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血液中RNAですい臓がんの早期発見!?

2016年06月17日(金)

血液中のRNAですい臓がんを早期発見したり、尿検査でがんを早期発見したり
がんの早期診断に関する明るい話題が、あちこちで報じられていることは結構だ。
しかし近藤誠氏は「そんなものはがんもどきだ」とでも言うのだろうか、いや言うべきでは。
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血中RNAの測定で膵がんを早期診断

膵がんを血中RNAを測定することで早期に診断できる。東京大学病院消化器内科の岸川孝弘氏、大塚基之氏らは,同科教授の小池和彦氏の指導の下、膵がん患者の血液中に特異的に多く発現する反復配列RNAについて簡便かつ鋭敏な測定系を確立し、これが膵がん患者のスクリーニングに有用であることをJCI Insight(6月2日号オンライン版)報告した。

 

血清中反復配列RNAを簡便かつ鋭敏に測定

膵がんは現在、日本人のがん死亡者数で4位に位置する予後不良のがんであり、その原因の1つに早期診断が困難であることが挙げられる。近年,多くのバイオマーカーが早期診断に役立つと報告されているが、その多くは再現性に欠けたり、技術的に困難であったりするために、臨床応用には至っていない。

同氏らは、膵臓の正常組織では発現しないが、膵がん組織で特異的に高発現する反復配列RNA、Human satellite Ⅱ(HSATⅡ)RNAに着目して研究を行った。HSATⅡ RNAはその反復性のために、従来用いられてきた方法では正確な測定が困難であった。

しかし今回、同氏らが開発したTandem Repeat Amplification by nuclease Protection (TRAP)法とドロップレットデジタルPCR(ddPCR)法を組み合わせることで、簡便かつ鋭敏に検出することが可能になった。この方法を用いて血清中HSATⅡ RNAのレベルを測定すると、膵がん患者では健康人に比べて血清中のHSATⅡ RNA のcore配列の量が有意に高く検出された(血清1μL当たり健康人3.2コピーに対してがん患者14.8コピー、P<0.05)。さらに、前がん病態とも考えられるIPMN(intraductal papillary mucinous neoplasm)を有する人も効率的に同定することが可能であった。

以上から同氏は「今回われわれが開発したTRAP-ddPCR法は、膵がん患者あるいは膵がん高危険群の患者の日常的な抽出・スクリーニングに有用であることが示された」と述べている。

また、大塚氏は「今回開発した反復配列RNAを高感度に定量する方法は、膵がん患者の早期スクリーニングばかりでなく,これまで注目されることのなかった反復配列RNAの発がんメカニズムへの関与をはじめとした生理的な意義の解明にも役立つと考えられる」とコメントを寄せた。

 


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この記事へのコメント

物言わぬ臓器の代表とされる "膵臓" と聞きます。
...YOMIURI ONLINEより...
膵臓(すいぞう)癌に多く存在し、血液中にわずかに流出している特定のリボ核酸(RNA)を
測定する方法を開発した。
膵臓がん患者と健康な人の計60人で調べたところ、患者の血液には、このRNAが健康な人の
5~6倍含まれていた。膵臓がんになる可能性がある良性腫瘍の患者でも、このRNAは増えていた。
........
何十年も昔の話ですが、友人が整形外科に入院中に、退院日も決まっていたにも拘わらず
「背中が痛い」と言い出し、調べたところ "膵臓" が悪かったようでした。
癌か否か、を考える以前に「膵臓が弱っている」と知る得るだけでも、"発見"の価値あるのでは
ないでしょうか。

Posted by もも at 2016年06月17日 08:38 | 返信

新規の利用者さま…
近藤誠さんの本を息子さんが読んで 抗がん剤治療をやらないと決めたようです
77歳女性です

いろんな利用者さまに出会い お一人お一人 価値観 考え方が違って
びっくりすることが多いです

ともかく 関わり続けること…
それしかできない無力なわたしです

今日も 施設入所の方で 間もなくお迎えがくるであろう88歳の方への訪問に行ってきます
施設は 難しいです
施設職員さんもいらっしゃいます
訪問診療される先生も 最期まで点滴を勧めます
(この先生は 施設しか訪問診療に行ったことがないのか…?
自然に…自然に…逝かれるのを見たことがないのか…?)
今後 この施設でのお仕事は お断りをしたいくらいです
振り回されました…

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2016年06月18日 07:36 | 返信

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