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人生の25年間は眠っている

2016年04月14日(木)

人生とは「覚醒50年+睡眠25年の総和」である。
産経新聞の連載は、今週から睡眠シリーズに入った。→こちら
私はいつも疲れているので何時間でも寝ていられる。

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産経新聞・睡眠シリーズ第1回  理想の睡眠とは?
                                                            人生の25年間は眠っている
                
 「長尾先生は何時間くらい寝ているのですか?」。患者さんからよく聞かれる質問ですが、どう答えればいいのかいつも迷います。というのも私の睡眠は実に不規則でとても人に言えるようなものではないからです。睡魔に襲われる午前1時頃に寝て朝7時頃に起きるのが日常です。しかし真夜中に電話で起こされ往診したり、朝方まで原稿を書くこともあるのでかなり不規則な睡眠です。3時間睡眠の日もあれば10時間寝る日もあり、平均すれば7時間くらいでしょうか。ということで今日から8回、睡眠について書きます。

人は1日の3分の1を睡眠に費やしています。人生を75年とすると25年間は眠っています。その睡眠は実に様々な病気と関連しています。現在、日本では3人に1人が睡眠に問題がある病気「睡眠障害」といわれています。「睡眠障害」は糖尿病や高血圧やメタボのみならずがんや認知症など様々な病気の原因です。健康長寿を目指すには、まずは人生の基本である睡眠についてよく知っておくべきです。

 偉人達は何時間くらい眠っていたのでしょうか。ナポレオンは「3時間は勤勉、4時間は普通、5時間は怠惰」と語ったといいます。発明王エジソンも短時間睡眠が自慢だったようで部下に「睡眠とは時間の浪費にすぎない」と語っていたとか。しかし実際はよく昼寝や居眠りをしていて6時間程度は寝ていたという説もあります。一方、アインシュタインは1日10時間以上眠っていたそうです。そもそも何時間眠るのがいいのでしょうか。

 毎日の睡眠時間には大きな個人差があります。7割の人が、6.5時間から8.5時間睡眠ですが、4時間以下ないし10時間以上眠るという人も100人に1人います。さまざまな調査では7~8時間睡眠の人がもっとも長命であるとされています。しかし認知能力を調べた実験では7時間睡眠と9時間睡眠の比較では9時間睡眠のほうが認知能力が高かったという報告もあります。「眠気を感じずにスッキリと過ごせるだけ眠ればよい」が適切な答えになるのでしょう。しかし現実には仕事や生活習慣の乱れで十分な睡眠がとれていない人が少なくありません。

 睡眠が6時間以下になると注意力が低下してミスを起こしやすくなります。私の場合は怒りっぽくなります。そして6時間以下の睡眠が1週間続くと2日間の徹夜と同じ状態になります。昨今、関越自動車道高速バス事故などのバス事故がニュースで流れますが、背景には運転手の過重労働や睡眠不足が指摘されています。日本大学医学部の内山真教授の試算によると睡眠障害は莫大な社会的影響をもたらします。作業効率低下による損失が3兆665億円、欠勤などの損失が1616億円、交通事故の損失が2413億円で合計3兆4000億円も失われています。また不足している日本の外科医は当直明けでもそのまま手術に入らないと仕事が回りません。しかし徹夜明けはビール1本飲んだのと同じ状態です。万一注意力の低下により手術ミスがあれば、お金に換算できない損害が生じます。つまり睡眠障害により単に個人レベルに留まらず社会にも大きな損害が生じるのです。
 次回から睡眠の仕組みやさまざまな病気との関連、不眠症へのヒントや睡眠薬の最新情報についてお話します。
 
 
キーワード 関越自動車道高速バス事故
2012年4月、関越自動車道における高速バス運転手の居眠りによる事故で46人の死傷者が出た。この事故を契機に高速ツアーバスは廃止され新高速乗合バスに集約された。
 
 

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この記事へのコメント

不規則な睡眠でピール1本飲んだのと同じ状態で書いている(のかもしれない)から仕方ないでしょうが、不足している日本の外科医っていうのは誤った表現ではないかと思います。偏在している、というのなら現実でしょうが、外科医の総数は余っているのではないですか。優秀な外科医、は不足しているでしょうけどあぶなっかしい外科医がうじゃうじゃいるのではないですか。だからやたら練習を兼ねて手術をして患者を殺している。
まあ、そのうち医者も余ってやたら病人を増やそうとするのでしょう。あ、今もすでに医者の仕事になってますね。薬を飲ませて病人を増やすことが。

Posted by 匿名 at 2016年04月14日 02:21 | 返信

"昼寝をすると午後の仕事が効率良くなる" と、どこかのIT企業やベンチャー企業が実践している
と羨ましい環境にある会社もあるそうな。15分の昼寝でも効果があるそうですね。
実際に寝ることができる睡眠時間効果が、もちろんあるのでしょうけれど、そのようにリラックスと
集中を緩球使い分けできる会社体質が、そもそも効率良い、優良企業なのでしょうね。

Posted by もも at 2016年04月14日 07:47 | 返信

目覚ましが鳴り、何度もスヌーズして音を聞いたり止めたりを繰り返すことができる暁が好きです。
うつらうつらできる気持ち良さは幸せだと本心で思います。気持ち良い睡眠を手に入れることが
できた時に、その感覚が良くて日中に懸命に動いている、と思ったりします。
今このように思えるのは、少なからず睡眠障害の苦しさ辛さも知っているからです。
心の呪縛(自身を追い込み苦しめる根本)を解放しさえすれば、快眠は訪れると思います。

Posted by もも at 2016年04月14日 10:41 | 返信

睡眠って大切なんだなと改めて思いました。ふとんの中でごろごろするのは気持ちいいです。先生は細切れ睡眠なんですね。でもその分、誰にも起こされずに朝までぐっすり眠れた時はとてもしあわせですね。ほんとに毎晩おつかれさまです。

Posted by 匿名 at 2016年04月15日 06:46 | 返信

長尾先生は、何でもご自分でしてしまうと言う点で、諸葛孔明と似ているんですよ。
それで(司馬仲達が、諸葛孔明の伝令が、密書を持ってきた時、「孔明先生はお元気ですか?」と質問すると、伝令は「朝は4時に起きて事務処理をして、お昼も仕事をして、夜も残務処理をなさっておられます」と答えた。伝令が帰ると、司馬仲達は「諸葛孔明の命は、長くはあるまい」と独り言を言った。)
と、「三国志演義」に書いてあります。
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」と言いますけど、天下を取ったのは、仲達の子供でした。
そろそろ、お年なんですから、日野原先生を見習って、「EKG」(いい加減)に生きて、100歳まで長生きして下さい。

Posted by 匿名 at 2016年04月15日 09:14 | 返信

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