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「TAVIの現状と将来」
2016年05月14日(土)
先週、「TAVIの現状と将来」という講演を聞いた。
GW中だというのに勉強会場は熱心な医師達で満席だった。
大動脈弁の弁の入れ替えが実に簡単にできる時代になった。
GW中だというのに勉強会場は熱心な医師達で満席だった。
大動脈弁の弁の入れ替えが実に簡単にできる時代になった。
講演をされた大阪大学心臓外科澤芳樹教授はつくずく凄い人だと思った。
先日は、iPS細胞からの心筋シートを用いた重症心不全のお話を聞いたばかり。
大動脈弁狭窄症の手術は、従来は心臓を止めて人工心肺を回していた。
しかし近年は、TAVIというカテーテルを用いた手技が普及している。
腕や股の動脈からカテーテルを入れて、弁を置き換える方法と
心臓の先端から器具を穿刺する2つの方法がある、という。
手術成績は従来の外科手術より良い。
大阪大学での昨年は成功率100%だったし、全国平均でも死亡率は2%程度と。
TAVI手術は、外科医・内科医・麻酔科医のチーム医療である。
大阪大学でも素晴らしいチームであるから昨年の死亡率ゼロを達成している。
この成績は世界レベルと比較して、10倍良い。
日本のTAVI技術は間違いなくダントツの世界最高。
日本のTAVIは、限られた施設のみで可能で、全例登録制である。
そして今年から世界のTAVI症例にも連動するという。
すなわち、厳格な施設基準と技術の担保や監視下に行われている。
こうした日本のTAVIは、澤先生の指導力の賜物であると感心した。
日本では、TAVIができる病院がひとつもない県がまだいくつかある。
そんなに沢山は要らないので、今後は計画的に実施施設を認定するようだ。
考えてみればこの10年、外科手術は大きく変貌した。
開腹・開胸していた手術は、どんどん腹腔鏡・胸腔鏡手術に置き換わっている。
心臓の手術も心臓を止めずに、カテーテルや穿刺具を用いた「処置」になっている。
だから開腹・開胸したことのない外科医もいるそうだ。
内視鏡手術にしてもダビンチ手術、すなわ3次元手術が増えてきた。
テレビゲームやUFOキャッチャーの世界になりつつある。
切った貼ったの世界から名医のイメージが変わりつつある。
あるいは、外科と内科の境界が無くなってきている。
いつも私が不思議に思うのは
心筋梗塞における冠状動脈のステント処置は内科医の仕事である。
一方、弁の置換は主に外科医の仕事。
外科の定義とはいったい何なのか。
医学の進歩はめまぐるしく、治療法はどんどん非侵襲的で簡便になっていく。
しかし超高齢社会では、「どこまでやるのか」という命題がつきまとう。
今や、100歳以上であってもステント治療もTAVIも行う。
当院でも90歳代の在宅患者さんにもTAVIを受けて成功して元気になった。
しかし当たり前だが命には限りがある。
無限に医学処置ができるわけでない。
大阪大学では術前検討会で「やめたほうがいい」人はハッキリ除外しているという。
これも素晴らしい。
今後、さまざまな治療の”やめどき”が、医療の大きな命題になる。
”やめどき”は、医学の進歩と表裏一体。
そんな想像をしながら聞いていた。
先日は、iPS細胞からの心筋シートを用いた重症心不全のお話を聞いたばかり。
大動脈弁狭窄症の手術は、従来は心臓を止めて人工心肺を回していた。
しかし近年は、TAVIというカテーテルを用いた手技が普及している。
腕や股の動脈からカテーテルを入れて、弁を置き換える方法と
心臓の先端から器具を穿刺する2つの方法がある、という。
手術成績は従来の外科手術より良い。
大阪大学での昨年は成功率100%だったし、全国平均でも死亡率は2%程度と。
TAVI手術は、外科医・内科医・麻酔科医のチーム医療である。
大阪大学でも素晴らしいチームであるから昨年の死亡率ゼロを達成している。
この成績は世界レベルと比較して、10倍良い。
日本のTAVI技術は間違いなくダントツの世界最高。
日本のTAVIは、限られた施設のみで可能で、全例登録制である。
そして今年から世界のTAVI症例にも連動するという。
すなわち、厳格な施設基準と技術の担保や監視下に行われている。
こうした日本のTAVIは、澤先生の指導力の賜物であると感心した。
日本では、TAVIができる病院がひとつもない県がまだいくつかある。
そんなに沢山は要らないので、今後は計画的に実施施設を認定するようだ。
考えてみればこの10年、外科手術は大きく変貌した。
開腹・開胸していた手術は、どんどん腹腔鏡・胸腔鏡手術に置き換わっている。
心臓の手術も心臓を止めずに、カテーテルや穿刺具を用いた「処置」になっている。
だから開腹・開胸したことのない外科医もいるそうだ。
内視鏡手術にしてもダビンチ手術、すなわ3次元手術が増えてきた。
テレビゲームやUFOキャッチャーの世界になりつつある。
切った貼ったの世界から名医のイメージが変わりつつある。
あるいは、外科と内科の境界が無くなってきている。
いつも私が不思議に思うのは
心筋梗塞における冠状動脈のステント処置は内科医の仕事である。
一方、弁の置換は主に外科医の仕事。
外科の定義とはいったい何なのか。
医学の進歩はめまぐるしく、治療法はどんどん非侵襲的で簡便になっていく。
しかし超高齢社会では、「どこまでやるのか」という命題がつきまとう。
今や、100歳以上であってもステント治療もTAVIも行う。
当院でも90歳代の在宅患者さんにもTAVIを受けて成功して元気になった。
しかし当たり前だが命には限りがある。
無限に医学処置ができるわけでない。
大阪大学では術前検討会で「やめたほうがいい」人はハッキリ除外しているという。
これも素晴らしい。
今後、さまざまな治療の”やめどき”が、医療の大きな命題になる。
”やめどき”は、医学の進歩と表裏一体。
そんな想像をしながら聞いていた。
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