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"エビデンス"とはお金があれば捏造もできる仮説

2016年05月12日(木)

世の中には、”エビデンス”という言葉が蔓延している。
なんでも数字で勝負、が現代社会でるが、どこか上手に騙されてはいないだろうか。
正直「エビデンスとはお金があれば捏造もできる仮説」であると常々思っている。
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私はいつも”エビデンス”という言葉を振り回す市民やマスコミや医療者が
おかしくてしょうがない。

”エビデンス”という言葉の意味を知って振り回すのであればまだしも、
まったく知らないマスコミの人の取材を受けた時などに、泣きたくなる。

私は、”エビデンス”とは”確率に基づいた仮説であると勝手に理解し流している。
誰に教えられたことでもなく、30年以上、医者をやっていての直感に過ぎないが。

だからなにかというと、”エビデンスはあるのか?”と尋ねる無邪気な
マスコミの方がたにはどう対応すればいいのか、いつも困ってしまう。


当院に勉強に来る医者には必ず聞く。
「君は、いままでに、ひとつでもエビデンスを造ったことがあるか?」と。

これは大体、博士号を取ったかどうかに相当する質問であるが、要はエビデンス造りに
必須である「データ処理」や「統計処理」を経験したことがあるのか?という意味である。

そんな経験を一度でもしたことがある人なら、”エビデンス”という言葉の意味や
だから”エビデンスレベル”という言葉が存在する理由などを知っているはずだ。

しかし”エビデンスレベル”という言葉すら知らないマスコミ人が”エビデンス”を振り回している。
そしてもしかしたら、今の医療界も同様の愚を犯している部分があるのではないか。

だから私は著書の中で数字やエビデンスという言葉を敢えて使わないように心がけている。
しかしそんな姿勢を非難する人の多くは”エビデンス”という言葉の意味を知らない人である。


「お金さえあればエビデンスはいくらでも造れる」とさえ思う。

現在のエビデンスが全てそうだとは言わないが、怪しい部分が相当あると思っている。

エビデンスとは確率。
エビデンスとは仮説。

それくらいに思っていたほうがいいかも。
少なくとも”真理”であるはずがない。

親鸞流に言うなら、エビデンスとは”からくりごと”そのものであり、
それに惑わされる必要は無い、と「嘆異抄」にも書かれている。

以下、夏井先生のサイトより。(入江先生ご紹介)
 
医薬ビジランスセンター(浜六郎理事長)のサイトに「薬のチェックTIP No65(2016年5月)」の
「Editorial 巧妙なデータ操作に細心の注意を」が無料公開されている。

ベバシズマブ(商品名アバスチン)、ガランタミンなどの医薬品の臨床研究の巧妙なデータ操作の
手口がまとめられている。 http://npojip.org/chk_tip.html#No65

このサイトをよく眺めれば、怖くなることがいっぱい書かれている。
浜先生の言い分が全部が正しいかどうかは、分らないが価値ある資料だ。

しかし少なくとも医師であれば、こうした疑いの目でエビデンスを眺めることが大切。
大阪大学第二内科では「疑うこと」を習った。

市民は「デイオバン事件」を忘れてはいけない。
そしてあれは氷山の一角であろう。

以下、浜先生巻頭言からの転載。
狙いは、がん、認知症、ワクチン。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

本号では、臨床試験や疫学調査で、薬剤の効力をよく見せ、害を少なく見せるデータ操
作の手法が、入れ代わり立ち代わり登場する。
データ操作、平たくいえば、ごまかしをしなければ、試験物質が有効で安全な薬剤だと主
張しづらいことの象徴でもある。
 
まず、ベバシズマブ(商品名アバスチン)。2014、2015 年と連続で日本での市場規模が
1000 億円を超えたという。市場規模に見合う価値のある薬剤か、検証した(55 頁~)。
 
他の抗がん剤でもよく行われるが、ベバシズマブでも腫瘍縮小効果と、無増悪生存期間
(PFS:再発せず、かつ生存している期間)の延長のみで承認された。寿命延長効果は得られ
ていない。非小細胞肺がんを対象に寿命延長を主目標(エンドポイント)としてプラセボ対
照ランダム化比較試験(RCT) が開始された。ところが、非遮蔽比較試験で寿命延長が得ら
れたため、途中で安易にも、主目標をPFS に切り替えている。つまり、製薬企業も寿命延
長を重視しているのだ。しかし、プラセボ対照試験では寿命は延長しなかった。それどこ
ろか、2用量のうち高用量群では寿命短縮傾向があった(PFS も低用量群の方が良かった)。
しかし日本では、この高用量が承認され、販売されている。
 
結腸直腸がんのプラセボ対照試験では、全生存期間の中央値は有意差がなく、3年近く
経過後、プラセボ群が20%生存している時点で、ベバシズマブ群は全員が死亡した。最終
的には、ベバシズマブの毒性死が多いことを示唆している。
このような薬剤に1回約40 万円、6回1コース約240 万円、年間1000 億円を超す費
用を使う価値はあるのか。

次に、認知症用薬剤。短期の認知能はわずかに改善する。しかし、2年以上の長期試験
で、最も重要な介護者の負担軽減や施設入所を遅らせることはできなかった。死亡が減少
したとするガランタミンのRCT の結果は公表されたが、死亡が増加したというプラセボ対
照RCT の結果は出版されず、国への承認申請資料にも添付されなかった(60 頁~)。

まだある。名古屋市が行ったHPV ワクチン調査では、ワクチン接種と「簡単な計算がで
きなくなった」「杖や車いすが必要になった」など24 種類の症状との関連に、「病者除外バ
イアス」が見事に影響している(62 頁~)。しかし、公衆衛生の専門家がそのことを無視し
た解析を行い、あたかもHPV ワクチンが無害であるかのような中間結果を公表し、データ
公開を渋り、その後の最終報告はまだない。

データ操作を見抜くチェックポイント
1.プラセボ対照遮蔽試験で、寿命延長が証明できたか?
2.試験物質に好都合なデータの逆の未公表データは?
3.その一つ、例えば耐性について、意味のある公平な試験で証明したか?
4.「病者除外バイアス」は考慮されたか?
などについて常に点検して、今後も適切な情報提供を心がけていきたい。
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この記事へのコメント

「薬のチェックTIP」  Freeで読める記事もあり、少しづつ読んでいきます。
私は浜医師や別府医師のような医療者が在ることを知りませんでした。
浜六郎医師とともに活動なさっている別府宏圀医師をネットで検索すると、次のような、講演会の前書きの文章がありました。
http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=534

演者から皆さんへ
「『時に癒し、しばしば支え、つねに慰む』は、エドワード・トルドー(1848-1873;米国の医師)が愛した言葉として、よく引用されます。本当に医学が癒せる病気はわずかであり、病苦を軽減することすらままならない。医療者ができることは(そしてしなければならないことは)常に患者・家族の傍らにあって慰めることであるという意味ですが、医学が進歩したと思われている現在においても、状況はあまり変わっていません。そんな中で、いまも『夢の新薬』や『画期的な治療法』が次々と登場してきますが、儲けにつながらない医療はますます片隅に追いやられ、健康不安を巧みに利用した商業主義だけがこの国の保健医療サービスを支配しているような気がします。何が現実であり、何が必要なのか、消費者の目から医療をもう一度見直すことが、この講演のねらいです。」

この記事は2006年のものですから、もう10年経過しています。
2006年に、このような視点から発言なさっている医療者が存するにもかかわらず、10年後の現在の医療は・・・

何が原因なのかな、と。
医療産業が利潤追求に走るから。
消費者=患者 の 医者信仰・薬信仰・医療依存 が強すぎるから。
なんでもかんでも合理化で、簡単にすぐに症状が改善する(ような気がする)インスタント医療を望んでいるから。

何かの本か、Webの記事に書いてあったか、妙に納得した表現です。
「医療産業は資本主義の最期の砦である」

自ら薬で症状を抑えて日本国元首を続けたい「アのお方」は、製薬企業主導の医療産業発展を国家政策にかかげています。
「アのお方」が目指しているのは、「医療栄えて国民みな薬漬け国家」。

Posted by 匿名 at 2016年05月14日 04:00 | 返信

読売新聞WEBの記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20160517-OYT1T50010.html?from=ytop_ylist
引用---「妊産婦4万人、要精神的ケア」厚労省が推計 2016年05月17日 12時46分
 何らかの精神的な問題を抱える妊産婦が、全国で年間約4万人に上るとする推計を厚生労働省研究班がまとめた。・・(中略)・・妊産婦の状況についてアンケートし、1073施設(44%)から有効回答を得た。
研究班によると、精神科への受診など医療的なケアが必要とされた妊産婦は、全体の4%にあたる1551人。年間の出産数が毎年約100万人のため、年間約4万人が精神的な問題を抱えていると推計した。---ここまで引用

これって、患者を増やそうとやっきになってる精神科主導のアンケートだと思います。
妊産婦まで精神科につなげて一体どうするつもりなんだろう?
薬を飲ませて処方薬依存の母親を増やして、日本を滅ぼすつもりなのか。

安心して子供を産める世の中じゃないから不安になるんです。
環境や社会構造のゆがみを是正することが先決なんです。

Posted by 捏造かこじつけか at 2016年05月18日 03:03 | 返信

でも、マタニティブルーってあるのは、本当でしょう?

Posted by 匿名 at 2016年05月18日 11:18 | 返信

マタニティブルーで「精神科への受診など医療的なケアが必要」なんですか???

匿名から匿名への返信 at 2016年05月18日 11:53 | 返信

マタニティブルーに精神科の治療が必要だなんて言ってません。

Posted by 匿名 at 2016年05月19日 11:57 | 返信

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