲かっていると連呼する医師会にはウンザリ
あそこは自前で製薬もやってるし、店舗数も多いんだから、地域の大病院の院長と比べてどうする?
それなりの規模の名前の通った企業のシャチョさんならそのくらい収入あって当たり前では・・・

Posted by 匿名 at 2017年05月24日 04:12 | 返信

先日、風邪の症状で近くの医院に行ったら、5分も掛からない診察で、医師の初診料金は2820円、投薬処方箋料金は680円で合計3,500円。
大雑把に、時給に換算すると、42,000円

薬局では、15分位掛かり、調剤技術料金860円、薬学管理料500円で合計1,350円
大雑把に、時給に換算すると、 5,400円 薬剤料は、1,270円で合計2、630円

患者が健康保険料と実費で負担する診療、薬料金の合計は、6,180円でした。
この方の言い分は、負担している患者の事を全く感じていない、自分達だけに都合の良い言い分。
患者から見たら、医師の賃金は異常に高過ぎる。

Posted by 匿名 at 2017年08月01日 12:22 | 返信

コメントする

                                               

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • 長尾クリニック
  • Dr.和と一緒に仕事をしませんか?
  • 長尾クリニックメールマガジン まだまだ知らないDr.和情報がてんこもり!
  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ

  • 尼崎市の訪問看護ステーション

  • ケアマネセンターながお

  • 一般社団法人日本尊厳死協会関西支部